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PAPERS研究の成果

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FTAのアジア発展への貢献と我が国のFTA戦略

アジアではASEANがFTA締結のハブとなり、国際的生産・流通ネットワークが発達した。日本は、FTAsの内容にビジネス環境整備を含めるなど、FTAsを経済のダイナミズムを生み出すツールへと変革する動きの一翼を担った。現在、日本のFTA戦略は資源確保など第2段階を迎えているが、農業保護問題がボトルネックとなっている。2010年のAPEC日本開催を契機に、日本が国際通商政策の大きな枠組み作りの先頭に立つことができるよう、国内改革が急がれる。

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マフィアたちの 「東アジア共同体」?―非伝統的安全保障問題としての越境犯罪

東アジアでは越境犯罪の脅威が急速に進行し、国家の主権と市民社会の安全を脅かしつつある。アジアのマフィアたちは、地域経済の統合という波に順応しつつ、大規模なビジネス・チャンスを睨む。イデオロギーや政治体制などのしがらみにとらわれないネットワーク化は、「裏社会の東アジア共同体」を彷彿とさせる。日本は、「越境犯罪との戦い」を通じ、東アジアの安全保障に大きく貢献するだけでなく、新たな地域協力体制の構築に向けて決定的なイニシアティブを取ることが期待される。

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アジアにおけるマネー・ローンダリング問題

「マネー・ローンダリング」は安全保障上の課題として注目されている。これに対する法的規制や国際間協力は、一定の有効性はあるが、アジアにおいては手段・動態の一部が慣習などと連動して実態把握さえ困難な部分もある。一方、規制の過剰強化はグローバルな経済活動を阻害しかねない。資金の流れを適切に監視し、実効性ある政策を行うには、問題を国際的・地域的な観点から捉え、主体的な情報収集・分析が出来る体制を確立することなどが求められる。

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非伝統的安全保障問題と援助―国際公共財の視点から

冷戦終結以降、新たなグローバル・ガバナンスのあり方が模索されている。国家間の軍事対峙による伝統的脅威の他、国内暴力、貧困・感染症・環境問題、及び越境組織犯罪などの非伝統的安全保障上の問題の予防も必要だ。開発援助は、国内の問題解決のための国家能力強化に貢献することが期待されるが、国境をまたぐ脅威に対して期待される役割はどのようなものか。国際公共財援助の視点から非伝統的安全保障と人間の安全保障の考え方の関係の整理を試みる。

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「新ASEAN」の課題と日本

ASEANは、2007年の「ASEAN憲章」採択を踏まえ、「新ASEAN」として国際機関、共同体となるべく基盤整備に乗り出した。ASEAN諸国同士の紛争を平和的に解決する機構としての使命が終わり、域外大国による地域の不安定化の防止と非伝統的安全保障をめぐる協力の推進が課題となる。「新ASEAN」に対し、日本は①ポストEPAの日ASEAN関係構築、②東アジア・アジア太平洋協力に向けての日ASEAN協力の推進が必要である。

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和歌山県「企業の森」事業―企業のCSR活動等を積極的にサポート

森林は、二酸化炭素の吸収機能など地球環境問題等の解決に貢献できるものと期待が集まっている。京都議定書の発効により、日本は温室効果ガス排出量を6%削減するよう義務付けられたが、その排出量は年々上回る一方で、排出削減は、国民・政府・企業が一体となって取り組むべき課題となっている。

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地域の輝きを育てる「オンパク」モデル―オンパク型イベント手法を通じた地域資源の活用と人材育成

温泉観光地として長期低迷傾向に悩んでいた別府が独特のイベント手法を通じて地域再生の取組みを行っている。2001年に開始された「別府八湯温泉泊覧会(オンパク)」は、地域再生には不可欠な地域資源を活かした多彩なサービスの発掘から事業化、そして、その担い手となる人材の育成を可能にしたイベントである。

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日中韓FTA―その意義と課題

本書は、日中韓3国による地域的な自由貿易協定(Free Trade Agreement; FTA)についての、総合的な研究成果を取りまとめたものである。第1部は、3国FTAを含む、3国の経済統合にまつわる、横断的な分析課題を取り上げている。課題は貿易自由化に限らず、投資、技術標準や歴史的背景にも及ぶ。第2部は、3国FTAによって影響を受けると想定される重要な産業部門についての研究報告である。巻末には付属資料として、2006年と2007年の日中韓共同研究報告書・政策提言が盛り込まれている。 

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