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RESEARCH研究テーマ

デモクラシー

現代の政治は、人口減少や所得格差、社会の分断などの課題解決と、グローバル化やIT化への対応が求められている。グローバルな視点で民主政治、政党、市民社会を取り巻く動向を分析し、今後の日本政治のあり方を研究する。

ポピュリズムを招く新しい「政治的疎外」の時代

欧米諸国では、グローバル化や技術革新により仕事を失い、社会から取り残されてしまった人々が、政治への不信感を強め、社会を変えてくれそうなカリスマ的リーダーを待望したことで、ポピュリズムが生まれている。日本は今のところポピュリズムとは無縁のように見える。しかし少子高齢化や巨額の公的債務残高などを抱える課題先進国であり、与党も野党も有効な政策を打ち出せていないことを考えれば、いつポピュリズムに火がついてもおかしくはない。

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若者の政治参加を促す

2016年7月の参議院選挙より、選挙権年齢が引き下げられ、18歳からの投票が実施された。将来を担う若い世代が有権者に加わることで、若年層の政治参加が促され、世代間格差が是正されることが期待されたが、参議院選挙での若者の投票率は低く留まった。若者の政治に対する無関心は、先進国共通の課題だ。若者の政治参加を促すための取り組みについて、識者に問う。

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課題「解決」型デモクラシーのガバナンス

先進各国は少子高齢化・財政赤字・福祉国家改革などの課題に直面しつつも、課題を解決するための方法を提示し、実現を試みてきた。政労使3者協議などのコーポラティズム的解決方法は、社会の多様な知恵を活かし、対決ではなく合意によって隘路を突破しようというものであり、政策イノベーションの発火点として機能する可能性を秘めている。コーポラティズムの手法を活かすことで、現代的課題に対応できる新たなガバナンスが可能となるのではないだろうか。

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ドメイン投票方式はいかに支持されるか

筆者らが行った選挙制度と政策についての社会調査の結果を用い、 ドメイン投票方式の意義について分析した。結果、(1)親が未成年の子どもの数だけ投票する「ドメイン投票法」に対し、子どものない有権者でも45%が賛成している、(2)子どもの有無によって関心のある政策は異なる、(3)投票資格者は子どもに対し重要な政策を考慮して投票をする場合があるため、 政党の方針の多様化、将来世代の利害反映が期待できることが明らかになった。

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社会保障制度を通じた世代間利害対立の克服

日本の社会保障制度においては、給付と負担の均衡化の抜本的な改革が行われず、世代間格差が増大している。その事実関係と問題意識を示すため、現世代内の引退世代と現役世代、そして現世代と将来世代、の2つの世代間格差の規模を推計した。また、消費税率の引き上げが世代間格差の縮小に大きな効果を及ぼさないことがわかった。さらに、高齢者の増加が地方政治に与える影響や高齢者の投票行動等の「シルバー民主主義」の実態について数量的分析を行った。

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次世代へのコミットメントに国民的合意を

大震災や電力問題等の困難に直面したいま、これからの日本の在り方が大きく問われている。幅広く長期的な視野から社会経済を俯瞰し制度を設計し直すためには、次世代の利害を考慮する必要がある。本稿では、ポール・ドメイン氏が提唱する子どものいる有権者に子どもの分の票を与えるという方法により、選挙制度のあり方を見直すことを提案する。これにより、子どもをもつ親世代の投票数が増し、次世代へのコミットメントが期待できる。

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