伊藤元重
総合研究開発機構理事長

河合正弘
アジア開発銀行研究所所長

関志雄
株式会社野村資本市場研究所シニアフェロー

白川浩道
クレディ・スイス証券株式会社経済調査部長

中島厚志
みずほ総合研究所株式会社専務執行役員チーフエコノミスト

加藤裕己
総合研究開発機構編集主幹

 政策レビューNo.45  2010.01

2010年の経済を読む

概要

 世界的な金融・経済危機は、各国政府・中央銀行による積極的な政策の効果で、当初の想定より早く最悪期を脱したとされる。今後の世界経済では、中国やインドなどの新興国が回復し、高い成長を続けることに大きな期待がもたれているが、新興国は世界経済のけん引役となることができるか。他方、低成長と深刻なデフレに悩む日本は、リスクを克服できるのか。2010年の世界経済・日本経済の展望と課題を議論する。

■問題提起
 2010年の経済を読む
 伊藤元重 総合研究開発機構理事長

■視点・論点
 1.新興アジア経済は世界経済の牽引役か
 河合正弘 アジア開発銀行研究所所長

 2.グローバル大国となった中国―「チャイナ・アズ・ナンバーワン」に向けて―
 関志雄 株式会社野村資本市場研究所シニアフェロー

 3.日本経済の展望:"二番底"リスクは小さいが、低成長打開の糸口見えず
 白川浩道 クレディ・スイス証券株式会社経済調査部長

 4.日本経済のリスク要因と持続性
 中島厚志 みずほ総合研究所株式会社専務執行役員チーフエコノミスト

■論点の背景
 2010年経済見通し
 加藤裕己 総合研究開発機構編集主幹

伊藤元重(いとう もとしげ)
NIRA理事長。東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。最新編著『日本の医療は変えられる』NIRA編、(2009年12月)東洋経済新報社。

河合正弘(かわい まさひろ)
東京大学経済学部卒業。スタンフォード大学経済学博士。ジョンズ・ホプキンス大学准教授、東京大学教授、世界銀行東アジア担当チーフエコノミスト、財務省副財務官等を経て、2007年より現職。専門は国際金融。主な著書に『国際金融と開放マクロ経済学−変動為替レート制のミクロ・マクロ分析』(1986年)東洋経済新報社、『国際金融論』(1994年)東京大学出版会、『アジアの金融・資本市場−自由化と相互依存』(共編著)(1996年)日本経済新聞社、The New World Fiscal Order:Implications for Industrialized Nations(Co-edited)Urban Institute(1996)、Exchange Rate Regimes in East Asia(Co-edited)Routledge Curzon(2004)、Policy Coherence towards East Asia:Development Challenges for OECD Countries(Co-edited)OECD(2005)〔邦訳『開発のための政策一貫性:東アジアの経済発展と先進諸国の役割』(2006年)明石書店〕。

関志雄(かん しゆう)
1957年香港生まれ。香港中文大学卒、86年東京大学大学院博士課程修了、経済学博士。香港上海銀行、野村総合研究所、経済産業研究所を経て、2004年4月より現職。著書に『中国経済革命最終章』(2005年)、日本経済新聞社、『中国経済のジレンマ』(2005年)、筑摩書房、『中国を動かす経済学者たち』(2007年)、東洋経済新報社、『チャイナ・アズ・ナンバーワン』(2009年)、東洋経済新報社など多数。

白川浩道(しらかわ ひろみち)
1983年、日本銀行入行。金融研究所エコノミスト、米国留学を経て、経済協力開発機構エコノミスト(91−94年)。その後、日銀に戻り、国際局、金融市場局で調査役を歴任、99年に退職し、UBS証券チーフエコノミスト。2006年4月から現職。著書『マネーサプライと経済活動』(1996年)、(共著)、東洋経済新報社など。

中島厚志(なかじま あつし)
1975年東京大学法学部卒。同年日本興業銀行(現みずほ銀行)入行、パリ支店長、調査部長、みずほコーポレート銀行執行役員調査部長などを経て、2004年4月より現職。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」レギュラーコメンテーター。

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