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RESEARCH研究テーマ

日本経済と持続可能な成長

少子高齢化の水準や政府債務の規模において、日本は「課題先進国」だ。課題「解決」先進国へ転じ、持続可能な経済社会を実現すべく、課題解決の必要性やスピード感の認識を共有し、リスクを顕在化させないための政策運営を研究する。

日本がもし100人の村だったら

2016年現在の日本の人口を100人とすると、25年後の2041年には87人に減少する。さらにこの期間、日本は人口の減少に加えて、大幅な年齢構成の変化にも直面することとなる。本冊子では、日本の経済・社会の現状をわかりやすく一目で理解することを目的とし、インフォグラフィックスを活用して「100人の村」という形で表現した。経済の現状、所得や分配の状況、人口構造の変化とその影響、社会保障の現状と将来像をビジュアルで俯瞰できる。

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金融政策はジレンマを乗り越えられるか

現在の金融政策運営は2%物価安定目標の道半ばであり、さらなる緩和による副作用への懸念を強める一方で、急な緩和正常化は景気回復の遅れに繋がるというジレンマに陥っている。しかしこの状況下でも、経済の実力が高まれば緩和のメリット(景気刺激効果)が強まり、副作用は相対的に和らぐことになる。均衡利子率の推計を通じて、日本経済の実力は高まっており、金融緩和のメリットが今後増大することが予測される。

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人口変動が突きつける日本の将来

人口のボリュームゾーンである団塊世代、団塊ジュニア世代の高齢化と同時に、現役世代はどんどん減少していく。深刻さを増していく少子高齢化は、社会保障に大きな影響を与えている。この影響を可視化するべく、今後20年にわたる社会保障給付費の推計を行ったところ、医療費と介護費が大きく増え、特に介護費が足元の2倍以上になることが明らかになった。いま突きつけられている現実的な将来像に目を向けて、確実に政策を推し進めることが急務である。

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ESG先進国に向けて

長期的な視点に立って、環境問題や社会的課題の解決に積極的に取り組む企業に投資しようとするESG投資の機運が高まっている。海外の動きが先行しており、日本はようやく取り組みが始まったところだ。日本がESG先進国となるために、解決していくべき課題は何か。企業や投資家には何が求められているのか。日本のESG投資をけん引してきた識者に問う。

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ICTの進展と金融政策運営

ICTの利活用は日本経済の成長力強化には不可欠だが、多くの労働や仕事が新技術に代替される可能性がある。代替性が高まれば、経済が拡大しても、企業が労働所得への分配を抑制し、消費や物価の回復に勢いがつきにくくなる恐れもある。ICTによって経済成長がもたらされるという認識のもと、物価上昇率2%は引続き目指すべき目標だ。今後の金融政策運営は、緩和長期化による効果と副作用をより注視し、現行の枠組みを柔軟かつ粘り強く継続していくべきである。

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分岐点を迎える超高齢社会

人口の高齢化に伴い、フレイル(加齢に伴い心身が虚弱する状態)や認知症の人々が増大している。それは、社会を形成する構成員の質的な変化であり、社会のあり方を大きく変える。老老介護や高齢単身世帯の増加に伴う問題が深刻化しているが、解決の道筋は見えていない。人々の価値観や生き方が多様化する中、医療・介護サービスのあり方とその負担について、改めて問う。

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財政・金融政策運営をセットで分析する意義

消費の伸び悩みが継続する中、デフレ脱却のためのマクロ政策運営として、プリンストン大学シムズ教授による柔軟な財政政策運営を活用する「シムズ提案」が注目を集めている。シムズ提案のベースとなるFTPLのロジックが妥当する事例は過去にも存在し、シムズ提案やそれに類する取り組みには大きな効果も期待される。一方で、財政ドミナンス・財政インフレに陥るといったテイルリスクも排除できない。シムズ提案がもたらす機会とリスクの両面を冷静に分析する必要がある。

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hints-課題「解決」先進国をめざせ-

政府債務や少子高齢化などを背景に、負担増と給付減、雇用の流動化といった「負担の分かち合い」が、近い将来、日本の政治課題になることは避けられない。日本が課題先進国から課題「解決」先進国へ変わるためにどうすればよいのだろうか。オランダ、ドイツ、デンマーク、カナダ、イギリスの先進各国での改革事例から、日本へのヒントを考察する。

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コンパクトな産業集積へ

戦後、テクノポリス政策や頭脳立地政策など地域産業政策が実施されてきたが、地域発のイノベーションにけん引される持続的な経済成長は実現できていない。従来の地域産業政策で現状を打開することは困難であり、発想の転換を迫られている。本研究会では地域の独自性を最大限に生かすコンパクトな産業集積を形成することを提案する。コンパクトでも、密度の高いネットワークを都市部との間で形成することで柔軟な構造になり、高質な産業集積が可能となる。

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