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PAPERS研究の成果

RESEARCH REPORT NIRA研究報告書

NIRA総研は複数の有識者からなる研究会を設置し、多角的な視点から検討を行っています。
それらの研究成果を提供します。

ISSN 2758-2205

財政再建の道筋―震災を超えて次世代に健全な財政を引継ぐために

経済低迷の長期化や急速な高齢化等を背景として日本の財政状況は悪化の一途をたどっており、それが国債市場に及ぼす影響への懸念が高まっている。また、震災を契機として、財政問題がどのように変容していくのかを検討しておくことも重要である。本報告書では、これらの問題についての論点整理を行うとともに、次世代に健全な財政を引継ぐために必要となる財政再建のあるべき姿や進め方について政策提言を行った。

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時代の流れを読む―自律と連帯の好循環

各国の産業政策、金融規制・監督、 高等教育制度、医療制度、年金制度の5分野について、「自律」と「連帯」を軸に変化を追った。各分野の制度・政策の変化を横断的にみると、連帯を通じて個人の自律が促されるような仕組みが形成される一方、 自律した人にも連帯を促す仕組みが形成されるような制度設計がされていることが明らかとなった。つまり、 自律と連帯の好循環が働くような社会を構築することが模索されているといえる。

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何が日本の経済成長を止めたのか?

日本経済の長期停滞の原因や政策評価については、多くの議論がなされてきているが、日本は依然として持続的な経済成長の道筋を見出せずにいる。そこで、本報告書は、海外の視点から問題の再検討を行った。具体的には、①1970年代以降に出現した様々な課題に対する適応の失敗、②バブル崩壊後の1990年代における政策の失敗、③構造改革を推進した小泉内閣の主要政策について評価を行なった。また、これにより明らかとなった教訓を踏まえ、現政権による「新成長戦略」の検証を行い、日本が経済成長を回復するための政策転換のあり方について提言している。

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東アジアの地域連携を強化する

日本政府は「東アジア共同体」構想を打ち出したが、今のところ具体的な政策が提示されているわけではない。本報告書では、日本と東アジアの連携にどのような課題と可能性があるのかを主に経済面から考察し、具体的な政策提言を行った。本報告書の「個別分野編」においては、EPA/FTA、通貨・金融協力、人材育成、人材交流、航空、環境協力といった様々な分野における政策課題について、欧州共同体の教訓も踏まえつつ、さらに掘り下げた検討を行っている。

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「まちなか集積医療」の提言―医療は地域が解決する

日本の医療供給体制は、急性期医療を中心とする現在のシステムから、機能分化された医療機関が連携するシステムへの転換が必要だ。課題解決のため、「医療」と「まちづくり」を融合した「まちなか集積医療」を提言する。その特徴は、地域における病院の機能分担・連携と、まち中心部への医療機関の集積にある。地域が主体となり、医療サービスの供給を効率化するとともに、地域を活性化し、医療と地域の問題を一体的に解決すべきだ。

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「市場か、福祉か」を問い直す―日本経済の展望は「リスクの社会化」で開く

日本における生活、雇用、老後などに関する不安・リスクは、「社会」がリスクを公平に負担できていないことに起因すると考えられる。本報告書では、諸外国の政策体系をもとに日本の政策の根本的な欠陥を浮き彫りにした上で、「個人」が過重にリスクを負担する社会から、「社会」が公平にリスクを負担する社会へ移行するための制度設計、つまり、「リスクの社会化」を柱とした政策体系へのシフトを提言した。

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日本の医療は変えられる

医療の高度化に伴う専門分化の進展や高齢化に伴う慢性疾病の増加など、医療を取り巻く現状は大きく変動している。日本の医療をよりよくするためには、専門医の地域配分、総合診療医の育成、地域医療の再構築、医療の「見える化」による質の向上と無駄の削減、データに基づく政策立案、グローバルな医療産業の育成などを考える必要がある。経済学の視点から医療の課題を捉え直すとともに、現代医療の様々な現場から医療制度改革の必要性を提言する。

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高齢化は脅威か?―鍵握る向こう10年の生産性向上

人口減少と高齢化が日本経済の懸念材料であると強調されて久しい。高齢者の増加は、社会保障収支の悪化を通じて財政赤字を趨勢的に拡大させるだけでなく、生産性を押し下げ、経済の活力をそぐのではないか、という見方である。このうち、後者の「高齢化の進展や人口の減少が、日本経済の生産性の先行きにどのような影響を与えるのか」 という疑問に応えることが本報告書の主目的である。

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農業を新たな「食料産業」に―食料自給力強化のために農業収益力の向上を図る

本研究では、「農業の収益向上」に向けた課題について考察した。収益向上により農業の魅力が高まれば、若者を始め農業への参入が促され、農業の持続性や農業生産力の強化に資することになる。そのために、制度・政策に求められるのは、生産主体が安心して意欲をもって農業経営に取り組める環境を整えることだ。本報告書では、農地集積や法人化、植物工場を始めとする新技術の導入、経営感覚に富んだ人材の育成等を視野に、具体的な提言を示した。

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アジアを「内需」に―規格・制度の標準化で

アジア経済の長期的繁栄を実現し、日本とアジアの相互の成長を果たすにはどうすべきか。まず求められるのは、日本が内需・外需の二分法から脱却し、アジアを「内需」と呼べるほどの強い結びつきと連携関係を持つことだ。 日本はアジア諸国とともに、アジア経済の潜在的市場規模を活用した国際的な規格・制度の標準化(制度のハーモナイゼーション)を進めるべきだ。また、国内のみならずアジアでも、規格・制度の標準化に関する専門人材の育成が急務だ。

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