2024.06.18 中核層政治制度 政策研究ノート vol.5 あれから75年―宇田川潤四郎の家庭裁判所への想い― 宇田川淑恵 朝ドラ「虎に翼」で、強烈な個性が目を引く多岐川幸四郎は、家庭裁判所創設に並々ならぬ情熱を注いだ。そこまでの情熱をかけて、何を守ろうとしていたのか。多岐川のモデルとなったのは、私の祖父、宇田川潤四郎(1907~1970)である。祖父が最も大切にしていた「個人の尊厳」の視点から、家裁発足当時と今を振り返る。 詳細を見る
2024.04.26 中核層 研究報告書 第2回政治・経済・社会に関する意識調査(NIRA基本調査)(速報) NIRA総研 NIRA総合研究開発機構は、昨年に続き第2回目の「政治・経済・社会に関する意識調査(NIRA基本調査)」を実施し、政治・経済・社会に関する人々の意識を調査した。政治家への信頼が極めて低いこと、5~10年後の世帯の家計状況や日本経済について悲観的な見通しを持っている人が多いこと、社会保障費は行政の人件費や公共事業費に比べて無駄と考えている人が少ないことなどが明らかになった。 詳細を見る
2024.02.09 中核層 わたしの構想 No.70 気候市民会議は社会を動かせるか 宇野重規 三上直之 江守正多 岩崎茜 平田仁子 五十嵐立青 2023年は世界各地で異常高温が発生。国連のグテーレス事務総長は改めて危機感を露わにして、各国の地球温暖化対策の遅れを非難した。既存の政治システムが有効な策を講じられずにいる中、市民参加による新しい取り組み、気候市民会議が日本でも広がりを見せ、社会を動かすことが期待されている。気候市民会議はどのような意義があるのか。日本で実効性ある取り組みにするには、何が必要か。本テーマに詳しい研究者や環境団体、自治体の長に聞いた。 詳細を見る
2023.06.12 中核層政治制度 NIRAオピニオン No.67 なぜ、人々の声は政府に届かないのか NIRA総研 2023年2月、NIRAフォーラム2023を開催した。社会全体のパイが増えない中、今の政治には痛みを分かち合う厳しい決定が求められる。人々と政治が社会に対して責任ある方策を共に見出すための政策共創の場が重要だ。「熟議民主主義」を根付かせ議論のプロセスを見直す一方、政治は政党間で競争し、意思決定の透明性と説明責任を高める。この2つの仕組みづくりに同時に取り組むことこそが、民主主義のサステイナビリティーを保つための道だ。 詳細を見る
2023.04.28 中核層 研究報告書 第1回政治・経済・社会に関する意識調査(NIRA基本調査)(速報) NIRA総研 政治・経済・社会に関する人々の意識を定点観測し、何を望み、何を必要としているかを理解することは、人々に受け入れられる経済社会のビジョンを描く上で重要である。第1回NIRA基本結果では、日本の経済状況の見通しを悲観視する人が80%を超え、公共サービスに満足している人は半数を下回った。しかし、政治に関心がある人は半数を下回るなど、将来への不安や不満が政治的な関心や行動につながっていないことが明らかとなった。 詳細を見る
2022.05.31 中核層 NIRAオピニオン No.62 日本人にとっての自由と平等とはなにか 宇野重規 日本人は自由と平等のいずれを重視しているのか。調査の結果では、平等よりも自由を選ぶ回答者の方が圧倒的に多い一方で、新型コロナウイルスの対策のための個人の自由の制限については、むしろ肯定的な人が多数を占めていた。日本人にとっての自由とは、個人の自由をラディカルに主張するリバタリアン的な自由というよりは、自由の規制をも許容する、むしろ秩序や社会的コンセンサスに親和的な自由が想定されている可能性が高い。 詳細を見る
2022.04.26 中核層 論文 NIRAワーキングペーパーNo.4 財政赤字と国債発行をめぐる熟慮・熟議型調査 川本茉莉 経済・社会に関するテーマについての調査のうち、本稿では「財政赤字と国債発行」に関して報告する。調査の結果、政府債務に対し危機意識を持っている人は少なくないが、それは反対の立場の意見を読むことにより揺らぎやすいものであることが分かった。また、財政赤字を心配していない人と危機的と感じている人では、専門家の論考のうち参考とする論点が異なっていた。さらに自由記述回答から、専門家の論考が人々の考えに影響を与えていることが分かった。 詳細を見る
2022.03.10 中核層 論文 NIRAワーキングペーパーNo.3 政府規模と国民負担をめぐる熟慮・熟議型調査 川本茉莉 NIRA総研では、経済・社会に関するテーマに関する調査を実施した。本稿では、そのうちの1つである「政府規模と国民負担」に関して報告する。調査の結果、国民負担を減らすべきか増えるのはやむを得ないかと、税金など各項目に対する考え方がおおむね整合的であったのに対し、行政サービスについて簡素化すべきか手厚くすべきかは、必ずしも社会保障費など政府支出の具体的な項目ごとへの考えと結び付いていないことが分かった。 詳細を見る
2022.03.09 中核層 研究報告書 『中央公論』2022年4月号にて引用された調査データ NIRA総研 『中央公論』2022年4月号の「2000人調査から見えた日本人の『自由』と『平等』観」にて引用された調査データについて、詳細を報告する。NIRA総研では、自由と平等をテーマに、一般の人々の意見を集約するための調査を実施した。本調査では、「自由と平等のどちらを選ぶか」に加え、「コロナ対策のための個人の自由の制限は許されるか」など、個人の自由と公共のあり方について、人々がどのように考えているかを調査した。 詳細を見る
2022.03.03 中核層 NIRAオピニオン No.61 高齢者の医療費負担増を人びとはどう受け止めているか 翁百合 2021年の法律改正で、後期高齢者医療費の自己負担割合の引き上げが決定した。これに対する人びとの意見を、熟慮や熟議を通じて観測する中で、賛成・反対両派の認識に共通点が見つかった。医療制度の持続可能性に対する懸念、医療費の無駄の削減といった効率性への認識、そして医療費の負担割合を「年齢」で区切ることへの不満である。負担分配に関する国民の合意形成のための手がかりとして、議論すべきアジェンダを示す。 詳細を見る