研究報告書 2025.04.04 第2回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査(速報) この記事は分で読めます シェア Tweet 大久保敏弘 慶應義塾大学経済学部教授/NIRA総合研究開発機構上席研究員 NIRA総合研究開発機構 概要 慶應義塾大学経済学部大久保敏弘研究室および(公財)NIRA総合研究開発機構は、「第2回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査(注1)」を実施した。本調査は、ポストコロナにおけるデジタル技術の社会実装の状況や、デジタル技術が就業者の働き方、生活、意識にもたらす変化を把握することを目的としている。調査は2024年12月21日(土)~2025年1月15日(水)に実施され、9,193件の回答を回収した。すべて過去の同調査からの継続回答者である。 速報結果は以下のとおりである。なお、本速報のグラフ中の数値はすべて四捨五入しているため、合計が100%にならない場合や、本文中の数値と一致しない場合がある。ポイント●2024年12月時点の就業者におけるテレワーク利用率は13%。東京圏でも同様の傾向がみられ、利用率は21%であった。●第1回緊急事態宣言(2020年4~5月)以降、通常の職場で勤務する人(テレワーク利用者を含む)の出社頻度は最も高まり、テレワーク利用者の利用頻度は最も低下した。●「テレワークに対するマイナスのイメージが周囲にあること」については、「あてはまらない」とする回答(40%)が、「あてはまる」とする回答(19%)を上回り、テレワークに対するネガティブな風潮は限定的といえる。一方、「勤め先からのテレワーク推奨」については、「推奨されていない」とする回答(58%)が、「推奨されている」とする回答(12%)を大きく上回り、日常回帰の中で企業のテレワーク推奨の姿勢が低下していることがうかがえる。●2024年12月時点で、定期的(月1回以上)に仕事で生成AIを利用している就業者の割合は14%で、2023年10月(12%)から増加した。生成AIを利用によって仕事の効率向上を実感した人の割合も、64%から77%へ上昇した。●国際関係に対する意識では、「日本に脅威を与える」との回答は、トランプ氏(大統領就任前)40%、中国62%、ロシア62%であり、「利益をもたらす」との回答(それぞれ17%、6%、7%)を大きく上回った。「親しみを感じない」への回答も、トランプ氏39%、中国62%、ロシア64%で、「親しみを感じる」(それぞれ15%、7%、6%)を大きく上回った。特に中国・ロシアに対する脅威、親近感の低さが際立った。また、年齢が高い層ほど、こうした傾向が顕著であった。 ●国際間の企業買収では、日本企業が外国企業に買収されることが日本経済にとって「良い」とする回答は7%にとどまり、「悪い」とする回答は49%だった。一方、日本企業が外国企業を買収することについては、「良い」が27%、「悪い」が12%であった。ただし、いずれも「どちらともいえない」との回答が5割前後を占め、多くの人が明確な判断を留保していることがうかがえる。●国際間の製造拠点立地では、外国企業の日本進出が日本経済にとって「良い」とする回答は32%、「悪い」とする回答は17%だった。また、日本企業の海外進出については、「良い」が25%、「悪い」が19%であった。いずれも「どちらともいえない」が約5割に上った。●輸入品への関税については、「国内産業を守るために引き上げるべき」(19%)と、「消費者負担を軽減するために引き下げるべき」(21%)の回答がほぼ拮抗した。「どちらともいえない」と回答した人の割合は約6割に上った。●生活困窮の不安に関しては、2020年12月以降、「まったく不安を感じない」とする人の割合が増加傾向にある(2024年12月時点で50%)。一方で、「いつも」、または「たいてい」不安を感じる人も一定数おり(同14%)、一部では経済的な生活不安が継続している可能性がある。図表図1 全国および東京圏のテレワーク利用率の推移図1-1 居住地域別でみたテレワーク利用率の推移図1-2-1 産業別でみたテレワーク利用率の推移図1-2-2 産業別(抜粋)でみたテレワーク利用率の推移(詳細)図1-3-1 職業別でみたテレワーク利用率の推移図1-3-2 職業別でみたテレワーク利用率の推移(詳細)図1-4 災害、交通障害、家庭の事情が生じた時のテレワーク利用率図2-1 通常の職場で勤務している人の出社頻度の推移図2-2 テレワーク利用者のテレワーク利用頻度の推移図3 仕事とテレワーク図4-1 ICTツールの活用状況の推移(テレワーク利用別)図4-2 目的別にみたICTツールの活用状況の推移(テレワーク利用者)図5-1 生成AIの利用頻度図5-2 生成AI利用者の属性図5-3 生成AIを定期的に仕事で利用している人の用途図5-4 生成AI利用者の仕事効率の変化図6-1 ロボットの利用頻度図6-2 ロボットを定期的に仕事で利用している人の用途図6-3 ロボット利用者の仕事効率の変化図7 政策への賛否図8-1 ドナルド・トランプ氏(大統領就任前)、中国、ロシアへの認識図8-2 属性別にみたドナルド・トランプ氏(大統領就任前)への脅威、親近感図8-3 国際間の企業買収、国際間の製造拠点の立地、貿易政策(関税政策)、消費行動に関する認識図8-4 外国人観光客、外国人労働者、不動産購入に関する意識図9 K6の推移図10 生活困窮の不安の推移 速報を読む(2025年4月4日公表) INDEX Ⅰ 調査結果 1.テレワーク利用率の推移 1.1.居住地域別でみたテレワーク利用率の推移 1.2.産業別でみたテレワーク利用率の推移 1.3.職業別でみたテレワーク利用率の推移 1.4.悪天候・災害、交通障害、家庭の事情によるテレワーク利用率 2.通常の職場での勤務とテレワーク勤務の頻度の推移 3.仕事とテレワーク 4.ICTツールの活用状況 5.生成AIの活用状況 6.ロボットの活用状況 7.政策への賛否 8.国際関係と日本経済に対する認識 9.メンタルヘルス 10.生活困窮の不安 Ⅱ 調査概要 1.調査の趣旨・目的 2.調査名 3.主な調査項目 4.調査期間 5.調査方法 6.回収数 7.回答者の属性 8.研究体制 9.外部資金 Ⅰ 調査結果 1.テレワーク利用率の推移 Q2.あなたは以下の時期に通常業務でテレワークを利用していましたか。(それぞれひとつずつ)(1)2024年12月3週目(12月15日~21日) 全国のテレワーク利用率の推移(注2)を見ると、第1回目の緊急事態宣言が発出された2020年4~5月には25%まで大幅に上昇したが、6月の緊急事態宣言解除後には17%に急速に低下した。その後、2022年12月までおおむね横ばいで推移した。2023年3月には13%まで低下し、それ以降は安定的に推移し、2024年12月時点でも13%となった(注3)。東京圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)におけるテレワーク利用率(居住地ベース)は、全国と同様の動きを示し、2024年12月時点では21%であった。 図1 全国および東京圏のテレワーク利用率の推移 (クリックすると別ページで確認できます。) (注)全国(2020年1~3月:n=10,516、4~6月:n=12,138、9~12月:n=10,523、2021年1~4月:n=9,796、7~9月:n=10,644、12月~2022年1月:n=10,113、3月~5月:n=10,595、8月~12月:n=9,804、2023年3月:n=9,779、4月~10月:n=10,726、2024年5月:n=10,670、12月:n=9,193) 東京圏(2020年1~3月:n=3,467、4~6月:n=4,049、9~12月:n=3,514、2021年1~4月:n=3,261、7~9月:n=3,539、12月~2022年1月:n=3,333、3月~5月:n=3,477、8月~12月:n=3,277、2023年3月:n=3,201、4月~10月:n=3,550、2024年5月:n=3,597、12月:n=3,104)緊急事態宣言は東京都に発令されていた期間を示している。 1.1.居住地域別でみたテレワーク利用率の推移 居住地域別のテレワーク利用率を見ると(図1-1)、その他の地域では2023年3月に低下した後、安定的に推移している。東京圏(東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県)および京阪神(京都府・大阪府・兵庫県)もおおむね同様の動きを示していたが、東京圏は2023年3月以降も緩やかに低下し、京阪神は直近で低下した。 図1-1 居住地域別でみたテレワーク利用率の推移 (クリックすると別ページで確認できます。) (注)緊急事態宣言は東京都に発令されていた期間を示している。 1.2.産業別でみたテレワーク利用率の推移 産業別の推移をみると(図1-2-1)、2024年12月時点でテレワーク利用率が高い産業は「通信情報業」、「情報サービス・調査業」、「金融・保険業」、「製造業」であった。一方、テレワーク利用率が低い産業として「飲食業・宿泊業」、「医療・福祉」、「農業・漁業・林業・水産業」が挙げられる。 時系列で詳しくみると(図1-2-2)、テレワーク利用率は「金融・保険業」で上昇し、「通信情報業」、「農業・漁業・林業・水産業」では低下している。 図1-2-1 産業別でみたテレワーク利用率の推移 (注)nは2024年12月時点のサンプルサイズを示している。 図1-2-2 産業別(抜粋)でみたテレワーク利用率の推移(詳細) (クリックすると別ページで確認できます。) (注)緊急事態宣言は東京都に発令されていた期間を示している。 1.3.職業別でみたテレワーク利用率の推移 職業別の推移をみると(図1-3-1)(注4)、2024年12月時点でテレワーク利用率が高い職業は「管理的職業」、「専門的・技術的職業」、「事務」であった。一方、テレワーク利用率が低い職業として「その他の職業」、「販売」、「サービス職業」が挙げられる。 時系列で詳しくみると(図1-3-2)、2023年以降、「管理的職業」のテレワーク利用率は低下傾向にあったが、このところやや上昇している。 図1-3-1 職業別でみたテレワーク利用率の推移 (注)nは2024年12月時点のサンプルサイズを示している。 図1-3-2 職業別でみたテレワーク利用率の推移(詳細) (クリックすると別ページで確認できます。) (注)緊急事態宣言は東京都に発令されていた期間を示している。 1.4.悪天候・災害、交通障害、家庭の事情によるテレワーク利用率 2024年12月時点の悪天候・災害、交通障害、家庭の事情が生じた際のテレワーク利用率をみると(図1-4)、いずれも10%未満にとどまった。病気や家庭の事情といった状況と同様に、災害時であってもテレワークの利用が限定的であることがわかる。なお、テレワーク利用率は天候や災害の発生頻度などにも左右されるため、時点間の単純な比較には留意が必要である。 図1-4 災害、交通障害、家庭の事情が生じた時のテレワーク利用率 2.通常の職場での勤務とテレワーク勤務の頻度の推移 Q3.あなたは以下の時期に、通常の職場に出勤しての勤務とテレワーク勤務を、どのぐらいの頻度で行いましたか。なお「通常の職場に出勤しての業務」には「自営業など通常の職場と自宅が同じ場合」も含みます。(1)2024年12月3週目(12月15日~21日) 通常の職場で勤務している人(テレワーク利用者を含む)の出社頻度の推移をみると(図2-1)、2024年12月は同年5月と比較して、「週5日以上」の割合が増加し、「週1日以下」の割合が低下した。長期的にみても、第1回目の緊急事態宣言が発出された2020年4~5月以降、最も出社頻度が高くなった。 図2-1 通常の職場で勤務している人の出社頻度の推移 テレワーク利用者のテレワーク利用頻度の推移をみると(図2-2)、2024年12月は同年5月と比較して、「週5日以上」の割合が低下し、「週1日以下」の割合が増加した。長期的に見ても、第1回目の緊急事態宣言が発出された2020年4~5月以降、最もテレワークの利用頻度が低下した。 図2-2 テレワーク利用者のテレワーク利用頻度の推移 3.仕事とテレワーク Q6.テレワークに関して、以下のことはあなたの仕事にどの程度あてはまりますか。(それぞれひとつずつ)1.テレワークの利用は、自身の職種や業務の特性からみて、障害がある2.テレワークの利用は、オフィス勤務に比べてマイナスのイメージが周囲にある3.テレワークの利用は、ワークライフバランスを改善させる4.勤め先から、テレワークの利用が推奨されている(※)5.テレワークの利用により、仕事の効率性を維持できる6.自然災害時には、勤め先から、テレワークの利用が推奨されている(※)7.自然災害時には、テレワークの利用により、仕事の効率性を維持できる8.自然災害時には、テレワークの利用により、事業を継続できる9.感染症が蔓延した時には、テレワークの利用により、仕事の効率性を維持できる10.感染症が蔓延した時には、テレワークの利用により、事業を継続できる(※)自営業の方は、同業組合や同業者、取引先等から推奨されているかどうかをお答えください 仕事とテレワークに関する就業者の意識の変化を確認するため、同じ質問を実施した2021年9月、2023年10月、2024年12月の結果を比較する。 まず、項目1「テレワークは業務特性上困難」においては、あてはまるとする回答(「あてはまる」「ややあてはまる」の合計、以下同。41%)が、あてはまらないとする回答(「あてはまらない」「ややあてはまらない」の合計、以下同。33%)を上回っており、依然として多くの就業者が、自身の職種や業務の特性上、テレワークの実施に困難を感じていることが明らかとなった(図3)。 一方、項目2「テレワークに対するマイナスのイメージが周囲にあること」では、あてはまらないとする回答(40%)があてはまるとする回答(19%)を上回っており、職場でのテレワークに対するネガティブな風潮が強いとは言い難い。しかしながら、項目4「勤め先からのテレワークの推奨」では、あてはまらないとする回答(58%)があてはまるとする回答(12%)を大きく上回っており、企業によるテレワーク推奨の姿勢は依然として限定的である。 さらに、項目5~10においても、いずれもあてはまらないとする回答があてはまるとする回答を上回っており、テレワークによって仕事の効率性を維持できるという認識や、自然災害時・感染症蔓延期におけるテレワーク活用の有効性についても、十分に定着していないことがうかがえる。 一方、時系列の変化に注目すると、項目3「ワークライフバランスの改善」、および項目6~10(自然災害時・感染症蔓延期のテレワーク活用)では、当てはまるとする回答の割合が緩やかに増加しており、テレワークの有効性に対する理解や受け入れが徐々に浸透しつつある傾向も確認された。 総じて、テレワークに対するマイナスイメージは強くないが、職種による実施の難しさや、日常に戻る中で企業によるテレワーク推奨の必要性が低下していることが、テレワークの普及に対して一定の制約となっていることがうかがえる。 図3 仕事とテレワーク 4.ICTツールの活用状況 Q5.2024年12月3週目(12月15日~21日)で、あなたは、通常の職場に出勤しての勤務やテレワークで、以下のどのICTツールを利用していましたか。なお「通常の職場に出勤しての業務」には「自営業など通常の職場と自宅が同じ場合」も含みます。(いくつでも)<コミュニケーションの円滑化>1.テレビ会議・Web会議(Zoom、Skype、Teams など)2.チャットやSNSによる社内情報共有(Slack、LINEなど)<共同作業の円滑化>3.ファイル共有・共同作業(Dropbox、OneDriveなど)4.リモートアクセス(SWANStor、Platform V Systemなど)5.タスク・プロジェクト管理(Trello、Backlogなど)<業務管理>6.電子決裁(ジョブカンワークフロー、Create!Webフローなど)7.勤怠管理、グループウェア(Office 365、サイボウズなど)8.従業員のメンタルヘルスチェック(jinjerワーク・バイタル、音声こころ分析サービスなど)9.営業管理(Sales Cloud、kintoneなど)10.生産管理・販売管理・在庫管理(楽商、アラジンオフィスなど)11.採用管理(HRMOS採用、ジョブカン採用管理など)12.人事管理(SmartHR、OBIC7など)13.会計管理(弥生会計、SuperStream-NXなど)<オフィス・現場の自動化>14.RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)(WinActor、Robotic Crowdなど)15.バーチャルオフィス(Sococo、Remoなど)16.非接触型テクノロジー(自動運転ロボット、無人レジなど)17.自動翻訳(Google翻訳、DeepL翻訳など)18.BIツール(Tableau、Googleデータポータルなど)19.画像認識・画像解析ツール(Amazon Rekognition、Face APIなど)<その他>20.上記のうち利用しているものはない・わからない 選択肢に提示したICTツールを少なくとも1つ利用している人の割合(「ICT利用率」、以下同)を、テレワーク利用の有無別に見ると(図4-1)、テレワーク利用者のICT利用率は顕著に高い(注5)(注6)。推移をみると、おおむね横ばいで推移していたが、直近では2024年5月時点からやや上昇し、84%となった。 一方、テレワークを利用していない人についても、職場のデジタル化やテレワーク利用者とのコミュニケーションのためにICTツールが有用であり、一定程度利用されていることがわかる。推移をみると、2023年3月以降やや上昇し、2024年12月時点では29%となった。 テレワーク利用者のICT利用率をツールの目的別にみると(図4-2)、コミュニケーションツールの利用率が最も高く、次に共同作業ツール、業務管理ツールが続いた。これらのツールは、直近でやや上昇している。オフィス・現場の自動化ツールの利用率は、2020年6月時点では5%と極めて低かったが、2023年10月以降は20%を超えている。 図4-1 ICTツールの活用状況の推移(テレワーク利用別) 図4-2 目的別にみたICTツールの活用状況の推移(テレワーク利用者) 5.生成AIの活用状況 Q7.仕事で生成AI(例:ChatGPT、Gemini、Claudeなど)を利用したことがありますか。利用したことがある場合は、およその利用頻度をお答えください。(ひとつだけ)Q8.仕事で生成AI(例:ChatGPT、Gemini、Claudeなど)をどのようなことに利用しましたか。生成AIを利用したことがない人は、仕事で利用するとなった場合に、実際に使いそうなことをお選びください。(あてはまるものすべて)Q9.生成AIを利用すると、利用しない場合と比べて、時間あたりの仕事のパフォーマンス(仕事の効率)はどのように変化したと思いますか。生成AIを利用したことがない人は、仕事で利用するとなった場合のことを想定してお答えください。 2024年12月時点の生成AIの利用状況をみると、定期的に仕事で利用している人(「ほぼ毎日利用している」、「週に1回程度利用している」、「2週間に1回程度利用している」、「月に1回程度利用している」、以下同)は14%であった。一度でも利用したことがある人を含めると24%となる(図5-1)。このうち、ほぼ毎日利用している人は3%、週に1回程度利用している人は5%で、日常的に仕事で生成AIを頻繁に活用している人は8%であった。2023年10月時点と比較すると、仕事での生成AI利用者は増加している。 次に、定期的に仕事で生成AIを利用している人の割合を属性ごとにみると、性別では女性よりも男性の方が利用率が高く、年齢層別では若い層ほど利用率が高かった。また、学歴別では学歴が高い人ほど利用率が高い傾向がみられた。職業別にみると、「研究者」、「情報処理・通信等技術者」、「農林水産技術者」、「著述家、記者、編集者」、「経営・業務コンサルタント」での利用率が高かった。一方で、「事務用機器操作員」、「生産工程従事者」、「運搬・清掃・包装等従事者」、「保安職業従事者」などの職種では低い傾向にあった。産業別に見ると、「通信情報業」、「情報サービス・調査業」、「鉱業・建設業」、「農業・漁業・林業・水産業」での利用率が高く、「医療・福祉」、「卸売・小売業」、「飲食業・宿泊業」では低い傾向にあった(図5-2)。 定期的に仕事で生成AIを利用している人に限定し、その用途を見ると(複数回答可の形式)、特に「情報収集・検索」、「文章生成」、「文章要約」、「文章校正・編集」に利用している人が多いことがわかった(図5-3)。一方で、「クリエイティブなコンテンツ制作」、「人的管理」、「セキュリティ対策」、「プロジェクト管理補助」のために利用している人は少なかった。2023年10月時点と比較すると、特に情報収集や文章生成、要約、校正といった用途での利用が増加している。 また、定期的に仕事で生成AIを利用している人に限定し、仕事効率の変化について分析すると、就業者の77%が「効率向上」と回答した。