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PAPERS研究の成果

POLICY RESEARCH NOTE NIRA政策研究ノート

現在の政策課題について理解を深め、議論を行う上で有用な最新の研究成果を、専門分野の研究者が発信します。

ISSN 2758-2213

あれから75年―宇田川潤四郎の家庭裁判所への想い―

朝ドラ「虎に翼」で、強烈な個性が目を引く多岐川幸四郎は、家庭裁判所創設に並々ならぬ情熱を注いだ。そこまでの情熱をかけて、何を守ろうとしていたのか。多岐川のモデルとなったのは、私の祖父、宇田川潤四郎(1907~1970)である。祖父が最も大切にしていた「個人の尊厳」の視点から、家裁発足当時と今を振り返る。

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コロナ禍におけるテレワークと人流の変化

コロナ対策の一環で普及したテレワークは、感染対策の面でどのような変化をもたらしたのか。「就業者実態調査」と人流のデータを利用して、第1回緊急事態宣言時における東京圏でのテレワーク利用率と人流の変化を分析した結果、テレワーク利用が進んだオフィスエリアで平日昼間の顕著な人流の減少を確認した。人流抑制策による感染抑制の効果や経済社会への影響について、さらなる検証が期待される。

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インターネット調査における省力回答者に関する一考察

インターネット調査の問題点の1つに、調査回答の労力を最小限化しようとよく考えずに回答する「サティスファイサー」(省力回答者)の存在が指摘されている。本稿ではこのサティスファイサーについて、インターネット調査データの分析を通じて考察した。サティスファイサーは調査会社によるモニターの管理がなされてもなお、ある程度存在し、分析結果を歪める恐れがある。調査ではサティスファイサーを検出する質問を投入し、慎重にデータを検討することが重要だ。

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「フリーワーカー」時代における社会保障制度の課題

フリーワーカーと雇用される労働者との間にある社会保障制度上の処遇差について検討した。注目されるのはフリーワーカーに非就労時の所得保障が整備されていない点だ。ただし、雇用されていても短時間労働者は被用者保険制度から漏れてフリーワーカーと同等の扱いであり、まずは雇用される労働者間での処遇差の是非を検討する必要がある。また、フリーワーカーは就労実態や所得の補足が難しく、所得保障給付を提供する上で課題として残る。

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フリーワーカーに対する環境整備が必要

多様化するフリーワーカーの中には、クラウドワーカーのように実質的には雇用された労働者と同じ働き方でありながら、労働法で保護されない人がいる。経済理論からは、雇用の短期化がフリーワーカーをより深刻な状況に陥れる可能性も示された。しかし、フリーワーカーに雇用労働者と同じ制度を適用すると、自由な裁量を利用して過剰に保護を受けるモラルハザードの懸念が生じる。フリーワーカーの団体交渉も視野に入れたルール作りを考える必要がある。

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