伊藤元重
総合研究開発機構理事長

ポール・シェアード
野村証券グローバル・チーフ・エコノミスト兼経済調査部部長

伊藤隆敏
東京大学大学院経済学研究科教授

白川浩道
クレディ・スイス証券経済調査部長兼チーフエコノミスト

河野龍太郎
BNPパリバ証券会社チーフエコノミスト

加藤裕己
総合研究開発機構編集主幹

 政策レビューNo.50  2011.01

2011年の経済を読む

概要

 2010年、世界経済の成長率はV字回復を遂げた。各国が協調して行ってきた金融緩和や財政刺激が奏功し、まずは金融危機からの脱却に成功したと言えるが、世界経済は安定的な軌道を回復しえたのだろうか。金融危機の後遺症が与える影響や、各国が抱える課題は何か。また、この10年デフレに直面してきた日本が、今行うべき経済政策は何か。2011年の世界経済を展望し、各国の課題を整理する。

■問題提起
 2011年の経済を読む
 伊藤元重 総合研究開発機構理事長

■視点・論点
 1.金融危機の影が差す世界経済の回復
 ポール・シェアード 野村証券グローバル・チーフ・エコノミスト兼経済調査部部長

 2.問われる先進国の政策対応
 伊藤隆敏 東京大学大学院経済学研究科教授

 3.構造改革は労働市場の流動化に軸足を置け
 白川浩道 クレディ・スイス証券経済調査部長兼チーフエコノミスト

 4.目標とすべきは一人当たり成長率―繰り返される過ち―
 河野龍太郎 BNPパリバ証券会社チーフエコノミスト

■論点の背景
 2011年経済見通し
 加藤裕己 総合研究開発機構編集主幹

伊藤元重(いとう もとしげ)
NIRA理事長。東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。最新編著は『東アジアの地域連携を強化する』(2010年9月)総合研究開発機構。

ポール・シェアード(Paul Sheard)
オーストラリア国立大学Ph.D.(日本経済)、経済修士。リーマン・ブラザーズ・アジア・チーフ・エコノミスト、同グローバル・チーフ・エコノミスト兼経済調査部部長を経て、2008年より現職。現在、米国在住。日本には通算17年間在住、橋本内閣・小渕内閣では経済審議会小委員会委員を務めた。日本語による著書に、『メインバンク資本主義の危機』(1997年)、東洋経済新報社ほか。

伊藤隆敏(いとう たかとし)
一橋大学経済学部卒業。ハーバード大学大学院経済学博士課程卒業(Ph.D.)。ミネソタ大学経済学部助教授、同准教授、一橋大学経済研究所助教授、同教授、東京大学先端科学技術研究センター教授を経て、2004年より現職。近著に、『日本経済の活性化―市場の役割・政府の役割』共編著(2009年)、日本経済新聞出版社ほか。

白川浩道(しらかわ ひろみち)
1983年に日本銀行入行。1991~1994年にOECD(経済協力開発機構、パリ)経済総局に出向。1999年に日銀を退職。2006年3月までUBS証券チーフエコノミスト、2006年4月から現職。

河野龍太郎(こうの りゅうたろう)
1987年、住友銀行入行。大和投資顧問、第一生命経済研究所を経て2000年から現職。国家戦略室・財政運営に関する検討会、行政刷新会議・事業仕分けに参加。日経ヴェリタス「債券エコノミスト人気調査」3年連続首位。

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