「変わらない」は20%、「効率悪化」は3%であった(図5-4)。2023年10月と比較すると、「効率向上」との回答の割合は64%から77%へと大きく増加しており、生成AIの活用による効果を実感する人が増えている様子がうかがえる。とくに「30%以上の効率向上」と回答した割合は5%から10%に増加するなど、効果の程度についても高まる傾向がみられた。 図5-1 生成AIの利用頻度 図5-2 生成AI利用者の属性 図5-3 生成AIを定期的に仕事で利用している人の用途 図5-4 生成AI利用者の仕事効率の変化 6.ロボットの活用状況 Q10.人間が行う作業や仕事を自律的に肩代わりしたり、サポートするようなロボットを、仕事で利用したことがありますか。(ひとつだけ)※「ロボット」には、産業用ロボット、協働ロボット、人型ではないものも含みます。例えば、製造ラインで使用される自動化ロボットや、重いものを運ぶ物流ロボット、非破壊検査を行う高所作業ロボット、ドローンによる測地や農薬散布が該当します。また、装着して人の動きをアシストするパワーアシストスーツや、巡回監視を行うセキュリティロボット、接客用のアバターも含まれます。Q11.ロボットを利用したことがある場合は、どのようなことに利用しましたか。ロボットを利用したことがない人は、仕事で利用するとなった場合に、実際に使いそうなことをお選びください。(あてはまるものすべて)※「ロボット」には、以下の用途で使用されるあらゆる形状のものが含まれます。Q12.仕事におけるロボットのおよその利用頻度をお答えください。(ひとつだけ)Q13.ロボットを利用すると、利用しない場合と比べて、時間あたりの仕事のパフォーマンス(仕事の効率)はどのように変化したと思いますか。ロボットを利用したことがない人は、仕事で利用するとなった場合のことを想定してお答えください。 2024年12月時点のロボットの利用状況をみると、定期的に仕事で利用している人(「ほぼ毎日利用している」、「週に1回程度利用している」、「2週間に1回程度利用している」、「月に1回程度利用している」、以下同)は5%であった。一度でも利用したことがある人を含めると6%となる(図6-1)。 次に、ロボットを定期的に仕事で利用している人に限定し、その用途を見ると(複数回答可の形式)、「生産ラインでの自動化・省力化」、「検査・品質管理」、「組立作業支援」のために利用している人が比較的多いことがわかった(図6-2)。一方、「セキュリティ監視」、「医療支援」、「農林水産作業の支援」のために利用している人は少なかった。 また、ロボットを定期的に仕事で利用している人に限定して、仕事効率の変化についてみると、就業者の89%は「効率向上」と回答し、「変わらない」は8%、「効率悪化」は3%であった(図6-3)。 図6-1 ロボットの利用頻度 図6-2 ロボットを定期的に仕事で利用している人の用途 図6-3 ロボット利用者の仕事効率の変化 7.政策への賛否 Q17.国民全体にとって、政府が以下の取組を進めることに賛成ですか、反対ですか。(それぞれひとつずつ)1.Eコマース・デジタル決済の推進2.人工知能(AI)、ビッグデータ活用の推進3.生成AI(例:ChatGPT)の開発・利用規制(例:開発における透明性確保の義務、利用における個人情報へのアクセス制限、著作権を侵害するコンテンツの除去など)4.自由貿易の推進5.自動運転の推進6.異常気象対策、地球温暖化防止対策7.原子力発電の維持・拡大の推進8.移民の受け入れ促進9.防衛力・軍事力の増強10.東京一極集中の是正 2024年12月時点において、「移民の受け入れ促進」を除くすべての政策において、賛成(「賛成」、「やや賛成」の合計)の割合が、反対(「反対」、「やや反対」の合計)を上回る結果となった(図7)。ただし、いずれの政策も賛成の割合が50%を超えることはなかった。そのなかでも、比較的賛成の割合が高かった政策は、「異常気象対策・地球温暖化防止対策」(43%)、「東京一極集中の是正」(35%)、「自動運転の推進」(32%)、「生成AIの開発・利用規制」(29%)、「人工知能(AI)、ビッグデータ活用の推進」(28%)などであった。 時系列でみると、デジタル化に関する政策(Eコマース・デジタル決済、AI・ビッグデータ活用、生成AIの開発・利用規制、自動運転)や異常気象・地球温暖化対策については、直近ほど賛成の割合が低下する傾向がみられた。 図7 政策への賛否 8.国際関係と日本経済に対する認識 Q18.以下の点について、あなたのお考えはAとBのどちらに近いでしょうか。(それぞれひとつずつ)(1)ドナルド・トランプ氏(次期米大統領)は日本に…A:脅威を与える B:利益をもたらす(2)中国は日本に…A:脅威を与える B:利益をもたらす(3)ロシアは日本に…A:脅威を与える B:利益をもたらす(4)ドナルド・トランプ氏(次期米大統領)に…A:親しみを感じる B:親しみを感じない(5)中国に…A:親しみを感じる B:親しみを感じない(6)ロシアに…A:親しみを感じる B:親しみを感じない(7)日本企業が外国企業に買収されることは、日本経済にとって…A:良いことだ B:悪いことだ(8)日本企業が外国企業を買収することは、日本経済にとって…A:良いことだ B:悪いことだ(9)外国企業が日本に製造拠点をつくることは、日本経済にとって…A:良いことだ B:悪いことだ(10)日本企業が海外に製造拠点をつくることは、日本経済にとって…A:良いことだ B:悪いことだ(11)外国人観光客の増加は、日本経済にとって…A:良いことだ B:悪いことだ(12)輸入品への関税は…A:国内産業を守るために引き上げるべきだ B:消費者の負担を軽減するために引き下げるべきだ(13)外国人労働者の雇用は…A:日本人の雇用を守るために減らすべきだ B:人手不足を解消するために増やすべきだ(14)日本の不動産や資産を外国人が購入することは…A:制限されるべきだ B:自由であるべきだ(15)海外産品よりも国産品を積極的に買うことは、日本経済を…A:良くする B:悪くする 本調査では、国際関係に対する意識について尋ねた(図8-1)。 まず、日本に対するドナルド・トランプ氏(大統領就任前)、中国、ロシアの影響について、「脅威を与える」か「利益をもたらす」かを尋ねたところ、いずれの対象についても「脅威を与える」と回答した人の割合(それぞれ40%、62%、62%)が「利益をもたらす」と回答した人(それぞれ17%、6%、7%)を上回った。特に、中国およびロシアを脅威とみなす割合は、トランプ氏と比較して顕著に高かった。 次に、それぞれに対する親近感についてみると、いずれの対象においても「親しみを感じる」と回答した人(それぞれ15%、7%、6%)よりも「親しみを感じない」と回答した人(それぞれ39%、62%、64%)の方が多かった。特に、中国およびロシアに対して親しみを感じない人の割合は、トランプ氏と比較して特に高かった。 さらに、属性別にトランプ氏の影響についてみると、性別による違いはほとんどみられなかったが、年齢階層が高いほど「脅威とみなす」割合が高いことがわかった(図8-2)。