下井直毅
NIRA客員研究員/多摩大学経営情報学部准教授
伊藤元重
NIRA理事長/東京大学大学院経済学研究科教授
太田哲生
NIRA総括主任研究員
斉藤徹史
NIRA主任研究員
神野真敏
NIRA主任研究員
辻明子
NIRA主任研究員
平井照水
NIRA主任研究員
森直子
NIRA主任研究員

概要

 日本政府は「東アジア共同体」構想を打ち出したが、これまでのところ具体的な政策が提示されているわけではない。総合研究開発機構(NIRA)は、伊藤元重理事長(東京大学大学院経済学研究科教授)を座長とする「東アジア地域連携研究会」を設置し、日本が東アジア諸国とより密接な関係を築くために必要な政策課題について検討を行ってきた。その成果である本報告書では、日本と東アジアの連携にどのような課題と可能性があるのかを主に経済面から考察し、具体的な政策提言を行った。また、本報告書の「個別分野編」においては、EPA/FTA、通貨・金融協力、人材育成、人材交流、航空、環境協力といった様々な分野における政策課題について、欧州共同体の教訓も踏まえつつ、さらに掘り下げた検討を行っている。

INDEX

エグゼクティブサマリー

伊藤元重 NIRA 理事長/東京大学大学院経済学研究科教授

 日本政府は「東アジア共同体」という考え方を打ち出した。残念ながら、東アジア共同体への取り組みをどう進めていくかについて、これまでのところ具体的な政策が提示されているわけではない。東アジア諸国とより密接な関係を築くために必要な政策課題は何か。本報告書では、日本と東アジアの連携にどのような課題と可能性があるのかを主に経済面から考察し、日本と東アジアが進むべき方向について具体的な政策提言を行う。

「東アジア共同体」を考える

 いま、東アジア諸国の経済的結びつきが強まっている。これらの国々のより緊密な連携の延長線上にあるのが「東アジア共同体」であるともいえるだろう。どういった面での連携を深めていくのか、そのために日本が何をしなくてはいけないのか、結果として「東アジア共同体」と呼ばれるような何らかの共同体を構築することができるのか、といったことをめぐって、共通の認識を築き上げていく作業が必要となる。その際、特に以下のポイントを重視して取り組むべきである。

東アジアのスピードに乗り遅れるな
 東アジアは急速なスピードで変化している。特に、中国経済の成長は急速であり、このトレンドが続けば2020年頃にはその経済規模は日本の3倍以上になると予測される(図表1)。しかし日本は政治経済両面でそのスピードについていっていない。いまこそ、大きな変化を前提とした日本の東アジア戦略を構築することが必要である。日本が東アジアの成長から取り残されることは是が非でも避けなければならない。

欧州共同体の教訓に学ぶ
 欧州統合の経験は、東アジアの地域連携を考える上でも多くの貴重な教訓を与えてくれる。今回の欧州財政危機は通貨統合の難しさを知らしめたが、一方で欧州諸国は域内統合を進めることで域内貿易投資の活性化や政治的安定など大きな成果を上げてきた。東アジアにおいても政治的な対立や軋轢を避けるため、経済的な連携を高めていくことが必要である。欧州諸国にならい、東アジアも地域で連携することにより、域内のみならず世界の制度や枠組みの形成においてイニシアティブを発揮していくべきである。

図表1 日本と中国の名目GDPの推移

(注)報告書p.4図表II。2008年までは実績値。2009年以降は1990-2008年のドル建て名目GDPの年平均成長率を延長してNIRAが計算。

貿易依存度を高めるチャンス
 日本の貿易依存度は小さすぎる(図表2)。今後はこれを高めていかなければならない。東アジア近隣諸国の経済的拡大が日本の貿易量の拡大に大きく貢献する可能性が高まっており、それを促進することや、これに伴う国内の大規模な産業構造の変化をスムーズに実現することが日本の経済政策にとって重要な課題である。東アジアは域内分業を進めていく上で優れた特性を持っており、EPA/FTAを進めていく意義が大きい。日本はEPA交渉のスピードを上げるとともに、東アジア全域を巻き込んだ自由貿易地域の形成を念頭に、日中韓EPA締結交渉にも踏み込む必要がある。

図表2 各国の貿易依存度

(注)報告書 p.7 図表III。

「内向き日本」から脱却する
 バブル崩壊後の20年、日本社会は残念ながら非常に内向きになってしまった。地域連携を通じて日本を東アジアに向かって開放していくことは、日本の経済や社会を改革する原動力としても非常に有効である。従来、国内の視点で議論されてきた問題を、外に向けた視点で再検討する必要がある。東アジアの国々の急速な成長により、地域全体で開放化の動きが強まっている。日本にとっても大きなチャンスであり、日本だけが内向きになっている時代ではない。

当面はマルチトラックで
 いま「東アジア共同体」について、明確な形で定義しようとすることは、現実的ではないし、好ましくもない。可能なチャネルで一歩一歩地域の連携を強めていくことが望ましい。特にこの地域の国々なかんずく中国と米国が良好な関係を維持することが重要である。東アジア地域での連携の基本は、当面はマルチトラックである。多面的に地域連携を進めていくことで、その先により明確な形での東アジア共同体の姿が見えてくるものと期待される。

中国の平和的かつ安定的成長を支える
 東アジアにおける地域連携は中国の存在抜きに考えることはできない。近隣諸国は中国との経済的関係のみならず、各分野における地域的な協力と連携の仕組みを整備することにより、中国の平和的かつ安定的な成長を支えるべきである。他方、中国の武力的拡大を抑制するためには米中が安定的な関係を維持することが必要であり、日本としても両国の関係が良好であり続けるような外交的配慮を怠らないようにすべきである。

アジア通貨危機から学ぶ
 通貨危機に一国だけで対応することは難しい。またIMFのような国際組織の機能にも限界がある。域内の各国が協力して危機に対応する仕組みが求められる。現在、各種の通貨・金融協力が進められているが、この展開の先にはアジア通貨基金(AMF)の設立も十分に視野に入れることができる。域内における通貨・金融安定の枠組み、財政金融政策についての政策対話や調整の場の設立が求められる。

連携に向けて時間軸を設定する
 通商交渉と同様、東アジア連携においても、様々な地域的枠組みの下で各国が様々なレベルで議論や交渉を続けること自体が大きな意味を持つ(「自転車理論」)。議論に当たっては時間軸の設定が必要であり、少なくとも以下の三つの点からのアプローチが必要である。
(1)1、2年で具体的な実現に向けて着手できるような政策課題
(2)5年から10年先を目標とした政策目標の設定
(3)より長期的な視点からの東アジア共同体の構想を練っていくこと

1.東アジアにおけるEPA/FTAネットワークの進化―広域経済連携の実現に向けて

太田哲生 NIRA総括主任研究員

 EPA/FTAは東アジアにおける経済統合を促進し、成長するアジア市場を日本の「内需」として取り込んでいく上での重要な政策手段である。現在、既存のEPA/FTAネットワークをもとにASEAN+3、ASEAN+6、APEC参加国等をメンバーとする複数の広域経済連携構想を具体化するための議論が行われているが、これを着実に進めるためには広域経済連携構想の実現に向けたロードマップを策定し、域内の各国・地域間で目標を共有した上で、各種の地域協力フォーラムにおいて進捗管理を行っていくべきである。

 広域経済連携による貿易自由化・円滑化を通じ、日本のGDPは162.2~203.8億ドル(GDPの0.22~0.27%)程度、域内全体のGDPも1,862.2~5,784.4億ドル(域内GDPの0.62~0.86%)程度押し上げられると試算される。サービス・投資の自由化や各種協力等の効果を含めれば、その効果はさらに大きい。日本は農業の体質強化等の「内なる改革」を着実に行い、主体的・戦略的にEPA/FTA交渉に取り組むべきである。

図表3 東アジアにおける広域経済連携の経済効果

(注)報告書<個別分野編>図表1-5。GTAPモデルの動学分析に基づくシミュレーション結果。実施方法の詳細については、報告書の本文を参照。

2.東アジアにおける通貨・金融協力の新局面―アジア通貨基金の創設を

太田哲生 NIRA総括主任研究員
神野真敏 NIRA主任研究員

 アジア通貨危機の反省を踏まえ、チェンマイ・イニシアティブ(CMI)やアジア債券市場の育成等、各種の通貨・金融協力が進展している。CMIの実効性をより高めるためには、①意思決定・発動メカニズムの確立、②資金規模・IMFデリンク枠の拡大、③経済サーベイランスとの一体化と独立した事務局の設置などが必要である。
 現在、CMIのマルチ化等を通じてこれらの課題への対応が図られているが、さらに一歩進めて、分散的な体制の下にある通貨・金融協力の機能や組織を集約し、中期的にはアジア通貨基金(AMF)を創設することを有力な選択肢の一つとして検討するべきである(図表4)。通貨危機への対応や経済サーベイランス、各種の協力等、AMFがその機能を果たすためには本格的な事務局を設置することが不可欠である。幅広い分野から集められた人材がAMFで協働することにより、東アジアにおける金融人材の育成にもつながると期待される。

図表4 アジア通貨基金(AMF)のイメージ

(注)報告書<個別分野編>図表2-5。

3.東アジア地域連携と人材育成戦略―国家戦略としての留学生交流

平井照水 NIRA主任研究員

 東アジアでは経済連携の進展に伴い、国境を越えたグローバルな活動を担う新たな人材育成戦略が求められている。そうした中で、東アジアでは経済成長を背景に高等教育への国内での進学者が増大するとともに、域内での留学生交流が活発化している。留学生交流を通して多くの若者が多様な文化や社会に接することは、コミュニケーション・問題解決能力、複眼的視野といった新たな資質を獲得するまたとない機会である。日本においても、新たな時代にふさわしい人材育成戦略として、留学生交流を東アジア域内各国と連携し推進すべきである。世界をリードする研究・教育拠点としての基盤整備を行うとともに、英語で単位がとれる国際化拠点大学を整備していく必要があるが、それ以外の大学では日本でしか学べない特色あるプログラムを提供するなど、差異化を図るべきである。あわせて、日本の若者が留学しやすい環境整備にも力を注ぐべきである。

4.東アジア人材流動圏の発展と日本―人口移動を通じた経済・労働市場の活性化

辻明子 NIRA主任研究員

 東アジア地域は人口の移動が活発で、「東アジア人材流動圏」を形成しつつある。地域連携の進展により、今後、人の移動はますます活発化することが見込まれる。一方、域内各国の少子化は、潜在的な人口送出し力の低下につながり、長期的には人材獲得競争が高まる可能性がある。

 日本に高度外国人材を引きつけるためには、就労環境の改善を図るなど、これまで日本人を中心として構築されてきた制度・慣行を根本的に見直すこと、健全な外部労働市場を形成することなどが必要である。
 政府は、①外国人材受入れ範囲の検討、②国内受入れ体制の整備、③社会保障協定の締結推進、④社会統合教育など、外国人材を受入れるための取り組みを着実に行う必要がある。これらは、外国人材受入れに関する総合的政策大綱の策定等を通じて、統合的かつ整合的に実施されるべきである。

5.東アジアにおけるオープンスカイ―「ワンスカイ」に向けて

下井直毅 NIRA客員研究員/多摩大学経営情報学部准教授

 アジアの航空市場は大きく伸びており、自由化の動きも活発になっている。米国中心の自由化協定は、航空会社が自由に路線や便数を決めることができるという、「オープンスカイ」を実現するものである。これに対して、欧州ではEU域内の異なる二地点間を加盟国であればどこの航空会社でも輸送できるという、カボタージュまで認めており、完全な自由化を実現している。欧州のこうした状況は、単なる規制の撤廃である「オープンスカイ」の概念を越えて、「ワンスカイ(一つの空)」が実現している状況にある。

 2009年12月に日米航空協定が締結されたが、この協定がさらに大きな意味を持つためには、中国や韓国、さらにASEAN等の地域と「ワンスカイ」を視野に入れたつながりを持たせることが重要である。複数の都市を循環させることで体系的なものにしたり、アライアンスを戦略的に利用することで機能的に活用するなど、より有機的で効率的なネットワークを形成することが望ましい。

6.東アジアにおける環境協力―新たなインフラ整備の時代へ

森直子 NIRA主任研究員

 東アジア域内における国境を越えた環境問題は喫緊の課題であり、域内における環境協力を強化する必要性が高まっている。環境問題に対処するにあたって、経済開発基盤としてのインフラ整備から、持続可能な経済社会を構築するための環境インフラ整備へのパラダイムシフトが求められている。各国が環境インフラ整備を進めるときには、その包括的な見取り図、「環境グランドデザイン」を策定し、分野間の利益の衝突が生じないような配慮が必要である。また、民間の環境ビジネスも積極的に組み込んでいく必要がある。

 日本は、自らの公害・環境問題克服から得た教訓を踏まえつつ、その高い環境技術を最大限に活かした環境協力を展開すべきである。そこでは継続的で包括的な官民連携体制を構築することが不可欠である。

7.欧州統合の歩みと東アジアへの教訓

太田哲生 NIRA総括主任研究員
斉藤徹史 NIRA主任研究員

 欧州統合は最も先進的な統合事例として一つの重要なモデルとなる。欧州は統合の「深化」を通じて単一市場・単一通貨を創設し、域内経済の活性化や世界経済における欧州の地位向上等の成果をもたらした。他方、これらを維持していくためには、域内不均衡の是正や財政政策における一層の連携の強化など、さらに統合の深化を図ることが必要である。

 欧州と東アジアとでは歴史的経緯や基礎的条件等に違いはあるものの、域内共通の利益が統合の制度化やさらなる深化を図る上での推進力になる点は共通している。広域経済連携を経済統合推進のためのプラットフォームとして活用し、東アジアに自由で活力のある経済圏を構築するべきである。他方、域内各国間の経済発展格差が大きいことや財政・金融政策に関する権限を移譲するだけの環境が整っていないこと等から、東アジアにおける通貨統合については基本的には慎重であるべきである。

目次

「東アジア共同体」について考える 
伊藤元重

<個別分野編>
第1章 東アジアにおけるEPA/FTAネットワークの進化― 広域経済連携の実現に向けて
太田哲生

第2章 東アジアにおける通貨・ 金融協力の新局面―アジア通貨基金の創設を
太田哲生・神野真敏

第3章 東アジア地域連携と人材育成戦略― 国家戦略としての留学生交流
平井照水

第4章 東アジア人材流動圏の発展と日本― 人口移動を通じた経済・労働市場の活性化
辻明子

第5章 東アジアにおけるオープンスカイ― 「ワンスカイ」に向けて
下井直毅

第6章 東アジアにおける環境協力― 新たなインフラ整備の時代へ
森直子

第7章 欧州統合の歩みと東アジアへの教訓
太田哲生・斉藤徹史

図表

図表I 日本の国・地域別貿易比率の推移
図表II 日本と中国の名目GDPの推移
図表III 各国の貿易依存度(2008年)
図表1-1 世界のEPA/FTA締結数の推移
図表1-2 東アジアにおける複数の広域経済連携構想
図表1-3 日本のEPA締結状況と貿易総額に占める割合(2010年8月現在)
図表1-4 東アジアにおける広域経済連携構想実現に向けたロードマップ(イメージ)
図表1-5 東アジアにおける広域経済連携の経済効果(2020年時点)
図表1-6 日本の産業別GDPの変化(%)(2020年時点)
図表2-1 東アジア主要通貨の為替レートの動向(1997年7月=100)
図表2-2 東アジア主要国の公式為替制度
図表2-3 CMIMの基本的枠組み
図表2-4 アジア通貨危機における支援プログラムの総額(単位:億米ドル)
図表2-5 アジア通貨基金(AMF)のイメージ
図表3-1 東アジア・太平洋地域出身の留学生はどこに行くのか(高等教育、2007年
図表3-2 東アジア・太平洋地域に来ている留学生の出身国はどこか(高等教育、2007年)
図表3-3 在学者数(高等教育)
図表3-4 進学率(高等教育)
図表3-5 留学生数(高等教育、2007年)
図表3-6 日本の大学間連携の現状
図表4-1 国際人口移動(ストック、2004年)
図表4-2 東アジアにおける人口移動関連指標
図表4-3 日本の外国人登録者数の推移
図表4-4 海外人材の日本への入国状況(就労目的のうち技能別、フロー)
図表4-5 上場企業等における外国人社員活用状況
図表4-6 OECD諸国の高等教育修了者に占める他国からの流入割合(%、2001年)
図表4-7 社会保障協定数(2000年時点)
図表5-1 3地域における輸送実績(旅客数)の推移(1999年と2008年の比較)
図表5-2 日中韓およびASEANの地域間や地域内における渡航者の移動(2008年)
図表5-3 アジアにおける主なインフラの状況
図表5-4 アジアの主要な国際空港の滑走路の整備状況(2010年6月現在)
図表5-5 航空アライアンスの状況(2010年7月20日現在)
図表6-1 地域別生物生産力と環境フットプリント(2005年)
図表6-2 屋外での浮遊粒子状物質(PM10)被爆による都市住民の地域別死亡数(2000年)
図表6-3 世界の海域汚染地図(2008年)
図表6-4 2010-20年のアジアにおけるインフラ需要(2008年基準US百万ドル)
図表6-5 日本の「環境ODA」の実績
図表6-6 中国の環境汚染改善・環境保護投資(2000-2008年)
図表6-7 アジア主要国の環境ビジネスの市場規模推計
図表6-8 世界の水道ビジネスの地域別成長見通し
図表6-9 アジアにおける広域インフラの整備計画
図表7-1 欧州統合の「深化」と「拡大」
図表7-2 欧州統合の成果と課題
図表7-3 EU、東アジア、NAFTAの域内貿易比率の推移
図表7-4 EU加盟国及び東アジア諸国の1人当たりGNIの比較(2008年、米ドル)
図表7-5 ユーロの対米ドル、対円為替レートの推移
図表7-6 EU加盟国及び東アジア諸国の主要経済指標の比較

研究体制

NIRA
伊藤元重 理事長/東京大学大学院経済学研究科教授
下井直毅 客員研究員/多摩大学経営情報学部准教授
太田哲生 研究調査部総括主任研究員
斉藤徹史 研究調査部主任研究員
神野真敏 研究調査部主任研究員
辻明子  研究調査部主任研究員
平井照水 研究調査部主任研究員
森直子  研究調査部主任研究員

引用を行う際には、以下を参考に出典の明記をお願いいたします。
(出典)下井直毅・伊藤元重・太田哲生・斉藤徹史・神野真敏・辻明子・平井照水・森直子(2010)「東アジアの地域連携を強化する」総合研究開発機構

ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構

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