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RESEARCH研究テーマ

地域経済と市民社会

地域では人口が減少し、労働力不足が深刻化している。人々が誇りや安心を感じられる社会を再設計するにはどうすればよいのか。地域経済を活性化させ、豊かな生活を実現するための方策について研究する。

あれから75年―宇田川潤四郎の家庭裁判所への想い―

朝ドラ「虎に翼」で、強烈な個性が目を引く多岐川幸四郎は、家庭裁判所創設に並々ならぬ情熱を注いだ。そこまでの情熱をかけて、何を守ろうとしていたのか。多岐川のモデルとなったのは、私の祖父、宇田川潤四郎(1907~1970)である。祖父が最も大切にしていた「個人の尊厳」の視点から、家裁発足当時と今を振り返る。

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ポピュリスト態度に関する基礎的分析

ポピュリストを志向する人はどのような性質や考えを持っているのだろうか。本稿の分析から、政治的有効性感覚や政治家への信頼度は低いが、逆に政治への関心は高いことがわかった。ポピュリスト志向とは政治的疎外の単なる言い換えではない。エリートに対して不信を強め、政治への効力感を減じつつも、一般の人びとを代弁してくれる新たなリーダーの出現に望みを託している点では政治関心を失ってはいない人びとである。

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政治不信と「ズルさ」の感覚

日本の政治不信にはどのような特徴があるのか。NIRA基本調査をもとに、政治不信の内包する「ズルさ」の感覚と、政治的有効感覚や政策選好との関連を明らかにした。「ズルさ」を感じやすい人ほど、政府への信頼が低く、低負担低福祉の社会を求めていた。その一方で、一定の高負担高福祉を求める意見もあった。その背景として「ズルさ」に敏感で、かつ階層意識が低い人ほど、格差是正を求めており、政府への不信と同時に期待も抱いていることが明らかとなった。

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受益と負担をめぐる世代間の分断と政府への信頼

本稿は、政府への信頼の高まりが税など公共サービスのための負担の受けいれにつながるという関係が、高齢世代よりも現役世代において強いことを明らかにした。特に介護や年金の分野では、現役世代にとっては将来自分が負担に見合う給付を受けられるかという、「受益の不確実性」があるといえる。そのため、今すぐ負担するという意思決定をするためには、政府への信頼が重要になる。本稿の知見は、比較的若い世代における政府への信頼を高めることの重要性を示唆する。

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第2回政治・経済・社会に関する意識調査(NIRA基本調査)(速報)

NIRA総合研究開発機構は、昨年に続き第2回目の「政治・経済・社会に関する意識調査(NIRA基本調査)」を実施し、政治・経済・社会に関する人々の意識を調査した。政治家への信頼が極めて低いこと、5~10年後の世帯の家計状況や日本経済について悲観的な見通しを持っている人が多いこと、社会保障費は行政の人件費や公共事業費に比べて無駄と考えている人が少ないことなどが明らかになった。

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気候市民会議は社会を動かせるか

2023年は世界各地で異常高温が発生。国連のグテーレス事務総長は改めて危機感を露わにして、各国の地球温暖化対策の遅れを非難した。既存の政治システムが有効な策を講じられずにいる中、市民参加による新しい取り組み、気候市民会議が日本でも広がりを見せ、社会を動かすことが期待されている。気候市民会議はどのような意義があるのか。日本で実効性ある取り組みにするには、何が必要か。本テーマに詳しい研究者や環境団体、自治体の長に聞いた。

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政治不信は民主主義をどう変えるのか

日本では自由と平等では自由を選択する人が多い。自己と他者が等しく一定の社会規範を遵守することを前提にした自由であり、政府の公正さへの関心が強い。特に、社会的・経済的に不安定な立場にある人は政府への信頼が低く、直接的な強いリーダーシップを望む。このような政府への不信は、ポピュリズムの温床になり得る。人々にレファレンスポイントとなる情報を多く提供・発信し、日本の状況を相対化してゆくことが求められる。

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日本の教育格差と「平等神話」

SDGsの1つに「質の高い教育をみんなに」がある。教育によって貧困の連鎖を断ち切り、不平等を是正することができる。日本の義務教育は整備されているが、国民に等しく質の高い教育機会が与えられているだろうか。家庭環境が理由で塾などに通えない子どもや、学校生活になじめずに教育機会を逸 してしまう子どももいる。教育格差の現状とその背景は何か。学校教育はどうあるべきか。専門家に聞いた。

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少子化政策に関する合意形成は可能か

少子化政策に必要な資金について、人びとが自ら負担することを納得した上で合意に達するには、熟議が不可欠である。それでは、どうすれば熟議を経た政策決定の仕組みができるか。人びとが共通認識・当事者意識を持つように新たな視点から問題を設定する「アジェンダ設定」、IT技術を活用して他人の意見へのフィードバックを可能にするといった「熟議プラットフォーム」の再構築、そして野党の弱さをはじめとする既存の統治システムの再考が必要とされる。

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SNS時代の政策決定メカニズム

SNSの発達により、政策当局者は人々の声を直接聞けるようになった。しかし、SNS上の意見は社会の意見から乖離し、人権侵害や虚偽情報による制脳的な事態が懸念される。人々の声を的確に政策に反映させるには、データに基づききめ細かい国民像を描くとともに、政策決定プロセスを理解し、人々の問題意識を政策決定者に咀嚼可能な形で伝える「ソーシャルセクター」の存在が不可欠だ。

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