2023.06.12 中核層政治制度 NIRAオピニオン No.67 なぜ、人々の声は政府に届かないのか NIRA総研 2023年2月、NIRAフォーラム2023を開催した。社会全体のパイが増えない中、今の政治には痛みを分かち合う厳しい決定が求められる。人々と政治が社会に対して責任ある方策を共に見出すための政策共創の場が重要だ。「熟議民主主義」を根付かせ議論のプロセスを見直す一方、政治は政党間で競争し、意思決定の透明性と説明責任を高める。この2つの仕組みづくりに同時に取り組むことこそが、民主主義のサステイナビリティーを保つための道だ。 詳細を見る
2023.04.28 中核層 研究報告書 第1回政治・経済・社会に関する意識調査(NIRA基本調査)(速報) NIRA総研 政治・経済・社会に関する人々の意識を定点観測し、何を望み、何を必要としているかを理解することは、人々に受け入れられる経済社会のビジョンを描く上で重要である。第1回NIRA基本結果では、日本の経済状況の見通しを悲観視する人が80%を超え、公共サービスに満足している人は半数を下回った。しかし、政治に関心がある人は半数を下回るなど、将来への不安や不満が政治的な関心や行動につながっていないことが明らかとなった。 詳細を見る
2022.05.31 中核層 NIRAオピニオン No.62 日本人にとっての自由と平等とはなにか 宇野重規 日本人は自由と平等のいずれを重視しているのか。調査の結果では、平等よりも自由を選ぶ回答者の方が圧倒的に多い一方で、新型コロナウイルスの対策のための個人の自由の制限については、むしろ肯定的な人が多数を占めていた。日本人にとっての自由とは、個人の自由をラディカルに主張するリバタリアン的な自由というよりは、自由の規制をも許容する、むしろ秩序や社会的コンセンサスに親和的な自由が想定されている可能性が高い。 詳細を見る
2022.04.26 中核層 論文 NIRAワーキングペーパーNo.4 財政赤字と国債発行をめぐる熟慮・熟議型調査 川本茉莉 経済・社会に関するテーマについての調査のうち、本稿では「財政赤字と国債発行」に関して報告する。調査の結果、政府債務に対し危機意識を持っている人は少なくないが、それは反対の立場の意見を読むことにより揺らぎやすいものであることが分かった。また、財政赤字を心配していない人と危機的と感じている人では、専門家の論考のうち参考とする論点が異なっていた。さらに自由記述回答から、専門家の論考が人々の考えに影響を与えていることが分かった。 詳細を見る
2022.03.10 中核層 論文 NIRAワーキングペーパーNo.3 政府規模と国民負担をめぐる熟慮・熟議型調査 川本茉莉 NIRA総研では、経済・社会に関するテーマに関する調査を実施した。本稿では、そのうちの1つである「政府規模と国民負担」に関して報告する。調査の結果、国民負担を減らすべきか増えるのはやむを得ないかと、税金など各項目に対する考え方がおおむね整合的であったのに対し、行政サービスについて簡素化すべきか手厚くすべきかは、必ずしも社会保障費など政府支出の具体的な項目ごとへの考えと結び付いていないことが分かった。 詳細を見る
2022.03.09 中核層 研究報告書 『中央公論』2022年4月号にて引用された調査データ NIRA総研 『中央公論』2022年4月号の「2000人調査から見えた日本人の『自由』と『平等』観」にて引用された調査データについて、詳細を報告する。NIRA総研では、自由と平等をテーマに、一般の人々の意見を集約するための調査を実施した。本調査では、「自由と平等のどちらを選ぶか」に加え、「コロナ対策のための個人の自由の制限は許されるか」など、個人の自由と公共のあり方について、人々がどのように考えているかを調査した。 詳細を見る
2022.03.03 中核層 NIRAオピニオン No.61 高齢者の医療費負担増を人びとはどう受け止めているか 翁百合 2021年の法律改正で、後期高齢者医療費の自己負担割合の引き上げが決定した。これに対する人びとの意見を、熟慮や熟議を通じて観測する中で、賛成・反対両派の認識に共通点が見つかった。医療制度の持続可能性に対する懸念、医療費の無駄の削減といった効率性への認識、そして医療費の負担割合を「年齢」で区切ることへの不満である。負担分配に関する国民の合意形成のための手がかりとして、議論すべきアジェンダを示す。 詳細を見る
2022.01.17 中核層 論文 NIRAワーキングペーパーNo.2 後期高齢者医療をめぐる熟慮・熟議型調査 川本茉莉 日本が直面する課題について解決策を探るためには、政策に関心を持つ人々の意見を集約し、それを踏まえた政策ビジョンを構築することが必要だ。今回の調査では、後期高齢者を対象とした医療費の窓口負担割合の引き上げに対する賛否に注目した。賛成・反対派ともに、個人の負担能力に応じた負担をする「応能負担」が多く支持されていることが判明した。また、専門家の論考を読み、熟議や熟慮によって人々の考えがどのように変化するかを検証した。 詳細を見る
2022.01.17 中核層 NIRAオピニオン No.60 人びとが受け入れ可能な政策ビジョンとは 谷口将紀 人々に受け入れられる政策ビジョンをデッサンするためにはどうすればよいのか。4つのテーマを選び、熟考と熟議を経た「世論」の観測を試みた。そこから得られた教訓は、人々は、問題の所在を理解しており、受け入れがたい政策を求めるときには、人々が受け入れやすい応能負担の議論や、無駄をなくす努力を並行することが有効だということ。そして、抽象論より具体的なイメージを見せることである。 詳細を見る
2021.06.01 中核層 研究報告書 第3回中核層調査 NIRA総研 NIRA総研は、自らの生き方を主体的に選択し、かつ積極的に社会を支えようとする自負と責任感を持った人々を「中核層」と名付け、日本社会の将来を担う新しい人々として育成することを提言してきた。今回、アンケート調査により、中核層は年齢や学歴、年収に関係なく、広く社会に存在し、生活の満足度や他者への信頼、政策への関心が高いことがわかった。社会の分断に⻭⽌めをかけ、将来へのビジョンを形成する中心的な役割を担うことが期待される。 詳細を見る