また、親近感についても、年齢階層が高いほど「親しみを感じない」と回答する割合が増加する傾向がみられた。なお、この「年齢が高いほど脅威とみなし、親しみを感じない」という傾向は、中国およびロシアに対する評価にも共通していた。 図8-1 ドナルド・トランプ氏(大統領就任前)、中国、ロシアへの認識 図8-2 属性別にみたドナルド・トランプ氏(大統領就任前)への脅威、親近感 本調査では、国際間の企業買収、国際間の製造拠点の立地、貿易政策(関税政策)、消費行動といった経済政策に関する人々の意識についても質問を行った。 回答結果をみると、いずれの項目においても「どちらともいえない」と回答した人の割合は高く、全体的に5割前後に達している(図8-3)。このことから、多くの人が明確な判断を下していない、または、判断が難しいと感じていることがうかがえる。 その上で、個別の項目をみると、まず、国際間の企業買収に関する認識では、「(7)日本企業が外国企業に買収されること」について、日本経済にとって「悪いことだ」と考える人の割合(49%)が、「良いことだ」と考える人の割合(7%)を大きく上回った。一方、「(8)日本企業が外国企業を買収すること」に関しては、「良いことだ」と考える人の割合(27%)が「悪いことだ」と考える人の割合(12%)を大きく上回った。この結果から、日本企業による外国企業の買収には肯定的な意見が多い一方で、外国企業による日本企業の買収に対しては否定的な意見が強いことがわかる。 次に、製造業の拠点に関する意識をみると、「(9)外国企業が日本に製造拠点をつくること」については、「良いことだ」と考える人の割合(32%)が「悪いことだ」と考える人の割合(17%)を上回った。また、「(10)日本企業が海外に製造拠点をつくること」についても、「良いことだ」と考える人の割合(25%)が「悪いことだ」と考える人の割合(19%)を上回ったが、「(9)外国企業が日本に製造拠点をつくること」と比較すると肯定的な意見の割合は低かった。つまり、日本企業の海外進出よりも、外国企業の日本進出の方が、より肯定的に受け止められていることが示された。 「(12)輸入品への関税」に関する意識をみると、「国内産業を守るために引き上げるべきだ」(19%)と、「消費者の負担を軽減するために引き下げるべきだ」(21%)の回答がほぼ拮抗していた。 また、「(15)海外産品よりも国産品を積極的に買うこと」については、日本経済を「良くする」と考える人の割合(45%)が、「悪くする」と考える人の割合(9%)を大きく上回った。 図8-3 国際間の企業買収、国際間の製造拠点の立地、貿易政策(関税政策)、消費行動に関する認識 本調査では、外国人観光客の増加、外国人労働者の雇用、外国人による日本の不動産や資産の購入に関する意識についても質問を行った。 回答結果をみると、いずれの設問においても「どちらともいえない」と回答した人の割合が高く、全体として約5割前後に達している点に留意が必要である(図8-4)。 その上で、個別の項目をみると、まず、「(11)外国人観光客の増加」については、日本経済にとって「良いことだ」と考える人の割合(39%)が、「悪いことだ」と考える人の割合(17%)を大きく上回った。インバウンド需要の拡大による経済効果への期待が強い一方で、「悪いことだ」と考える人も一定数存在しており、観光地の混雑などオーバーツーリズムへの懸念があると考えられる。 次に、「(13)外国人労働者の雇用」については、「日本人の雇用を守るために減らすべきだ」と回答した人の割合(23%)に対し、「人手不足を解消するために増やすべきだ」と回答した人の割合(25%)の方がやや多いが、両者の差は小さく、賛否が拮抗している状況といえる。 さらに、「(14)日本の不動産や資産を外国人が購入すること」については、「制限されるべきだ」と考える人の割合(44%)が、「自由であるべきだ」と考える人の割合(13%)を大きく上回り、外国資本による土地・資産の取得に対して慎重な姿勢が根強く存在していることがわかる。 図8-4 外国人観光客、外国人労働者、不動産購入に関する意識 9.メンタルヘルス 本調査では、メンタルヘルスを調査した。メンタルヘルスを測定する指標としてK6を用いる。K6は得点が高いほどメンタルヘルスが悪いと解釈される指標であり、詳細については脚注を参照されたい(注7)。 本調査において2020年3月から2024年12月までのK6の得点分布を分析した(図9)。その結果、2020年3月から2021年9月にかけて、K6の得点が低い人の割合が増加し、メンタルヘルスが改善していることがわかった。2021年9月以降の変化は比較的小さく、安定的に推移していることが確認された。 図9 K6の推移 10.生活困窮の不安 Q1.過去30日の間、あなたがどのように感じていたかについておたずねします。それぞれの質問に対して、そういう気持ちをどれくらいの頻度で感じていたか、一番あてはまるものをお答えください。(それぞれひとつずつ)10.生活が経済的に困窮するという不安を感じましたか 生活困窮の不安についてみると、2020年12月以降、全体的に生活困窮の不安を感じない人の割合は増加傾向にある(2024年12月時点で50%)。一方で、「いつも」、「たいてい」と回答した割合は一定数存在しており(同14%)、一部の層では依然として生活困窮の不安が続いている可能性が示唆される。 図10 生活困窮の不安の推移 参考文献川上憲人(2007)「全国調査におけるK6調査票による心の健康状態の分布と関連要因」『平成18年度政策科学総合研究事業(統計情報総合)研究事業「国民の健康状況に関する統計情報を世帯面から把握・分析するシステムの検討に関する研究」分担研究書』13-21.Furukawa, T.A., Kawakami, N., Saitoh, M., Ono, Y., Nakane, Y., Nakamura, Y., Tachimori, H., Iwata, N., Uda, H., Nakane, H., Watanabe, M., Naganuma, Y., Hatah, Y., Kobayashi, M., Miyake, Y., Takeshima, T., Kikkawa, T. (2008) “The performance of the Japanese version of the K6 and K10 in the World Mental Health Survey Japan,” International Journal of Methods in Psychiatric Research, 17 (3), 152–158.Kessler, R. C., P. R. Barker, L. J. Colpe, J. F. Epstein, J. C. Gfroerer, E. Hiripi, M. J. Howes, S. T. Normand, R. W. Mandersheid, E. E. Walters, and A. M. Zaslavsky. (2003) “Screening for Serious Mental Illness in the General Population,” Archives of General Psychiatry, 60, 184-189.Okubo, T. (2022). Telework in the Spread of COVID-19. Information Economics and Policy, 100987. Ⅱ 調査概要 1.調査の趣旨・目的 デジタル経済・社会に関する就業者実態調査は、ポストコロナにおけるデジタル技術の社会実装の状況や、デジタル技術が就業者の働き方、生活、意識にもたらす変化等を把握することを目的としている。新型コロナの感染拡大初期から、同一の就業者を追跡調査することにより、新型コロナ禍からポストコロナにかけての変化をより正確に把握することができる。 本調査は、2020年4月、6月、12月、2021年4月、9月、2022年2月、5月、12月、2023年3月、10月の計10回実施したテレワークに関する就業者実態調査、及び第1回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査に続く調査となる。就業者の働き方や生活の変化を捉え、災害や感染症による被害を受けても、1人ひとりが能力を十分に発揮して働くことができる社会に向けての課題を分析できる調査設計にしている。 2.調査名 第2回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査 3.主な調査項目 ●生成AI、ロボットの利用状況と仕事に及ぼす影響●テレワークの利用状況、利用頻度、テレワークが仕事・生活に及ぼす影響●会社・経営組織の動向、職場環境●メンタルヘルスと生活不安●政策への賛否●国際情勢と経済政策に対する認識●地域アメニティ、生活費支出、満足度●個人の属性等 4.調査期間 2024年12月21日(土)~2025年1月15日(水) 5.調査方法 1)実施方法:インターネット調査(スクリーニング調査・本調査)。回収目標数を10,000サンプルとして、過去の調査と同様のスクリーニング調査、割付を行ったうえで、配信し、回収した(注8)。2)調査機関:株式会社クロス・マーケティング3)調査対象者:調査会社に登録しているインターネット調査登録モニター4)調査対象:(ア)テレワークに関する就業者実態調査の第1回から第10回調査の回答者(イ)第1回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査から参加する就業者 6.回収数 総数:9,193件 すべて過去の同調査からの継続回答者。 7.回答者の属性 (クリックすると別ページで確認できます。) 8.研究体制 大久保敏弘 慶應義塾大学経済学部教授/NIRA総研上席研究員加藤究 フューチャー株式会社シニアアーキテクト/NIRA総研上席研究員神田玲子 NIRA総研理事・研究調査部長井上敦 NIRA総研主任研究員関島梢恵 NIRA総研主任研究員鈴木日菜子 NIRA総研研究コーディネーター・研究員 9.外部資金 本調査研究は科研費科研費(基盤研究B「ポストコロナの世界経済とデジタル経済:国際貿易・空間経済学・災害の経済による分析」研究代表者:大久保敏弘23H00821、挑戦的萌芽研究「AIがもたらす不平等と平等:社会関係資本(ソーシャルキャピタル)による解決」研究代表者:大久保敏弘24K21419)、住友電工グループ社会貢献基金・学術研究助成(研究代表者:大久保敏弘)の補助を受けている。 引用を行う際には、以下を参考に出典の明記をお願いいたします。(出典)大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2025)「第2回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査(速報)」 脚注 1 この調査研究は科研費(基盤研究B「ポストコロナの世界経済とデジタル経済:国際貿易・空間経済学・災害の経済による分析」研究代表者:大久保敏弘23H00821、挑戦的萌芽研究「AIがもたらす不平等と平等:社会関係資本(ソーシャルキャピタル)による解決」研究代表者:大久保敏弘24K21419)、住友電工グループ社会貢献基金・学術研究助成(研究代表者:大久保敏弘)の補助を受けている。 1 この調査研究は科研費(基盤研究B「ポストコロナの世界経済とデジタル経済:国際貿易・空間経済学・災害の経済による分析」研究代表者:大久保敏弘23H00821、挑戦的萌芽研究「AIがもたらす不平等と平等:社会関係資本(ソーシャルキャピタル)による解決」研究代表者:大久保敏弘24K21419)、住友電工グループ社会貢献基金・学術研究助成(研究代表者:大久保敏弘)の補助を受けている。 2 本調査での「テレワーク」とは、インターネットやメールなどのICT(情報通信技術)を利用した、場所などにとらわれない柔軟な働き方としている。通常の勤務地(自社および顧客客先、出先など)に行かずに、自宅やサテライトオフィス、カフェ、一般公共施設など、職場以外の場所で一定時間働くことを指す。具体的には、在宅勤務、モバイル勤務、施設利用型勤務などが該当する。ただし、移動交通機関内や外回り、顧客先などでのICT利用は含まない。また、回答者が個人事業者・小規模事業者等の場合には、SOHOや内職副業型(独立自営の度合いの業務が薄いもの)の勤務もテレワークに含まれる。第1回調査の2020年3月時点では就業している人のみを対象としたが、第2~11回調査では、継続回答者で失業した人も含まれる。なお、国土交通省の「テレワーク人口実態調査」や総務省の「通信利用動向調査」におけるテレワークの定義ではICTを利用した普段の勤務地とは別の場所で仕事をすることとしている。同調査では自社の他事業所や顧客先、外回りでの利用、移動中の交通機関、駅構内、空港内でのPCやモバイル端末利用も含まれている。 2 本調査での「テレワーク」とは、インターネットやメールなどのICT(情報通信技術)を利用した、場所などにとらわれない柔軟な働き方としている。通常の勤務地(自社および顧客客先、出先など)に行かずに、自宅やサテライトオフィス、カフェ、一般公共施設など、職場以外の場所で一定時間働くことを指す。具体的には、在宅勤務、モバイル勤務、施設利用型勤務などが該当する。ただし、移動交通機関内や外回り、顧客先などでのICT利用は含まない。また、回答者が個人事業者・小規模事業者等の場合には、SOHOや内職副業型(独立自営の度合いの業務が薄いもの)の勤務もテレワークに含まれる。第1回調査の2020年3月時点では就業している人のみを対象としたが、第2~11回調査では、継続回答者で失業した人も含まれる。なお、国土交通省の「テレワーク人口実態調査」や総務省の「通信利用動向調査」におけるテレワークの定義ではICTを利用した普段の勤務地とは別の場所で仕事をすることとしている。同調査では自社の他事業所や顧客先、外回りでの利用、移動中の交通機関、駅構内、空港内でのPCやモバイル端末利用も含まれている。 3 各時期の詳細な結果については、以下の調査報告書を参照されたい。