伊藤元重総合研究開発機構理事長 関志雄(株)野村資本市場研究所シニアフェロー 呉軍華(株)日本総合研究所理事 柯隆富士通総研経済研究所主席研究員 平井照水総合研究開発機構リサーチフェロー 政策レビューNo.41 2009.07構造転換を図る中国経済概要 中国経済は、2001年のWTO加盟を機に飛躍的な高成長を続け、目を見張るものがある。世界金融危機では4兆元の景気刺激策を打ち出し、世界経済における存在感を高めた。他方で、いまや中国の経済構造は転換を迫られているという指摘がきかれる。中国経済は今後も持続的に成長できるのか。中国経済に求められる構造転換とはどのようなものか。今後の行方を議論する。 全文を読む ■問題提起 構造転換を図る中国経済 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.先進国に先駆けて回復に向かう中国―高まる世界経済における存在感― 関志雄 (株)野村資本市場研究所シニアフェロー 2.中国の持続成長を制約する官有経済 呉軍華 (株)日本総合研究所理事 ■論点の背景 転換期の中国経済―改革の方向性と課題― 柯隆 富士通総研経済研究所主席研究員 ■政策研究の最前線 オバマ大統領の核廃絶と日本 平井照水 総合研究開発機構リサーチフェロー 伊藤元重(いとう もとしげ) NIRA理事長。東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、2007年から同大学院経済学研究科長(経済学部長)。最新著『危機を超えて―すべてがわかる「世界の大不況」講義』(2009年)、講談社。 関志雄(かん しゆう) 1957年香港生まれ。香港中文大学卒、86年東京大学大学院博士課程修了、経済学博士。香港上海銀行、野村総合研究所、経済産業研究所を経て、2004年4月より現職。著書に『中国経済革命最終章』(2005年)日本経済新聞社、『中国経済のジレンマ』(2005年)筑摩書房、『中国を動かす経済学者たち』(2007年)東洋経済新報社など多数。 呉軍華(ウ ジュンファ) (株)日本総合研究所理事、日綜(上海)投資諮詢有限公司董事長。中国復旦大学外国語学文学部卒。東京大学大学院博士課程修了。専攻は中国経済、日米中関係。1990年(株)日本総合研究所入社、95年香港駐在首席研究員、香港大学名誉研究員、その後ハーバード大学客員研究員、米AEIリサーチフェロー、ジョージワシントン大学客員研究員などを経て現職。最新著書『中国:静かなる革命〜官製資本主義の終焉と民主化へのグランドビジョン』(2008年、第25回大平正芳記念賞特別賞)、日本経済新聞出版社。 柯隆(か りゅう) 南京金陵科技大学日本語学科、愛知大学法経学部卒。名古屋大学大学院経済学修士。専門は開発金融、中国経済論。長銀総合研究所国際調査部研究員、富士通総研経済研究所主任研究員、同上席主任研究員を経て、2007年より現職。財務省外国為替審議会委員、財務政策総合研究所中国研究会委員等を兼務。著書に『華人経済師のみた中国の実力』(共著)(2009年)日本経済新聞出版社、『中国の不良債権問題』(2007年)日本経済新聞出版社ほか。 平井照水(ひらい てるみ) 津田塾大学卒業。スウェーデン・ウプサラ大学平和紛争学部ディプロマ取得。関心領域は、予防外交、人間の安全保障、国際関係等。主要著書(共著)として、『人間の安全保障の射程―アフリカにおける課題』(2006年)アジア経済研究所、『アフガニスタン―再建と復興への挑戦』(2004年)日本経済評論社など。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp