伊藤元重総合研究開発機構理事長 太田肇同志社大学政策学部教授 金井壽宏神戸大学大学院経営学研究科教授 諏訪康雄法政大学大学院政策創造研究科教授 仁田道夫東京大学社会科学研究所教授 政策レビューNo.49 2010.12「個」の自律を考える概要 産業構造が急速に変化し、グローバル競争も激しさを増すようになり、終身雇用や年功賃金などに代表される日本的雇用慣行は今の時代に合わなくなっていると多くの人が感じている。少子高齢化で家庭を巡る環境も変化する中、ワーク・ライフ・バランスも欠かせなくなった。いま、私たちに必要なのは、「個の自律」、すなわち、「個人が自ら力を発揮し、また他人にも貢献しながら、粘り強く働くこと」ではないか。多様な分野の専門家が「個の自律」を議論する。 全文を読む ■問題提起 「個」の自律を考える 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.「個人の自律」とマネジメント 太田肇 同志社大学政策学部教授 2.ひとの自律とキャリア 金井壽宏 神戸大学大学院経営学研究科教授 3.自律して働く個―法はどうとらえるか― 諏訪康雄 法政大学大学院政策創造研究科教授 4.個人の自律性・主体性と労働組合 仁田道夫 東京大学社会科学研究所教授 伊藤元重(いとう もとしげ) NIRA理事長。東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。最新編著は『東アジアの地域連携を強化する』(2010年9月)総合研究開発機構。 太田肇(おおた はじめ) 神戸大学大学院経営学研究科修了。京都大学経済学博士。滋賀大学教授などを経て2004年から現職。専門は組織論、人的資源管理論。最近の著書に『「不良」社員が会社を伸ばす』(2010年9月)、東洋経済新報社、『「見せかけの勤勉」の正体』(2010年5月)、PHP研究所など。 金井壽宏(かない としひろ) 京都大学教育学部卒業。MIT(マサチューセッツ工科大学)でPh.D.(マネジメント)、神戸大学で博士号(経営学)を取得。1999年より、現職。また現在、神戸大学大学院経営学研究科長。著書には、『「人勢塾」ポジティブ心理学が人と組織を鍛える』(2010年)、小学館、『リーダーシップ入門』(2005年)、日本経済新聞出版社、『働くひとのためのキャリア・デザイン』(2002年)、PHP研究所、『働くみんなのモティベーション論』(2006年)、NTT出版ほか。 諏訪康雄(すわ やすお) 1977年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得(満期退学)。専門は労働法・雇用政策。法政大学社会学部教授、ニュー・サウス・ウェールズ大学客員研究員、ボローニャ大学客員教授、トレント大学客員教授などを経て、2008年より現職。主要著作に、『雇用と法』(1999年)、放送大学教育振興会、『労使コミュニケーションと法』(2000年)、日本労使関係研究協会・日本労働研究機構ほか。 仁田道夫(にった みちお) 1978年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。武蔵大学助教授等をへて1993年より現職。中労委公益委員。著書に『変化のなかの雇用システム』(2003年)、東京大学出版会、『日本的雇用システム』(2008年)、共編著、ナカニシヤ出版ほか。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp