共同研究機関:
総合研究開発機構(NIRA)
中国国務院発展研究中心(DRC)
韓国対外経済政策研究院(KIEP)

概要

 本研究は、1999年11月ASEAN+3会合の際の日本の小渕恵三首相、中国の朱鎔基首相、韓国の金大中大統領の3首脳会議に於いて、3国間で共同研究を行うとの合意を受け実施されている。具体的には、日中韓3国の経済協力に関する研究と3国首脳への政策提言を目的に、総合研究開発機構(NIRA(日本))、国務院発展研究中心(DRC(中国))、対外経済政策研究院(KIEP(韓国))の3研究機関によって2001年より継続的に行われている。
 当初の2年間は、中国のWTO加盟の意義や影響を研究テーマとしてきたが、2003年からは、日本・中国・韓国の自由貿易協定(FTA)をテーマに、特にその経済効果に焦点を当てた研究を行ってきた。日中韓FTA研究の6年目となる本年は、“日中韓FTAの可能なロードマップ”と題して、①3国のFTA戦略、②日中韓FTAにおける課題と展望、③日中韓FTAに向けたロードマップ、について研究を行った。
 ワークショップやシンポジウムを経ながら、各機関の研究者が執筆した論文や、研究会において議論された内容の中から、重要な箇所がピックアップされてまとめられたのが、今年の共同研究の報告書である。本報告書には、研究成果に加え、政策提言も盛り込まれており、日中韓首脳会談の席へ提出されることになっている。
 2008年共同研究報告書の概要は、以下のとおりである。なお、報告書の原文は、英語とし、各国でそれぞれ日本語・中国語・韓国語に翻訳される。

INDEX

目次

エグゼクティブ・サマリー
I 2008年共同研究の概要
 1. 3国のFTA政策 
 2. 日中韓FTAの課題と展望
  A. 日中韓FTAの展望  
  B. 日中韓FTAの課題  
  C. まとめ
 3. 自由貿易協定のロードマップ
 4. おわりに
II 日中韓 FTAへの機運を維持していくための政策提言

2008年共同研究の概要

1. 3国のFTA政策
 3国それぞれのFTA政策を比較検討し、日中韓FTAについての各国の姿勢を整理した。

2. 日中韓FTAの課題と展望
 各国が、他の2国とのFTA締結あるいは、3国FTAの形成について、どのような課題を有しているかを検討し、その解決策を模索した。

3. 日中韓FTAのロードマップ
 日中韓FTAと3国間での2国間FTAの組み合わせや順序について、異なるシナリオを比較した。その結果、3国FTAを一度に締結することが、2国間FTAを経て3国間FTAに進むより、3国すべてにとって最も大きな利益となることが分かった。

政策提言の骨子

1. 日中韓FTAの可能性を考慮し、時宜を得た方法で意見交換を行うよう、3国政府関係者に提案する
 現在の世界金融危機の深刻さを考慮すると、3国間のより緊密な経済協力の必要性は、かつてないほど急を要している。ゆえに、3国政府関係者が日中韓FTAの可能性について、時宜を得た方法で意見交換を行うことを提案する。

2. 日中韓FTAは3国政府間会合において最重要課題とされるべきである
 東アジアにおける広域なFTAの実現は、日中韓FTAの締結なくしては難しいとの認識に立ち、その重要性を最大限に考慮していくべきである。

3. 日中韓FTAについての話し合いの場を今後も維持していく
 これまで6年間続いた“日中韓FTAの経済効果”についての研究は今年で終了する。しかし、日中韓FTAは3国の行動計画の重要なファクターとなっていることから、来年以降も新たなテーマのもとで3国FTAに関する研究は継続していく。

引用を行う際には、以下を参考に出典の明記をお願いいたします。
【英語版】
Development Research Center, National Institute for Research Advancement, Korea Institute for International Economic Policy.(2008) "Joint Report and Policy Recommendations on the Possible Roadmaps of a Free Trade Agreement between China, Japan and Korea".
【日本語版】
中国国務院発展研究中心・総合研究開発機構・韓国対外経済政策研究院(2008)「日中韓自由貿易協定の可能なロードマップに関する共同報告書及び政策提言」

ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構

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