2012.07.01 社会保障制度 論文 NIRAモノグラフシリーズNo.34 社会保障制度を通じた世代間利害対立の克服 八代尚宏 島澤諭 豊田奈穂 日本の社会保障制度においては、給付と負担の均衡化の抜本的な改革が行われず、世代間格差が増大している。その事実関係と問題意識を示すため、現世代内の引退世代と現役世代、そして現世代と将来世代、の2つの世代間格差の規模を推計した。また、消費税率の引き上げが世代間格差の縮小に大きな効果を及ぼさないことがわかった。さらに、高齢者の増加が地方政治に与える影響や高齢者の投票行動等の「シルバー民主主義」の実態について数量的分析を行った。 詳細を見る
2012.01.01 社会保障制度 研究報告書 老いる都市と医療を再生する 酒向正春 武田俊彦 中川雅之 長谷川敏彦 豊田奈穂 斉藤徹史 わが国は本格的な人口減少、超高齢社会へと移行する。これまでの人口規模の拡大を前提とした都市の成長路線の発想を180度転換することを迫られるとともに、超高齢社会を支える医療供給システムへの移行も急務である。そうした現状に鑑み、本報告書では、都市の縮小と機能集積、地域包括ケアによる一体的な医療・介護供給システム構築、という2つの政策をセットで実施することで、人口減少・高齢化という難題を克服できることを提言する。 詳細を見る
2011.07.01 社会保障制度 論文 NIRAモノグラフシリーズNo.32 まちなか集積医療 伊藤由希子 豊田奈穂 超高齢社会と人口減少の時代に突入し、地方都市を中心に医師不足や経営基盤の脆弱化が深刻だ。その解決策として、医療政策とまちづくり政策を融合する「まちなか集積医療」は有効か。事例調査によると、組織統合の難しさや跡地問題などの課題がある一方、集積による医療の質の向上や病院経営の安定化、まちづくりにも役立つといった多くの利点も示唆される。医療へのアクセスを確保しつつ、連携・機能分化を進め、集積型の供給体制へ転換する意義は大きい。 詳細を見る
2010.03.01 社会保障制度 研究報告書 「まちなか集積医療」の提言 小峰隆夫 中川雅之 長谷川敏彦 山本清 伊藤由希子 辻明子 豊田奈穂 日本の医療供給体制は、急性期医療を中心とする現在のシステムから、機能分化された医療機関が連携するシステムへの転換が必要だ。課題解決のため、「医療」と「まちづくり」を融合した「まちなか集積医療」を提言する。その特徴は、地域における病院の機能分担・連携と、まち中心部への医療機関の集積にある。地域が主体となり、医療サービスの供給を効率化するとともに、地域を活性化し、医療と地域の問題を一体的に解決すべきだ。 詳細を見る
2010.03.01 社会保障制度 研究報告書 「市場か、福祉か」を問い直す チャールズ・ユウジ・ホリオカ 阿部修人 安井健悟 神田玲子 下井直毅 中込公也 青木周平 日本における生活、雇用、老後などに関する不安・リスクは、「社会」がリスクを公平に負担できていないことに起因すると考えられる。本報告書では、諸外国の政策体系をもとに日本の政策の根本的な欠陥を浮き彫りにした上で、「個人」が過重にリスクを負担する社会から、「社会」が公平にリスクを負担する社会へ移行するための制度設計、つまり、「リスクの社会化」を柱とした政策体系へのシフトを提言した。 詳細を見る
2009.12.04 社会保障制度 研究報告書 日本の医療は変えられる 伊藤元重 総合研究開発機構 医療の高度化に伴う専門分化の進展や高齢化に伴う慢性疾病の増加など、医療を取り巻く現状は大きく変動している。日本の医療をよりよくするためには、専門医の地域配分、総合診療医の育成、地域医療の再構築、医療の「見える化」による質の向上と無駄の削減、データに基づく政策立案、グローバルな医療産業の育成などを考える必要がある。経済学の視点から医療の課題を捉え直すとともに、現代医療の様々な現場から医療制度改革の必要性を提言する。 詳細を見る
2009.11.01 社会保障制度 研究報告書 高齢化は脅威か? 白川浩道 太田聰一 加藤久和 宮澤健介 神野真敏 人口減少と高齢化が日本経済の懸念材料であると強調されて久しい。高齢者の増加は、社会保障収支の悪化を通じて財政赤字を趨勢的に拡大させるだけでなく、生産性を押し下げ、経済の活力をそぐのではないか、という見方である。このうち、後者の「高齢化の進展や人口の減少が、日本経済の生産性の先行きにどのような影響を与えるのか」 という疑問に応えることが本報告書の主目的である。 詳細を見る
2008.12.29 社会保障制度財政金融政策 研究報告書 リーディングス 格差を考える 伊藤元重編 グローバリゼーション、IT化、人口高齢化等の進行等を背景とした、従来では考えられないようなスピードとレベルの構造的な変化が我々の社会に生じている。その一部は、格差として認識され、格差論争が生じるに至った。ただし、格差の議論の対象は一様でなく、所得格差、雇用格差、地域間格差、教育格差など、非常に多様でかつ重層的な関係にある。こうした諸問題への理解を深めるため、2005-2008年の間に執筆された優れた論文から学ぶ。 詳細を見る
2008.04.01 社会保障制度 研究報告書 就職氷河期世代のきわどさ 阿部正浩 荻野勝彦 佐野哲 本田由紀 藤森克彦 小川晃弘 辻明子 今日の非正規雇用者の中には、家計の主たる稼得者も増えている。また、一度、非正規雇用となった若者が正規雇用に移行することが困難になっている。非正規雇用は能力開発が難しく、雇用不安とともに、生涯、低所得のままとなる危険性もある。若年の非正規雇用の問題が今後の日本社会に大きな影響を与えることを示すとともに、この問題への対応策として、非正規雇用を組み込んだ新しい制度設計と大規模な就労支援を早期に行うことを提言する。 詳細を見る
2007.03.31 社会保障制度財政金融政策 研究報告書 年金制度と個人のオーナーシップ NIRA 社会保障制度が持続可能であるためには、財政的に破綻しないことに加え、 現在およびこれからの国民のニーズに合った制度であり、国民が制度を支える負担に納得し、支持していることが求められる。「国民一人ひとりの納得」につながる要素として、社会保障制度が自らの生活の安心・安定に深く関わっているものであるという、 社会保障制度に対する「個人のオーナーシップ」の視点から、日本の公的年金制度の現状と課題の分析を行い、その強化方策を探る。 詳細を見る