2008.03.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.22水産業をめぐる制度改革の課題と展望小松正之我が国の水産業は衰退に歯止めが全くかからない。明治政府が樹立され、近代法制度の下で、水産行政が施行され水産業の振興が図られて以来の未曾有の危機に直面していると考えられる。これは明治政府による海面を官有化の宣言後に、全国各地の漁民の抵抗による混乱や、第二次世界大戦による10万隻に及ぶ、日本漁船の喪失以来の大危機である。現在の危機はそれ以上に深刻であろう。詳細を見る
2008.03.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.21グローバル化と食料・農業:日本農業の国際化対応本間正義内閣府が2007年末に発表した数値によれば、2006年の日本の1人当たり名目国内総生産(GDP)は3万4,252ドルで、経済協力開発機構(OECD)30カ国中18位である。日本は米国に次ぐ世界第2位の経済大国としてかつて世界のGDPの約17.9%を占めていたが(1994年)、今日では世界のGDPの約9.1%を占めるに過ぎない。経済大国日本に陰りが見えている。詳細を見る
2008.03.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.20グローバル化と食料・農業:総合的視点の重要性鈴木宣弘我が国の農産物市場が閉鎖的だというのは間違いである。日本ほどグローバル化した食料市場はないといってもよい。我々の体のエネルギーの61%もが海外の食料に依存していることが何よりの証拠である。詳細を見る
2008.03.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.19食をめぐる産業内貿易の可能性:成長アジアを見据えて金田憲和日本政府は、「攻めの農政」の重要な柱として、農産物の輸出促進に取り組んでいる。平成17年(2005年)3月には、平成21年(2009年)までの5年間で輸出額を倍増させる(約6000億円)という目標を設定した。さらにその後、「21世紀新農政2007」において、平成25年(2013年)までに輸出額1兆円規模を目指すことを目標に定めた。詳細を見る
2008.03.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.18フードシステムと食の安全・安心中嶋康博2001年に食の信頼を揺るがしたBSE問題は、食品産業の食品安全対策、食品安全・衛生行政の枠組みと運用方法を大きく変えた。国民的懸念が政府を変革へ向けて突き動かしたことは間違いない。2001年は食の安全問題が噴出した年であり、2003年は新しい食品安全行政の元年と言われている。詳細を見る
2008.03.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.17食品産業と農業の連携をめぐるビジネスモデル斎藤修多くの食品企業は、国産原料・食材の調達については市場から産直による契約へ、さらに直営農場の設置へという展開をとげ、3つのチャネルを統御できるようになった。特に契約取引の理解が進展し、加工業務用の拡大につながったばかりでなく、市場流通であっても緩やかな契約取引が増加することになった。詳細を見る
2008.03.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.16情報技術革新とフードシステム河野恵伸情報技術、通信技術は刻々と進歩している。特に、商流ではインターネット技術、物流では自動認識技術の発展および普及は、流通の効率化、流通チャネルの多様化など、フードシステムに大きな影響を与えている。しかしながら、それらの技術を単に導入するだけでは、業務改善や効率化に結び付かない場合も多い。詳細を見る
2008.03.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.15農業の新しいかたち:プロ農業とセミプロ農業大澤信一我が国は、自由な通商貿易で国の経済活動の背骨を支えつつ、20世紀後半の半世紀にわたって高度な経済成長を実現してきた。これによって世界第2の経済大国の地位と国民の豊な生活水準を実現することができたことは周知の事実である。詳細を見る
2008.03.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.14食と農による地域振興戦略金子弘道地域が地域振興策として期待するのが「食」と「農」だ。豊富な農産物や独自の食文化など地域資源を活用した都市農村交流、地産地消といった取り組みが始まっている。それは高度成長期以来、大都市にヒトや食料を送り続けてきた地方の自信と誇りの回復であり、 中央に左右されない地域の自立を目指す活動でもある。その成否のカギを握るのは地域内の異業種とのネットワークづくりである。詳細を見る
2008.03.01論文NIRAモノグラフシリーズNo.13東アジアの経済発展と格差問題鈴木和哉 浅沼信爾1990年代に入り、東アジアでは都市部と農村部の所得格差(農工格差)が拡大している。格差是正には農業開発をさらに進める必要があるが、「緑の革命」が終焉し、取り得る政策は限定される。東アジア諸国で実施されている様々な農産物価格支持政策は、グローバリゼーションに逆行しているという課題もある。日本や韓国をモデルに形成されてきたアジア・モンスーン地帯に特徴的な労働集約的、零細・小農のビジネスモデルを、大胆に大規模農場ベースの労働粗放的な農業ビジネス・モデルに変革する政策努力が求められる。詳細を見る