伊藤元重
総合研究開発機構理事長

2009年2月発売!
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概要

 100年に1度と言われる金融危機の背景には、デジタル技術の革新と高齢化による金余り現象という、2つの大きな経済構造の変化がある。さらに、グローバルレベルでの資金の流れやマクロ的なアンバランス、金融制度や住宅市場、米国の消費行動など、多岐にわたる要因が考えられる。
 今回の世界同時不況が世界大恐慌へと発展してしまうかは、今後の対応策次第である。前回の恐慌時には、各国が保護主義に走ってしまい、積極的な財政金融政策も行われなかった。日本も含め各国が適切な対策を講じることが求められる。
 デカップリング論とは裏腹に中国経済も今回の危機の煽りを受けている。しかしながら、依然として8%の成長率を維持しそうな勢いは残っており、強固な政治体制のもとあらゆる手段を講じて危機を回避すると思われる。今後は、輸出に偏重した成長から、外資の選択と内需の拡大で、いかにして持続的な成長を可能にしていくかが鍵となる。
 日本はこの円高局面を好機に積極的に海外展開を行い、競争力強化へとつなげていくことが必要である。さらに、住宅、医療、介護、教育、育児サービスなどの内需に、新たな可能性を見い出していくべきである。増税を断行して、これらの分野に公的な支援と役割を期待していくことも、考えていかなければならない。内需拡大といっても、国内の市場のみに目をむけるのではなく、日本をアジアに向けて開いていくという視点が重要である。

目次

序章 世界経済の底が見えない
第1章 なぜ金融危機が起きたのか
第2章 これは世界大恐慌の再来なのか
第3章 苦悩する中国はどうなるのか
第4章 日本経済―変わる風景
第5章 「次」への挑戦

発売:講談社
定価:本体1,400円(税別)
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INDEX

引用を行う際には、以下を参考に出典の明記をお願いいたします。
(出典)伊藤元重(2009)『危機を超えて-すべてがわかる「世界大不況」講義』講談社

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