伊藤元重総合研究開発機構理事長 高橋裕国連大学上席学術顧問 竹村公太郎NPO法人日本水フォーラム事務局長 柴田明夫丸紅経済研究所所長 和仁屋浩次総合研究開発機構リサーチフェロー 政策レビューNo.36 2009.03水はビジネスチャンス概要 地球規模で水問題がし烈さを増している。日本は国際河川を持たないこともあり、水資源に対する問題意識に疎かった面がある。しかし、21世紀に入り、世界の人口増加や新興国の成長などを背景に水不足が深刻さを増しており、日本も無関係ではいられないという。また、気候変動がもたらす災害の問題も重大であろう。現在、水問題の最前線では何が起きているのか、日本にどのような影響とチャンスがあるのか、議論する。 全文を読む ■問題提起 水はビジネスチャンス 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.地球の水問題の課題と日本 高橋裕 国連大学上席学術顧問 2.21世紀の地球の水問題―「チーム水・日本」の貢献― 竹村公太郎 NPO法人日本水フォーラム事務局長 ■論点の背景 世界の水問題と広がる水関連ビジネス 柴田明夫 丸紅経済研究所所長 ■政策研究の最前線 市町村合併による歳出削減効果―沖縄県を考察対象に― 和仁屋浩次 総合研究開発機構リサーチフェロー 伊藤元重(いとう もとしげ) NIRA理事長。東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、2007年から同大学院経済学研究科長(経済学部長)。最新著『危機を超えて―すべてがわかる「世界の大不況」講義』(2009年)、講談社。 高橋裕(たかはし ゆたか) 1950年東京大学第二工学部卒。専攻は土木工学、特に河川工学、水資源。1968~87年東京大学教授、1987~98年芝浦工業大学教授、2000年より現職。最近著書、『地球の水が危ない』(2003年)岩波新書、『現代日本土木史 第二版』(2007年)、彰国社、『新版 河川工学新版』東京大学出版会、『川の百科事典』(2009年)、(編著)丸善など。 竹村公太郎(たけむら こうたろう) 1945年生まれ。70年東北大学工学部土木工学科修士課程修了。工学博士。同年建設省入省。99年河川局長。2002年国土交通省退官。現在、(財)リバーフロント整備センター理事長も務める。著書に『幸運な文明 日本は生き残る』(2007年)PHP研究所ほか。 柴田明夫(しばた あきお) 1976年東京大学農学部卒業後、丸紅に入社。鉄鋼第一本部、調査部を経て、2003年同研究所副所長を経て現職。経済企画庁(現・内閣府)「地球環境・エネルギー・食料問題研究会」委員を歴任。現在、農林水産省「食料・農業・農村」政策審議会臨時委員。主著に『資源インフレ』(2006年)、『食糧争奪』(2007年)、日本経済新聞出版社など。 和仁屋浩次(わにや こうじ) 2000年琉球大学法文学部経済学科卒業、沖縄県庁入庁。商工労働部情報産業振興課、企画部宮古支庁を経て、2007年4月より総合研究開発機構研究開発部へ出向。2007年11月より現職。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp