2011.08.31オピニオンペーパーNo.3電力改革の方向を考える 伊藤元重震災復興後の日本経済が直面している大きな課題の1つが、電力問題である。重要なのは、短期的な電力不足への対応という視点だけでなく、中長期的に安定的かつ効率的な電力供給をいかに確保していくのかという視点から電力改革を進めていくことである。今後取り組むべき電力改革の方向性について、大胆に提言する。詳細を見る
2011.08.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.33次世代へのコミットメントに国民的合意を―世代間資源配分の公平を目指す選挙制度の改革青木玲子大震災や電力問題等の困難に直面したいま、これからの日本の在り方が大きく問われている。幅広く長期的な視野から社会経済を俯瞰し制度を設計し直すためには、次世代の利害を考慮する必要がある。本稿では、ポール・ドメイン氏が提唱する子どものいる有権者に子どもの分の票を与えるという方法により、選挙制度のあり方を見直すことを提案する。これにより、子どもをもつ親世代の投票数が増し、次世代へのコミットメントが期待できる。詳細を見る
2011.07.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.32まちなか集積医療―事例調査から学ぶ伊藤由希子 豊田奈穂超高齢社会と人口減少の時代に突入し、地方都市を中心に医師不足や経営基盤の脆弱化が深刻だ。その解決策として、医療政策とまちづくり政策を融合する「まちなか集積医療」は有効か。事例調査によると、組織統合の難しさや跡地問題などの課題がある一方、集積による医療の質の向上や病院経営の安定化、まちづくりにも役立つといった多くの利点も示唆される。医療へのアクセスを確保しつつ、連携・機能分化を進め、集積型の供給体制へ転換する意義は大きい。詳細を見る
2011.06.20オピニオンペーパーNo.2復旧・復興に「地力」を生かせ柳川範之 牧原出東日本大震災の被災地復興のために求められるのは、経済を活性化させるための仕組み作りだ。被災地における特区構想の議論が進んでいることは、民間の活力を呼び込む上で望ましい動きだ。しかし、規制緩和は被災地に限定せず、日本全体で行うべきだ。加えて、行政区分の垣根の再検討も必要だ。また、地区によって被害の程度と復旧の速さが異なることを鑑みて、地域の経済成長の成果を、苦境に立つ地区にどう還流させるかも考えなければならない。詳細を見る
2011.06.16オピニオンペーパーNo.1今こそ求められる中長期ビジョン東日本大震災の被災地復興のために求められるのは、経済を活性化させるための仕組み作りだ。被災地における特区構想の議論が進んでいることは、民間の活力を呼び込む上で望ましい動きだが、こうした規制緩和は被災地に限定せず、日本全体で行うべきだ。加えて、行政区分の垣根の再検討も必要だ。また、地区によって被害の程度と復旧の速さが異なることを鑑みて、地域の経済成長の成果を、苦境に立つ地区にどう還流させるかも考えなければならない。詳細を見る
2011.04.01研究報告書財政再建の道筋―震災を超えて次世代に健全な財政を引継ぐために井堀利宏 佐藤格 高田創 森信茂樹 伊藤元重 下井直毅 太田哲生 経済低迷の長期化や急速な高齢化等を背景として日本の財政状況は悪化の一途をたどっており、それが国債市場に及ぼす影響への懸念が高まっている。また、震災を契機として、財政問題がどのように変容していくのかを検討しておくことも重要である。本報告書では、これらの問題についての論点整理を行うとともに、次世代に健全な財政を引継ぐために必要となる財政再建のあるべき姿や進め方について政策提言を行った。詳細を見る
2011.04.01研究報告書時代の流れを読む―自律と連帯の好循環大橋弘 川口大司 河村賢治 栗原俊典 鎮目真人 松田亮三 神田玲子 新井泰弘各国の産業政策、金融規制・監督、 高等教育制度、医療制度、年金制度の5分野について、「自律」と「連帯」を軸に変化を追った。各分野の制度・政策の変化を横断的にみると、連帯を通じて個人の自律が促されるような仕組みが形成される一方、 自律した人にも連帯を促す仕組みが形成されるような制度設計がされていることが明らかとなった。つまり、 自律と連帯の好循環が働くような社会を構築することが模索されているといえる。詳細を見る
2011.01.01研究報告書何が日本の経済成長を止めたのか?星岳雄 アニル・K・カシャップ日本経済の長期停滞の原因や政策評価については、多くの議論がなされてきているが、日本は依然として持続的な経済成長の道筋を見出せずにいる。そこで、本報告書は、海外の視点から問題の再検討を行った。具体的には、①1970年代以降に出現した様々な課題に対する適応の失敗、②バブル崩壊後の1990年代における政策の失敗、③構造改革を推進した小泉内閣の主要政策について評価を行なった。また、これにより明らかとなった教訓を踏まえ、現政権による「新成長戦略」の検証を行い、日本が経済成長を回復するための政策転換のあり方について提言している。詳細を見る
2010.09.01研究報告書東アジアの地域連携を強化する下井直毅 伊藤元重 太田哲生 斉藤徹史 神野真敏 辻明子 平井照水 森直子日本政府は「東アジア共同体」構想を打ち出したが、今のところ具体的な政策が提示されているわけではない。本報告書では、日本と東アジアの連携にどのような課題と可能性があるのかを主に経済面から考察し、具体的な政策提言を行った。本報告書の「個別分野編」においては、EPA/FTA、通貨・金融協力、人材育成、人材交流、航空、環境協力といった様々な分野における政策課題について、欧州共同体の教訓も踏まえつつ、さらに掘り下げた検討を行っている。詳細を見る
2010.06.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.31アジアの「内需」を牽引する所得層―景気が失速しても、中間所得層の拡大は大きい柳川範之 森直子近年、アジアに対する「世界の市場」としての期待が高まる一方、将来性に対する不安も聞かれる。アジア市場を支える中間所得層以上の人口規模は今後どうなるのか。分析の結果、過去の成長トレンドが今後も持続する想定では、2008年の中間所得層以上9.4億人から2020年には19.5億人とほぼ倍増し、中国とインドの経済成長が低成長になったケースでも、2020年には15.5億人規模となる。将来の大規模市場としてのアジアの成長力は確実だと思われる。詳細を見る