伊藤元重総合研究開発機構理事長 岩間芳仁日本経済団体連合会環境本部長 一方井誠治京都大学経済研究所先端政策分析研究センター教授 肱岡靖明(独)国立環境研究所社会環境システム研究領域主任研究員 青木周平総合研究開発機構ジュニアリサーチフェロー 政策レビューNo.43 2009.09温暖化対応への積極策とは概要 鳩山首相が、就任6日後、9月22日の国連気候変動首脳級会合で「1990年比で言えば 2020年までに25%削減を目指す」とスピーチしたニュースが飛び込んできた。京都議定書の先進国への要求が「1990年比で、2008年から2012年の間に約5%削減」であり、現在、ポスト京都議定書の各国削減目標に関する議論が行われている状況を踏まえると、非常に野心的な削減目標が表明されたと言える。本号は、地球温暖化対応への積極策はどうあるべきか、議論している。 全文を読む ■問題提起 温暖化対応への積極策とは 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.わが国の中期目標について 岩間芳仁 日本経済団体連合会環境本部長 2.中期目標と環境・経済生き残りの「キャップ」 一方井誠治 京都大学経済研究所先端政策分析研究センター教授 ■論点の背景 温室効果ガス削減目標と温暖化影響 肱岡靖明 (独)国立環境研究所社会環境システム研究領域主任研究員 ■政策研究の最前線 日本のサービス消費は「過少」か? 青木周平 総合研究開発機構ジュニアリサーチフェロー 伊藤元重(いとう もとしげ) NIRA理事長。東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、2007年から同大学院経済学研究科長(経済学部長)。最新著『危機を超えて―すべてがわかる「世界の大不況」講義』(2009年)、講談社。 岩間芳仁(いわま よしひと) 東京大学経済学部卒業、経団連産業本部情報・新産業グループ長、米国MIT国際研究センター客員研究員、経団連経済本部経済法制グループ長、産業第三本部長等を経て、2009年4月より現職。 一方井誠治(いっかたい せいじ) 1974年東京大学経済学部卒業。環境庁(現環境省)に入り地球環境部企画課長、大臣官房政策評価広報課長、財務省神戸税関長等をへて現職。近著に『低炭素化時代の日本の選択』(2008年)、岩波書店がある。京都大学博士(経済学)。 肱岡靖明(ひじおか やすあき) 東京大学大学院工学系研究科博士課程(都市工学専攻)修了。博士(工学)。専攻は都市工学、環境システム工学。2001年(独)国立環境研究所入所。環境省地球環境研究総合推進費「脱温暖化2050プロジェクト」や「温暖化影響総合予測プロジェクト」に参画。著書に"Asia-Pacific Integrated Modeling:Climate Policy Assessment"(2002年)、Springer Japan、"Human-induced Climate Change:An Interdisciplinary Assessment"(2007年)、Cambridge University Press、『日本低炭素社会のシナリオ』(2008年)、日刊工業新聞社などがある(すべて共著)。 青木周平(あおき しゅうへい) 2006年東京大学大学院経済学研究科単位取得退学。博士(経済学)。2009年4月より現職。専攻はマクロ経済学、経済成長論。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp