2008.12.29 社会保障制度財政金融政策 研究報告書 リーディングス 格差を考える 伊藤元重編 グローバリゼーション、IT化、人口高齢化等の進行等を背景とした、従来では考えられないようなスピードとレベルの構造的な変化が我々の社会に生じている。その一部は、格差として認識され、格差論争が生じるに至った。ただし、格差の議論の対象は一様でなく、所得格差、雇用格差、地域間格差、教育格差など、非常に多様でかつ重層的な関係にある。こうした諸問題への理解を深めるため、2005-2008年の間に執筆された優れた論文から学ぶ。 詳細を見る
2008.11.01 財政金融政策 研究報告書 家計に眠る「過剰貯蓄」 白川浩道 上村敏之 太田智之 下井直毅 日本経済が低成長から脱却できない要因の1つに、「家計に眠る過剰な貯蓄」が十分に消費支出に向けられていないことが考えられる。過剰貯蓄額を推計すると、高所得層を中心に100兆円を超える可能性も浮上する。その背景には、家計や個人の将来不安や公的年金制度に対する不信感がありそうだ。過剰貯蓄を消費に向かわせるためには、社会保障制度の維持向上を明確な目標に掲げた上で、逆累進性のある消費税を引き上げるという政策オプションも考慮に値する。 詳細を見る
2008.04.01 社会保障制度 研究報告書 就職氷河期世代のきわどさ 阿部正浩 荻野勝彦 佐野哲 本田由紀 藤森克彦 小川晃弘 辻明子 今日の非正規雇用者の中には、家計の主たる稼得者も増えている。また、一度、非正規雇用となった若者が正規雇用に移行することが困難になっている。非正規雇用は能力開発が難しく、雇用不安とともに、生涯、低所得のままとなる危険性もある。若年の非正規雇用の問題が今後の日本社会に大きな影響を与えることを示すとともに、この問題への対応策として、非正規雇用を組み込んだ新しい制度設計と大規模な就労支援を早期に行うことを提言する。 詳細を見る
2008.03.01 地球的課題 論文 NIRAモノグラフシリーズNo.25 総括 日本の食料:新局面と政策課題 生源寺眞一 食料問題が、国際問題として、また、私たちの暮らしに密着したテーマとして、強い関心を集めている。原油の価格上昇を追いかけるように、小麦やトウモロコシなどの国際相場の高騰が伝えられている。すでに相次ぐ食料品の値上げのかたちで、国民生活にも影響が現れはじめた。日本だけのことではない。 詳細を見る
2008.03.01 成長・イノベーション 論文 NIRAモノグラフシリーズNo.24 農業担い手政策の課題 生源寺眞一 担い手の創出・支援を柱として2007年にスタートした農政改革に、大きな揺り戻しの波が襲っている。同年7月の参院選で圧勝した民主党が、選挙向けマニフェストにすべての販売農家を対象とする戸別所得補償制度なる提案を掲げていたことが、揺り戻しの発端である。ここは農村部の有権者の投票行動に関する詳細な分析に待つべきであろうが、巷間伝えられているのは、農政改革を小規模農家切捨てだとして批判した民主党の姿勢が、農村の投票に強く影響したとする見立てである。 詳細を見る
2008.03.01 地球的課題 論文 NIRAモノグラフシリーズNo.23 農地制度改革の課題 盛田清秀 本稿は、第2次大戦直後の農地改革を経て農地法が成立(1952年)した以降の日本の農地制度の展開を整理するとともに、現在直面する農地制度改革の方向を検討することを課題としている。 詳細を見る
2008.03.01 地球的課題 論文 NIRAモノグラフシリーズNo.22 水産業をめぐる制度改革の課題と展望 小松正之 我が国の水産業は衰退に歯止めが全くかからない。明治政府が樹立され、近代法制度の下で、水産行政が施行され水産業の振興が図られて以来の未曾有の危機に直面していると考えられる。これは明治政府による海面を官有化の宣言後に、全国各地の漁民の抵抗による混乱や、第二次世界大戦による10万隻に及ぶ、日本漁船の喪失以来の大危機である。現在の危機はそれ以上に深刻であろう。 詳細を見る
2008.03.01 地球的課題 論文 NIRAモノグラフシリーズNo.21 グローバル化と食料・農業:日本農業の国際化対応 本間正義 内閣府が2007年末に発表した数値によれば、2006年の日本の1人当たり名目国内総生産(GDP)は3万4,252ドルで、経済協力開発機構(OECD)30カ国中18位である。日本は米国に次ぐ世界第2位の経済大国としてかつて世界のGDPの約17.9%を占めていたが(1994年)、今日では世界のGDPの約9.1%を占めるに過ぎない。経済大国日本に陰りが見えている。 詳細を見る
2008.03.01 地球的課題 論文 NIRAモノグラフシリーズNo.20 グローバル化と食料・農業:総合的視点の重要性 鈴木宣弘 我が国の農産物市場が閉鎖的だというのは間違いである。日本ほどグローバル化した食料市場はないといってもよい。我々の体のエネルギーの61%もが海外の食料に依存していることが何よりの証拠である。 詳細を見る
2008.03.01 地球的課題 論文 NIRAモノグラフシリーズNo.19 食をめぐる産業内貿易の可能性:成長アジアを見据えて 金田憲和 日本政府は、「攻めの農政」の重要な柱として、農産物の輸出促進に取り組んでいる。平成17年(2005年)3月には、平成21年(2009年)までの5年間で輸出額を倍増させる(約6000億円)という目標を設定した。さらにその後、「21世紀新農政2007」において、平成25年(2013年)までに輸出額1兆円規模を目指すことを目標に定めた。 詳細を見る