2022.03.10論文NIRAワーキングペーパーNo.3政府規模と国民負担をめぐる熟慮・熟議型調査川本茉莉NIRA総研では、経済・社会に関するテーマに関する調査を実施した。本稿では、そのうちの1つである「政府規模と国民負担」に関して報告する。調査の結果、国民負担を減らすべきか増えるのはやむを得ないかと、税金など各項目に対する考え方がおおむね整合的であったのに対し、行政サービスについて簡素化すべきか手厚くすべきかは、必ずしも社会保障費など政府支出の具体的な項目ごとへの考えと結び付いていないことが分かった。詳細を見る
2022.03.09研究報告書『中央公論』2022年4月号にて引用された調査データNIRA総研『中央公論』2022年4月号の「2000人調査から見えた日本人の『自由』と『平等』観」にて引用された調査データについて、詳細を報告する。NIRA総研では、自由と平等をテーマに、一般の人々の意見を集約するための調査を実施した。本調査では、「自由と平等のどちらを選ぶか」に加え、「コロナ対策のための個人の自由の制限は許されるか」など、個人の自由と公共のあり方について、人々がどのように考えているかを調査した。詳細を見る
2022.03.03オピニオンペーパーNo.61高齢者の医療費負担増を人びとはどう受け止めているか―熟慮・熟議型調査から考える(2)翁百合2021年の法律改正で、後期高齢者医療費の自己負担割合の引き上げが決定した。これに対する人びとの意見を、熟慮や熟議を通じて観測する中で、賛成・反対両派の認識に共通点が見つかった。医療制度の持続可能性に対する懸念、医療費の無駄の削減といった効率性への認識、そして医療費の負担割合を「年齢」で区切ることへの不満である。負担分配に関する国民の合意形成のための手がかりとして、議論すべきアジェンダを示す。詳細を見る
2022.02.21研究報告書第6回テレワークに関する就業者実態調査(速報)大久保敏弘 NIRA総研オミクロン株はどのような影響を及ぼしているのか。2022年2月の調査結果からは、テレワーク率に大きな変化はないが、テレワークの頻度は感染状況に応じて変化していることがわかった。組織への影響は、従業員の感染といった直接的事態より、営業時間の規制などの間接的事態の方が相対的に大きい可能性が示唆された。感染症対策より経済対策を支持する人が上回るが、ワクチンの追加接種が速やかに進むかが経済を再活性化させるうえで課題になりそうだ。詳細を見る
2022.02.10わたしの構想No.58「長期思考」は未来を変える宇野重規 ローマン・クルツナリック 松本紹圭 西條辰義 小林慶一郎 野村進人類は、今を考える「短期思考」と、将来世代を視野に入れる「長期思考」をうまく使って繁栄してきた。しかし、現代世界を覆うのは極端な短期思考といわざるを得ない。累積する財政赤字の将来世代への影響や、日々排出する温室効果ガスが地球に与える破壊的な影響について、想像すらつかなくなっている。長期思考で、社会はどう変わるのか。長期思考にシフトするには、何が必要なのか。長期思考の重要性を唱える識者に聞いた。詳細を見る
2022.01.24研究報告書デジタル化時代の地域力宇野重規 小田理恵子 吉村有司 庄司昌彦 若林恵デジタル化を通じて、いかに地域の住民に自らの地域を自らの手でつくり出す力を付与することができるか。この課題を考えるために、4名の方にインタビューを行った。バルセロナのDecidimという取り組みや、DXの本質が「ユーザー中心」にあるという指摘は、日本社会におけるデジタル化推進のヒントとなる。デジタル民主主義には様々な課題もあるが、デジタル化による負の側面を乗り越えつつ、新たな民主主義の可能性と地域力の発展にDXを活用すべきである。詳細を見る
2022.01.17論文NIRAワーキングペーパーNo.2後期高齢者医療をめぐる熟慮・熟議型調査川本茉莉日本が直面する課題について解決策を探るためには、政策に関心を持つ人々の意見を集約し、それを踏まえた政策ビジョンを構築することが必要だ。今回の調査では、後期高齢者を対象とした医療費の窓口負担割合の引き上げに対する賛否に注目した。賛成・反対派ともに、個人の負担能力に応じた負担をする「応能負担」が多く支持されていることが判明した。また、専門家の論考を読み、熟議や熟慮によって人々の考えがどのように変化するかを検証した。詳細を見る
2022.01.17オピニオンペーパーNo.60人びとが受け入れ可能な政策ビジョンとは―熟慮・熟議型調査から考える(1)谷口将紀人々に受け入れられる政策ビジョンをデッサンするためにはどうすればよいのか。4つのテーマを選び、熟考と熟議を経た「世論」の観測を試みた。そこから得られた教訓は、人々は、問題の所在を理解しており、受け入れがたい政策を求めるときには、人々が受け入れやすい応能負担の議論や、無駄をなくす努力を並行することが有効だということ。そして、抽象論より具体的なイメージを見せることである。詳細を見る
2022.01.14研究報告書人口減少社会に挑む市町村長の実像と求められるリーダーシップ (第2部)―全国市町村長アンケート調査結果を中心に大久保敏弘 辻琢也 中川雅之 超高齢化や人口減少など、様々な要因がまちづくりのあり方に政策転換を迫る中、地域の改革を成功させるキーマンは市町村長だ。第2部では、政策転換に成功して先駆的な成果を上げた市町村長のアンケート結果、インタビューをまとめた。平均的な市町村長と比べると、先駆的な市町村長はリスクを厭わないタイプが多い。この差は、リーダーシップ発揮のスタイルに表れており、自身の考えを言葉で伝えて相手を説得する、鼓舞的な要素が強いことが分かった。詳細を見る
2022.01.14研究報告書人口減少社会に挑む市町村長の実像と求められるリーダーシップ (第1部)―全国市町村長アンケート調査結果を中心に大久保敏弘 辻琢也 中川雅之 超高齢化や人口減少など、様々な要因がまちづくりのあり方に政策転換を迫る中、地域の改革を成功させるキーマンは市町村長だ。第1部では、全国の市町村長に行ったアンケートを基に、平均的な市町村長像を描き出した。大半の市町村長が「子育て支援策の充実」を重視しており、人口減少に抗する政策には自身の政治判断を強調する傾向にある。また、一般人よりもリスクを厭わないパーソナリティであることが判明したが、現場では必ずしも生かされていない。詳細を見る