2013.03.25オピニオンペーパーNo.9東北から生まれる日本の新たな成長―シンポジウムを終えて柳川範之 神田玲子総合研究開発機構、東京大学、日本経済新聞社は、2013年3月8日、シンポジウムを共同で開催し、東日本大震災後の被災地の復興策について議論した。そこでの議論を踏まえ、東北の被災地復興にあたっては、農業・漁業をその基盤とすることを、我々は提案する。農業・漁業の6次産業化を図り、食品加工等も含めた食品産業の一大拠点とする。また、生活者視点に立った、中世の都市のようなコンパクトなまちづくりや、医療と福祉の連携を進めるべきだ。詳細を見る
2013.03.01研究報告書東日本大震災復旧・復興インデックス(2013年3月更新)-データが語る被災3県の現状と課題Ⅲ-NIRA東日本大震災から2年が経過した。NIRAは、この度、復旧・復興の状況の全体像を把握することを目的に公表してきた「東日本大震災復旧・復興インデックス」の改訂を行った。今回は、インデックスを2012年12月分まで延長し、震災発生後1年9か月間の復旧・復興状況の推移を把握するとともに、産業基盤・生活関連基盤の毀損の状況や、生活者の視点に立った復旧・復興の状況を概観した。詳細を見る
2013.02.01研究報告書国債に依存した社会保障からの脱却―シルバー民主主義を超えて八代尚宏 島澤諭 豊田奈穂日本の社会保障収支の赤字は、年々拡大しており、国債発行と社会保障基金の積立金取り崩しによって支えられている。この積立金が近い将来に枯渇すれば、更なる赤字国債の増発は避けられず、それが国債信認リスクの引き金を引く可能性がある。こうした事態を避けるため、現行の年金財政の徹底した情報開示と、社会保障費を現世代が負担できる範囲内に抑制することを基本的な原則とした、社会保障制度改革の工程表を速やかに作成することが必要である。詳細を見る
2013.01.26研究報告書何が日本の経済成長を止めたのか-再生への処方箋星岳雄 アニル・K・カシャップ本書は、1990年代以降に日本経済が長期停滞に直面し、経済がほぼ同等ないし日本以上に成熟している先進諸国に比べても成長率が低くなってしまった要因を究明し、経済成長を回復するために必要かつ実施可能な政策プランを提示する。正確なデータ分析に基づいた政策分析を行い、日本の政策議論が前進することを目指す。詳細を見る
2012.10.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.36ドメイン投票方式はいかに支持されるか―政策と政党に関するアンケートから青木玲子 筆者らが行った選挙制度と政策についての社会調査の結果を用い、 ドメイン投票方式の意義について分析した。結果、(1)親が未成年の子どもの数だけ投票する「ドメイン投票法」に対し、子どものない有権者でも45%が賛成している、(2)子どもの有無によって関心のある政策は異なる、(3)投票資格者は子どもに対し重要な政策を考慮して投票をする場合があるため、 政党の方針の多様化、将来世代の利害反映が期待できることが明らかになった。詳細を見る
2012.09.20オピニオンペーパーNo.8多様な働き方が、あたらしいセーフティネットをつくる柳川範之正社員ならば安心という時代は終わった。世界経済が急速に変化する昨今、大企業すらいつ経営危機に陥るかわからない。求められるのは、 職場を変えても一人ひとりが生き生きと働ける社会を構築することであり、 そのためのセーフティネットを社会全体で作り上げることである。それには、 人生のいつの時点でも時代の変化に即した学び直しが出来ることが重要となる。閉塞感漂う日本の雇用状況を打開するための新しい雇用とセーフティネットのありかたを提示する。詳細を見る
2012.08.24オピニオンペーパーNo.7電力システム改革の課題―「配給」から市場の活用へ伊藤元重2011年3月の東日本大震災および福島原発事故以降、電力システムの改革に関する議論は国民の大きな関心事項となった。しかし、一口に「改革」といっても、やみくもに規制緩和をすれば良いわけではない。必要な規制は強化しつつ、市場の活力を生かす制度を設計することが求められている。本稿では、現在の日本の電力システムが抱える問題点を明らかにし、あるべき電力市場の姿を考察した上で、電力システム改革の方向性を指し示す。詳細を見る
2012.08.01研究報告書東日本大震災復旧・復興インデックス(2012年6月更新)-データが語る被災3県の現状と課題Ⅱ-NIRA東日本大震災からの復旧・復興を着実かつ重点的に進めるには、科学的証拠に基づき、政策を立案、推進することが重要である。NIRAは、震災後1年間の復旧・復興状況の推移を客観的に把握するために「東日本大震災復旧・復興インデックス」を作成、更新し、今後の課題を整理した。また、災害時は、利用ニーズの高い統計・データを整備し、一元的で迅速な集約ルールを構築するべきであると、官民の有識者等の間でも意見が一致している。これらを踏まえ、 次の災害発生に備えた取組について提言した。詳細を見る
2012.08.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.35アジア中間所得層の拡大を妨げる「成長の果実の偏在」江川暁夫アジア諸国での「中間所得層」の拡大が、アジア内外にチャンスをもたらす事が期待される一方、 所得が高い人ほど所得の伸びも高い「成長の果実の偏在」もみられ、多くのアジア諸国で所得格差が悪化している。本稿では、成長の果実が今後も高所得者側に偏在する場合、 将来の中間所得層人口の拡大のみならず、人間開発も阻害しうることを数量的に明らかにした。アジア諸国が中間所得層の拡大と所得格差の改善を通じ、経済社会の安定的発展を両立できるよう、我々も協調していく必要がある。詳細を見る
2012.07.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.34社会保障制度を通じた世代間利害対立の克服―シルバー民主主義を超えて八代尚宏 島澤諭 豊田奈穂日本の社会保障制度においては、給付と負担の均衡化の抜本的な改革が行われず、世代間格差が増大している。その事実関係と問題意識を示すため、現世代内の引退世代と現役世代、そして現世代と将来世代、の2つの世代間格差の規模を推計した。また、消費税率の引き上げが世代間格差の縮小に大きな効果を及ぼさないことがわかった。さらに、高齢者の増加が地方政治に与える影響や高齢者の投票行動等の「シルバー民主主義」の実態について数量的分析を行った。詳細を見る