2012.10.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.36ドメイン投票方式はいかに支持されるか青木玲子 筆者らが行った選挙制度と政策についての社会調査の結果を用い、 ドメイン投票方式の意義について分析した。結果、(1)親が未成年の子どもの数だけ投票する「ドメイン投票法」に対し、子どものない有権者でも45%が賛成している、(2)子どもの有無によって関心のある政策は異なる、(3)投票資格者は子どもに対し重要な政策を考慮して投票をする場合があるため、 政党の方針の多様化、将来世代の利害反映が期待できることが明らかになった。詳細を見る
2012.08.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.35アジア中間所得層の拡大を妨げる「成長の果実の偏在」江川暁夫アジア諸国での「中間所得層」の拡大が、アジア内外にチャンスをもたらす事が期待される一方、 所得が高い人ほど所得の伸びも高い「成長の果実の偏在」もみられ、多くのアジア諸国で所得格差が悪化している。本稿では、成長の果実が今後も高所得者側に偏在する場合、 将来の中間所得層人口の拡大のみならず、人間開発も阻害しうることを数量的に明らかにした。アジア諸国が中間所得層の拡大と所得格差の改善を通じ、経済社会の安定的発展を両立できるよう、我々も協調していく必要がある。詳細を見る
2012.07.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.34社会保障制度を通じた世代間利害対立の克服八代尚宏 島澤諭 豊田奈穂日本の社会保障制度においては、給付と負担の均衡化の抜本的な改革が行われず、世代間格差が増大している。その事実関係と問題意識を示すため、現世代内の引退世代と現役世代、そして現世代と将来世代、の2つの世代間格差の規模を推計した。また、消費税率の引き上げが世代間格差の縮小に大きな効果を及ぼさないことがわかった。さらに、高齢者の増加が地方政治に与える影響や高齢者の投票行動等の「シルバー民主主義」の実態について数量的分析を行った。詳細を見る
2011.08.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.33次世代へのコミットメントに国民的合意を青木玲子大震災や電力問題等の困難に直面したいま、これからの日本の在り方が大きく問われている。幅広く長期的な視野から社会経済を俯瞰し制度を設計し直すためには、次世代の利害を考慮する必要がある。本稿では、ポール・ドメイン氏が提唱する子どものいる有権者に子どもの分の票を与えるという方法により、選挙制度のあり方を見直すことを提案する。これにより、子どもをもつ親世代の投票数が増し、次世代へのコミットメントが期待できる。詳細を見る
2011.07.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.32まちなか集積医療伊藤由希子 豊田奈穂超高齢社会と人口減少の時代に突入し、地方都市を中心に医師不足や経営基盤の脆弱化が深刻だ。その解決策として、医療政策とまちづくり政策を融合する「まちなか集積医療」は有効か。事例調査によると、組織統合の難しさや跡地問題などの課題がある一方、集積による医療の質の向上や病院経営の安定化、まちづくりにも役立つといった多くの利点も示唆される。医療へのアクセスを確保しつつ、連携・機能分化を進め、集積型の供給体制へ転換する意義は大きい。詳細を見る
2010.06.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.31アジアの「内需」を牽引する所得層柳川範之 森直子近年、アジアに対する「世界の市場」としての期待が高まる一方、将来性に対する不安も聞かれる。アジア市場を支える中間所得層以上の人口規模は今後どうなるのか。分析の結果、過去の成長トレンドが今後も持続する想定では、2008年の中間所得層以上9.4億人から2020年には19.5億人とほぼ倍増し、中国とインドの経済成長が低成長になったケースでも、2020年には15.5億人規模となる。将来の大規模市場としてのアジアの成長力は確実だと思われる。詳細を見る
2009.11.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.30国際標準化の問題とアジアへの展望森直子グローバル経済化のなかで、国際標準化の動きは、経済の死活問題に直結する。近年の国際標準化の問題点として、以下の3点がある。第1に、「国際標準」が特定地域など偏った利益を代表することがあり、貿易阻害を助長する事態となっていることだ。第2に、消費者便益を公平に保護する難しさだ。第3に、国内標準と国際標準の整合化、及び調整過程で必要となる膨大な労力だ。本稿では、これらの問題について日本がとるべき対応について考察する。詳細を見る
2009.11.01論文NIRAモノグラフシリーズ基礎データ編No.03日本のFTAについてNIRANIRAモノグラフシリーズ基礎データ編は、研究課題の分析に当たって必要となる基礎的なデータを収集・整理して参考情報として提供する。No.03は、グローバル化が進展する中で、FTAの締結数増加の現状や課題を整理し、日本の取り組みを考える際の基礎データをとりまとめた。詳細を見る
2009.10.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.29アジア域内標準化の経済効果畑佐伸英本稿では規格や技術規制がアジア域内でハーモナイゼーションされたときの経済効果を分析している。その結果、ハーモナイゼーションにより、日中韓、ASEANのGDPは増加し、早期の標準化は、より大きなマクロ経済的なメリットを享受できることがわかった。特に日中韓3国は、対ASEANとよりも、3国間で先にハーモナイゼーションを進める方が経済的利益が大きい。アジアではいまだ各国の格差が大きく、各国の産業構造を考慮した標準化政策のあり方も検討に値する。詳細を見る
2009.07.01論文NIRAモノグラフシリーズ基礎データ編No.02地球温暖化をめぐる議論NIRANIRAモノグラフシリーズ基礎データ編は、研究課題の分析に当たって必要となる基礎的なデータを収集・整理して参考情報として提供する。No.02は、金融危機の発端となったサブプラムローンから、日本経済、アメリカ経済への影響までを整理した。詳細を見る