2020年1~3月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2020)「新型コロナウイルスの感染拡大がテレワークを活用した働き方、生活・意識などに及ぼす影響に関するアンケート調査結果に関する報告書」 2020年4~6月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2020)「第2回テレワークに関する就業者実態調査報告書」 2020年9~12月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2021)「第3回テレワークに関する就業者実態調査報告書」 2021年1~4月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2021)「第4回テレワークに関する就業者実態調査報告書」 2021年7~9月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2021)「第5回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」 2021年12月~2022年1月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2022)「第6回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」 2022年3~5月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2022)「第7回テレワークに関する就業者実態調査(速報)―『ウクライナ危機をめぐる安全保障に関する意識調査』を含む―」 2022年8~12月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2023)「第8回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)―『ウクライナ危機をめぐる安全保障に関する意識調査』を含む―」 2023年3月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2023)「第9回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」 2023年4~10月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2023)「第10回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」 2024年5月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2024)「第1回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査(速報)」 3 各時期の詳細な結果については、以下の調査報告書を参照されたい。2020年1~3月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2020)「新型コロナウイルスの感染拡大がテレワークを活用した働き方、生活・意識などに及ぼす影響に関するアンケート調査結果に関する報告書」 2020年4~6月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2020)「第2回テレワークに関する就業者実態調査報告書」 2020年9~12月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2021)「第3回テレワークに関する就業者実態調査報告書」 2021年1~4月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2021)「第4回テレワークに関する就業者実態調査報告書」 2021年7~9月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2021)「第5回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」 2021年12月~2022年1月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2022)「第6回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」 2022年3~5月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2022)「第7回テレワークに関する就業者実態調査(速報)―『ウクライナ危機をめぐる安全保障に関する意識調査』を含む―」 2022年8~12月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2023)「第8回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)―『ウクライナ危機をめぐる安全保障に関する意識調査』を含む―」 2023年3月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2023)「第9回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」 2023年4~10月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2023)「第10回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」 2024年5月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2024)「第1回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査(速報)」 4 詳細なテレワーク利用の要因分析に関してはOkubo(2022)を参照。 4 詳細なテレワーク利用の要因分析に関してはOkubo(2022)を参照。 5 回答者はあくまで自身の利用状況について回答しており、会社・組織を代表するものではない。 5 回答者はあくまで自身の利用状況について回答しており、会社・組織を代表するものではない。 6 選択肢に示したICTツールは、(1)コミュニケーションツールとして、テレビ会議・Web会議、チャットやSNSによる社内情報共有、(2)共同作業ツールとして、ファイル共有・共同作業、リモートアクセス、タスク・プロジェクト管理、(3)業務管理ツールとして、電子決裁、勤怠管理、グループウェア、従業員のメンタルヘルスチェック、生産管理・販売管理・在庫管理、営業管理、採用管理、人事管理、会計管理、(4)オフィス・現場の自動化ツールとして、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、バーチャルオフィス、非接触型テクノロジー、自動翻訳、BIツール、画像認識・画像解析ツール、生成AIが含まれる。