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RESEARCH研究テーマ

デモクラシー

現代の政治は、人口減少や所得格差、社会の分断などの課題解決と、グローバル化やIT化への対応が求められている。グローバルな視点で民主政治、政党、市民社会を取り巻く動向を分析し、今後の日本政治のあり方を研究する。

後期高齢者医療をめぐる熟慮・熟議型調査

日本が直面する課題について解決策を探るためには、政策に関心を持つ人々の意見を集約し、それを踏まえた政策ビジョンを構築することが必要だ。今回の調査では、後期高齢者を対象とした医療費の窓口負担割合の引き上げに対する賛否に注目した。賛成・反対派ともに、個人の負担能力に応じた負担をする「応能負担」が多く支持されていることが判明した。また、専門家の論考を読み、熟議や熟慮によって人々の考えがどのように変化するかを検証した。

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人びとが受け入れ可能な政策ビジョンとは

人々に受け入れられる政策ビジョンをデッサンするためにはどうすればよいのか。4つのテーマを選び、熟考と熟議を経た「世論」の観測を試みた。そこから得られた教訓は、人々は、問題の所在を理解しており、受け入れがたい政策を求めるときには、人々が受け入れやすい応能負担の議論や、無駄をなくす努力を並行することが有効だということ。そして、抽象論より具体的なイメージを見せることである。

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インターネット調査における省力回答者に関する一考察

インターネット調査の問題点の1つに、調査回答の労力を最小限化しようとよく考えずに回答する「サティスファイサー」(省力回答者)の存在が指摘されている。本稿ではこのサティスファイサーについて、インターネット調査データの分析を通じて考察した。サティスファイサーは調査会社によるモニターの管理がなされてもなお、ある程度存在し、分析結果を歪める恐れがある。調査ではサティスファイサーを検出する質問を投入し、慎重にデータを検討することが重要だ。

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インターネット調査のサンプル特性

一般的な社会調査法の1つとなったインターネット調査には「バイアス」があり、目標母集団との「ズレ」が問題となる。この実態を明らかにするため、同一の質問項目によって構成される、面接調査とインターネット調査を同時に実施し比較した。結果として、インターネット調査の回答者は大都市居住者、高学歴が多かった。また、パーソナリティ的な特徴等も見出された。社会調査データの収集・分析・解釈には、調査のモードを考慮する必要がある。

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経済・社会文化・グローバリゼーション
ー2020年の各国政党政治ー

主要国の政党政治の最新動向を、「経済・社会文化・グローバリゼーション」の3つの観点から各国識者が解説する。近年、主要国では、グローバル化による負の影響を受ける中、既成政党の主張は変化し、左右ポピュリスト政党が伸長している。国際比較で著名なチャペルヒル調査の手法を使い、各国の政党政治の動きを把握した。日本の政党は、経済政策やグローバル対応では各党間の主張に大きな違いはないが、社会文化面では分極化している。

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第3回中核層調査

NIRA総研は、自らの生き方を主体的に選択し、かつ積極的に社会を支えようとする自負と責任感を持った人々を「中核層」と名付け、日本社会の将来を担う新しい人々として育成することを提言してきた。今回、アンケート調査により、中核層は年齢や学歴、年収に関係なく、広く社会に存在し、生活の満足度や他者への信頼、政策への関心が高いことがわかった。社会の分断に⻭⽌めをかけ、将来へのビジョンを形成する中心的な役割を担うことが期待される。

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ニュースメディア 分断なき公共圏を作れるか

テレビが急速に普及し、また、新聞大国ともいわれた日本。メディアの発展は日本の民主政治に大きな影響を与えた。しかし、いまや、ネットニュースが、新聞やテレビ以上のニュースの情報源となっている。ニュースメディアは、これからの民主政治でどのような役割を果たすべきか。また、メディアの経営戦略はどうあるべきか。二大紙の経営トップ、そして内外の専門家に問う。

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新たな国際秩序の形成と日本の政策ビジョン

日本は、国際社会の構造の変化に加え、国内で財政の持続性など多くの課題を抱えている。多国間主義を支持する以上、国内政策の課題に対しても、世界共通の利益と個別の利益を一致させる方策を実現する必要がある。そのために、グローバルな視点から長期的で分野横断的な経済社会ビジョンを作る必要がある。さらに、市民の間ではこれまでの代議制民主主義への信頼が低下している。今後、市民自らが政策を議論し、政府に代替案を示す仕組み作りが重要だ。

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デジタル・デモクラシーがやってくる!

近年、第4次産業革命と呼ばれるインターネットの普及やAIの登場により、生活やビジネスなど様々な場面で利便性・快適性が高まっている。AIなどの技術は、政治にも影響を及ぼすのではないか。こうした問題意識から、政治学者と憲法学者の2人が、政治の様々な場面や状況を知る識者から話を聞きながら、インターネットなどのデジタル技術を想定していない現在のデモクラシー(民主主義)の課題を考え、これからの新しいデモクラシーの可能性を探っていく。

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ポピュリズムを招く新しい「政治的疎外」の時代

欧米諸国では、グローバル化や技術革新により仕事を失い、社会から取り残されてしまった人々が、政治への不信感を強め、社会を変えてくれそうなカリスマ的リーダーを待望したことで、ポピュリズムが生まれている。日本は今のところポピュリズムとは無縁のように見える。しかし少子高齢化や巨額の公的債務残高などを抱える課題先進国であり、与党も野党も有効な政策を打ち出せていないことを考えれば、いつポピュリズムに火がついてもおかしくはない。

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