伊藤元重
総合研究開発機構理事長

川島真
東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻准教授

柯隆
富士通総研主席研究員

小手川大助
前国際通貨基金日本政府代表理事

金森俊樹
大和総研常務理事

 政策レビューNo.51  2011.03

中国の時代となるか

概要

 2010年、中国は日本のGDPを抜き、世界第2位の経済大国となった。中国経済の規模が拡大するにつれ、中国の動きをどう考えるかが、世界経済の中で重要なアジェンダとなってきている。人民元の国際通貨としての活用も始まってはいるが、中国政府は人民元の急速な切り上げには慎重な姿勢だ。世界での存在感を増す中国とどう向き合い、高成長を遂げる中国経済の実情をどう捉えるべきか。その課題と展望を議論する。

■問題提起
 中国の時代となるか
 伊藤元重 総合研究開発機構理事長

■視点・論点
 1.「大国」中国といかに向き合うか
 川島真 東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻准教授

 2.「富国貧民」で誇示されるチャイニーズパワー
 柯隆 富士通総研主席研究員

 3.性急な人民元自由化は日本にとってマイナスに
 小手川大助 前国際通貨基金日本政府代表理事

 4.人民元改革が中国経済の鍵を握る
 金森俊樹 大和総研常務理事

伊藤元重(いとう もとしげ)
NIRA理事長。東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。最新編著は『東アジアの地域連携を強化する』(2010年9月)総合研究開発機構。

川島真(かわしま しん)
1997年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。北海道大学法学部助教授を経て、2006年より現職。『中国近代外交の形成』(2004年)、名古屋大学出版会で、サントリー学芸賞受賞。最新著書は『近代国家への模索 1894-1925』(2010年)、岩波書店。

柯隆(か りゅう)
南京金陵科技大学日本語学科、愛知大学法経学部卒。名古屋大学大学院経済学修士。専門は開発金融、中国経済論。長銀総合研究所国際調査部研究員、富士通総研経済研究所主任研究員、同上席主任研究員を経て、2007年より現職。財務省外国為替審議会委員、財務政策総合研究所中国研究会委員等を兼務。著書に『チャイナクライシスへの警鐘』(2010年)、日本実業出版社、『華人経済師のみた中国の実力』(共著)、(2009年)、日本経済新聞出版社ほか。

小手川大助(こてがわ だいすけ)
1975年東京大学法学部卒業。1979年スタンフォード大学MBA。1997年に大蔵省証券局の課長として三洋証券、山一證券の整理を担当。1998年には金融監督庁の課長として長期信用銀行、日本債券信用銀行の公的管理を担当。2003年には産業再生機構の設立に携わる。2007年7月から2010年8月まで国際通貨基金日本代表理事。

金森俊樹(かなもり としき)
一橋大学経済学部卒、香港中文大学普通話ディプロマ課程修了。財務省、ADB、香港理工大学等を経て現職。

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