なお、非接触型テクノロジーは2020年12月の調査以降、自動翻訳、BIツール、画像認識・画像解析ツールは2021年9月の調査以降、生成AIは2024年5月の調査で新たに選択肢に追加された。 6 選択肢に示したICTツールは、(1)コミュニケーションツールとして、テレビ会議・Web会議、チャットやSNSによる社内情報共有、(2)共同作業ツールとして、ファイル共有・共同作業、リモートアクセス、タスク・プロジェクト管理、(3)業務管理ツールとして、電子決裁、勤怠管理、グループウェア、従業員のメンタルヘルスチェック、生産管理・販売管理・在庫管理、営業管理、採用管理、人事管理、会計管理、(4)オフィス・現場の自動化ツールとして、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、バーチャルオフィス、非接触型テクノロジー、自動翻訳、BIツール、画像認識・画像解析ツール、生成AIが含まれる。なお、非接触型テクノロジーは2020年12月の調査以降、自動翻訳、BIツール、画像認識・画像解析ツールは2021年9月の調査以降、生成AIは2024年5月の調査で新たに選択肢に追加された。 7 K6は、Kessler et al. (2003)によって開発された尺度であり、精神疾患のスクリーニングを目的として作成された。日本語版は Furukawa et al. (2008)によって開発されている。設問項目は、「神経過敏に感じましたか」、「絶望的だと感じましたか」、「そわそわ、落ち着かなく感じましたか」、「気分が沈み込んで、何が起こっても気が晴れないように感じましたか」、「何をするのも骨折りだと感じましたか」、「自分は価値のない人間だと感じましたか」の6つの設問から構成されており、5段階のスケールで回答する形式となっている。各設問は5段階のスケールで評価され、「まったくない」(0点)、「少しだけ」(1点)、「ときどき」(2点)、「たいてい」(3点)、「いつも」(4点)のいずれかを選択する。各回答の点数を合計し、K6の総得点を算出する方式となっている。この尺度は厚生労働省『国民生活基礎調査』にも採用されており、日本国内におけるメンタルヘルスの評価指標として広く活用されている。『国民生活基礎調査』の詳細は、厚生労働省ウェブページ『国民生活基礎調査』で確認できる。 なお、川上(2007)では、5~9点は「心理的ストレス相当」、10~12点は「気分・不安障害相当」、13点以上は「重症精神障害相当」と区分している。川上憲人(2007)「全国調査におけるK6調査票による心の健康状態の分布と関連要因」『平成18年度政策科学総合研究事業(統計情報総合)研究事業「国民の健康状況に関する統計情報を世帯面から把握・分析するシステムの検討に関する研究」分担研究書』13-21. また、厚生労働省の「健康日本21(第2次)」では、「気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感じている者の割合の減少」を目標の1つとして掲げており、『国民生活基礎調査』において20歳以上のK6合計点が10点以上の割合を9.4%(2022年度)に設定している。 7 K6は、Kessler et al. (2003)によって開発された尺度であり、精神疾患のスクリーニングを目的として作成された。日本語版は Furukawa et al. (2008)によって開発されている。設問項目は、「神経過敏に感じましたか」、「絶望的だと感じましたか」、「そわそわ、落ち着かなく感じましたか」、「気分が沈み込んで、何が起こっても気が晴れないように感じましたか」、「何をするのも骨折りだと感じましたか」、「自分は価値のない人間だと感じましたか」の6つの設問から構成されており、5段階のスケールで回答する形式となっている。各設問は5段階のスケールで評価され、「まったくない」(0点)、「少しだけ」(1点)、「ときどき」(2点)、「たいてい」(3点)、「いつも」(4点)のいずれかを選択する。各回答の点数を合計し、K6の総得点を算出する方式となっている。この尺度は厚生労働省『国民生活基礎調査』にも採用されており、日本国内におけるメンタルヘルスの評価指標として広く活用されている。『国民生活基礎調査』の詳細は、厚生労働省ウェブページ『国民生活基礎調査』で確認できる。 なお、川上(2007)では、5~9点は「心理的ストレス相当」、10~12点は「気分・不安障害相当」、13点以上は「重症精神障害相当」と区分している。川上憲人(2007)「全国調査におけるK6調査票による心の健康状態の分布と関連要因」『平成18年度政策科学総合研究事業(統計情報総合)研究事業「国民の健康状況に関する統計情報を世帯面から把握・分析するシステムの検討に関する研究」分担研究書』13-21. また、厚生労働省の「健康日本21(第2次)」では、「気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感じている者の割合の減少」を目標の1つとして掲げており、『国民生活基礎調査』において20歳以上のK6合計点が10点以上の割合を9.4%(2022年度)に設定している。 8 第1回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査では、全国の15歳以上の就業者を母集団とし、株式会社クロス・マーケティングのモニターを対象にスクリーニング調査を実施し、就業者に該当する者のみが回答した。2023年度の総務省『労働力調査』の結果に基づき、性別、年齢(6区分)、地域(5区分)に応じて割り付け、回収目標数の10,000サンプルとなるよう調査を実施した。 8 第1回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査では、全国の15歳以上の就業者を母集団とし、株式会社クロス・マーケティングのモニターを対象にスクリーニング調査を実施し、就業者に該当する者のみが回答した。2023年度の総務省『労働力調査』の結果に基づき、性別、年齢(6区分)、地域(5区分)に応じて割り付け、回収目標数の10,000サンプルとなるよう調査を実施した。 シェア Tweet 関連公表物 第1回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査(速報) 大久保敏弘 NIRA総研 テレワーク、感染症対策から得た教訓とは 大久保敏弘 井上敦 関島梢恵 コロナショックが加速させる格差拡大 大久保敏弘 脱炭素社会実現に向けたグリーンジョブの推進 大久保敏弘 災害支援にソーシャルキャピタルは不可欠か 大久保敏弘 ©公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp 研究の成果一覧へ