2009.10.01研究報告書次の危機に備えた金融システムの構築―現下の対症療法的対策の問題点を踏まえた提案NIRA本研究報告書では、今次金融危機の要因を改めて確認するとともに、現下の欧米政策当局主導による対症療法的対策の問題点を指摘の上、“危機の再来を防ぐ”もしくは“危機を円滑に乗り切る”ための金融システム構築という視点から提言を行っている。提言の主な柱は、①金融機関のガバナンスを巡る環境・制度の改善策、②危機を事前に回避するマクロ・プルーデンス体制の構築、③危機に迅速・機動的に対処するための官民役割分担の事前明確化、④個別金融機関のリスク管理の改善策等である。詳細を見る
2009.04.01研究報告書終身雇用という幻想を捨てよ―産業構造変化に合った雇用システムに転換を柳川範之 山田久 原ひろみ 安藤至大 辻明子わが国の雇用を守るためには、終身雇用という幻想から決別し、総合的な雇用システムに転換することが必要だ。これからの雇用政策は、長期的な産業構造をどのような方向に持っていくのか、限られた資源や人材を活用していかに日本を成長させていくのか、という産業政策や成長戦略と関連付けて考えるべきである。そして、新しい環境に適した能力を身につけるための人材育成・教育訓練システムを、産業政策的な視点で大胆に導入することも重要である。詳細を見る
2009.02.24研究報告書危機を超えて―すべてがわかる「世界大不況」講義伊藤元重100年に1度と言われる金融危機の背景には、デジタル技術の革新と高齢化による金余り現象という、2つの大きな経済構造の変化がある。さらに、グローバルレベルでの資金の流れやマクロ的なアンバランス、金融制度や住宅市場、米国の消費行動など、多岐にわたる要因が考えられる。日本はこの円高局面を好機に積極的に海外展開を行い、競争力強化へとつなげていくことが必要である。国内の市場のみに目をむけるのではなく、日本をアジアに向けて開いていくという視点が重要である。詳細を見る
2008.12.29研究報告書リーディングス 格差を考える伊藤元重編グローバリゼーション、IT化、人口高齢化等の進行等を背景とした、従来では考えられないようなスピードとレベルの構造的な変化が我々の社会に生じている。その一部は、格差として認識され、格差論争が生じるに至った。ただし、格差の議論の対象は一様でなく、所得格差、雇用格差、地域間格差、教育格差など、非常に多様でかつ重層的な関係にある。こうした諸問題への理解を深めるため、2005-2008年の間に執筆された優れた論文から学ぶ。詳細を見る
2008.12.01研究報告書Joint Report and Policy Recommendations on the Possible Roadmaps of a Free Trade Agreement between China, Japan and Korea (「日中韓自由貿易協定の可能なロードマップに関する共同報告書及び政策提言」)NIRA DRC KIEP本研究は、1999年11月ASEAN+3会合の際の日本の小渕恵三首相、中国の朱鎔基首相、韓国の金大中大統領の3首脳会議に於いて、3国間で共同研究を行うとの合意を受け実施されている。日中韓FTA研究の6年目となる本年は、“日中韓FTAの可能なロードマップ”と題して、①3国のFTA戦略、②日中韓FTAにおける課題と展望、③日中韓FTAに向けたロードマップについて研究を行った。詳細を見る
2008.11.01研究報告書家計に眠る「過剰貯蓄」― 国民生活の質の向上には「貯蓄から消費へ」という発想が不可欠白川浩道 上村敏之 太田智之 下井直毅日本経済が低成長から脱却できない要因の1つに、「家計に眠る過剰な貯蓄」が十分に消費支出に向けられていないことが考えられる。過剰貯蓄額を推計すると、高所得層を中心に100兆円を超える可能性も浮上する。その背景には、家計や個人の将来不安や公的年金制度に対する不信感がありそうだ。過剰貯蓄を消費に向かわせるためには、社会保障制度の維持向上を明確な目標に掲げた上で、逆累進性のある消費税を引き上げるという政策オプションも考慮に値する。詳細を見る
2008.10.01研究報告書統計改革への提言―「専門知と経験知の共有化」を目指して宮川努 飯塚信夫 永濱利廣 川口大司 乾友彦 鈴木亘現在の統計制度は、昨今のグローバリゼーションが進展した複雑な社会経済を描くには適切なデザインであるとはいえない。本報告書では、統計利用者の立場から、新たな時代にふさわしい統計のあり方について提言を行なった。統計改革の基本的方針としては、1. 政策課題に対応するために必要な統計の作成に優先的に人や資金を投入できるようにすること、 2.統計データを広く一般に公開し、部外者による統計の利用を促進すること、 3.統計の国際比較可能性を原則すること、 4.地方分権化を見据えた統計体系を整備することを、提案する。詳細を見る
2008.04.01研究報告書地方再生へのシナリオ―人口減少への政策対応山崎朗 矢作弘 阿部和俊 藤本典嗣 森直子 山本勝子本研究では、人口減少時代における地域の未来図を描き、政策課題を抽出した。人口減少の加速化によって、 地方の生活圏の生活利便性は今後急速に低下していくおそれがある。報告書では、 人口減少に対応した戦略的な地域活性化策のあり方について論じている。とくに、都市の階層性を前提とした都市間連携、 広域的な地域クラスターの発展戦略、地域連携の実践的な取り組み、社会資本の重点投資策などの政策を提言した。詳細を見る
2008.04.01研究報告書就職氷河期世代のきわどさ―高まる雇用リスクにどう対応すべきか阿部正浩 荻野勝彦 佐野哲 本田由紀 藤森克彦 小川晃弘 辻明子今日の非正規雇用者の中には、家計の主たる稼得者も増えている。また、一度、非正規雇用となった若者が正規雇用に移行することが困難になっている。非正規雇用は能力開発が難しく、雇用不安とともに、生涯、低所得のままとなる危険性もある。若年の非正規雇用の問題が今後の日本社会に大きな影響を与えることを示すとともに、この問題への対応策として、非正規雇用を組み込んだ新しい制度設計と大規模な就労支援を早期に行うことを提言する。詳細を見る
2008.03.31研究報告書価値を創る都市へ―文化戦略と創造都市中牧弘允 佐々木雅幸 NIRA地域振興策や都市政策の領域において、地域の文化資源が持つ活力への期待がより高まっている。こうした挑戦に応えていく上で大きな鍵を握る文化戦略をいかに展開すべきか。本書は、創造都市論や文化都市政策の観点から、事例も紹介しつつ、特に重要となる3つの要素「創造・文化産業」「ガバナンス」「文化的多様性」に着目しながら展望を提示した。文化の創造性という観点から従来の都市・地域政策を捉えなおし、各地域が独自性を活かしながら「価値を創る都市」へと向かうための具体的な戦略を提示する。詳細を見る