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RESEARCH研究テーマ

アジア地域

国際秩序が変化しつつある中、日本は、民主主義、自由主義の担い手として、アジア地域ひいては世界で、どのような役割を果たしていくべきか。各国地域との連携における、経済をはじめ様々な分野の政策課題と可能性について研究する。

中国の行方と日本の対応

中国はグローバル化の影響を強く受ける「普通の国」になりつつある。今後一世代に亘り、経済の市場化を動因として社会、政治的に大きく変化するだろう。地理的に突出して大きい中国が成長を続ける上では、諸外国との関係を安定的に発展させることも大きな課題だ。本稿ではまず、2008年に発生したチベット族の暴動を手がかりに、中国の今後を左右する諸問題について検討する。次に、中国の展開のシナリオを描きながら、いかに安定的な日中関係を築くのかについて検討する。

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食をめぐる産業内貿易の可能性:成長アジアを見据えて

日本政府は、「攻めの農政」の重要な柱として、農産物の輸出促進に取り組んでいる。平成17年(2005年)3月には、平成21年(2009年)までの5年間で輸出額を倍増させる(約6000億円)という目標を設定した。さらにその後、「21世紀新農政2007」において、平成25年(2013年)までに輸出額1兆円規模を目指すことを目標に定めた。

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東アジアの経済発展と格差問題

1990年代に入り、東アジアでは都市部と農村部の所得格差(農工格差)が拡大している。格差是正には農業開発をさらに進める必要があるが、「緑の革命」が終焉し、取り得る政策は限定される。東アジア諸国で実施されている様々な農産物価格支持政策は、グローバリゼーションに逆行しているという課題もある。日本や韓国をモデルに形成されてきたアジア・モンスーン地帯に特徴的な労働集約的、零細・小農のビジネスモデルを、大胆に大規模農場ベースの労働粗放的な農業ビジネス・モデルに変革する政策努力が求められる。

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FTAのアジア発展への貢献と我が国のFTA戦略

アジアではASEANがFTA締結のハブとなり、国際的生産・流通ネットワークが発達した。日本は、FTAsの内容にビジネス環境整備を含めるなど、FTAsを経済のダイナミズムを生み出すツールへと変革する動きの一翼を担った。現在、日本のFTA戦略は資源確保など第2段階を迎えているが、農業保護問題がボトルネックとなっている。2010年のAPEC日本開催を契機に、日本が国際通商政策の大きな枠組み作りの先頭に立つことができるよう、国内改革が急がれる。

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マフィアたちの 「東アジア共同体」?

東アジアでは越境犯罪の脅威が急速に進行し、国家の主権と市民社会の安全を脅かしつつある。アジアのマフィアたちは、地域経済の統合という波に順応しつつ、大規模なビジネス・チャンスを睨む。イデオロギーや政治体制などのしがらみにとらわれないネットワーク化は、「裏社会の東アジア共同体」を彷彿とさせる。日本は、「越境犯罪との戦い」を通じ、東アジアの安全保障に大きく貢献するだけでなく、新たな地域協力体制の構築に向けて決定的なイニシアティブを取ることが期待される。

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アジアにおけるマネー・ローンダリング問題

「マネー・ローンダリング」は安全保障上の課題として注目されている。これに対する法的規制や国際間協力は、一定の有効性はあるが、アジアにおいては手段・動態の一部が慣習などと連動して実態把握さえ困難な部分もある。一方、規制の過剰強化はグローバルな経済活動を阻害しかねない。資金の流れを適切に監視し、実効性ある政策を行うには、問題を国際的・地域的な観点から捉え、主体的な情報収集・分析が出来る体制を確立することなどが求められる。

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非伝統的安全保障問題と援助

冷戦終結以降、新たなグローバル・ガバナンスのあり方が模索されている。国家間の軍事対峙による伝統的脅威の他、国内暴力、貧困・感染症・環境問題、及び越境組織犯罪などの非伝統的安全保障上の問題の予防も必要だ。開発援助は、国内の問題解決のための国家能力強化に貢献することが期待されるが、国境をまたぐ脅威に対して期待される役割はどのようなものか。国際公共財援助の視点から非伝統的安全保障と人間の安全保障の考え方の関係の整理を試みる。

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「新ASEAN」の課題と日本

ASEANは、2007年の「ASEAN憲章」採択を踏まえ、「新ASEAN」として国際機関、共同体となるべく基盤整備に乗り出した。ASEAN諸国同士の紛争を平和的に解決する機構としての使命が終わり、域外大国による地域の不安定化の防止と非伝統的安全保障をめぐる協力の推進が課題となる。「新ASEAN」に対し、日本は①ポストEPAの日ASEAN関係構築、②東アジア・アジア太平洋協力に向けての日ASEAN協力の推進が必要である。

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日中韓FTA

本書は、日中韓3国による地域的な自由貿易協定(Free Trade Agreement; FTA)についての、総合的な研究成果を取りまとめたものである。第1部は、3国FTAを含む、3国の経済統合にまつわる、横断的な分析課題を取り上げている。課題は貿易自由化に限らず、投資、技術標準や歴史的背景にも及ぶ。第2部は、3国FTAによって影響を受けると想定される重要な産業部門についての研究報告である。巻末には付属資料として、2006年と2007年の日中韓共同研究報告書・政策提言が盛り込まれている。 

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