伊藤元重総合研究開発機構理事長 絵所秀紀法政大学経済学部教授 今村卓丸紅米国会社ワシントン事務所所長 森直子総合研究開発機構リサーチフェロー 飯笹佐代子総合研究開発機構リサーチフェロー 政策レビューNo.30 2008.09新興経済インドの光と影概要 インドや中国をはじめとした新興工業国は、これまでの低所得と低い資本蓄積の遅れを一 気に解消すべく、驚異的なスピードで成長し続けており、その存在感はますます増している。日本にとってインドとの関係はさらに重要となり、また、インド経済への浸透が十分ではない日本企業にとっても、インド市場を開拓していくことが大きな課題となるだろう。本号では、インドの現状や、インドの成長を妨げるかもしれない様々な要因について議論する。 全文を読む ■問題提起 新興経済インドの光と影 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.離陸したインド経済―高度成長の特徴とアキレス腱― 絵所秀紀 法政大学経済学部教授 2.中間所得層の形成期が続くインド経済 今村卓 丸紅米国会社ワシントン事務所所長 ■論点の背景 過渡期にあるインド経済の悩み 森直子 総合研究開発機構リサーチフェロー ■政策研究の最前線 アジア太平洋における国際協調と文化アプローチ―「環太平洋連帯構想」からの示唆― 飯笹佐代子 総合研究開発機構リサーチフェロー 伊藤元重(いとう もとしげ) 東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。2006年2月よりNIRA理事長。最新著書は『キーワードで読み解く経済』[2008]NTT出版。 絵所秀紀(えしょ ひでき) 東京都立大学経済学部卒。経済学博士。専攻は開発経済学、インド経済論。現在、法政大学経済学部教授・比較経済研究所所長。著書に、『離陸したインド経済-開発の軌跡と展望―』(ミネルヴァ書房)[2008年]等多数。 今村卓(いまむら たかし) 1989年一橋大学商学部卒、丸紅入社。世界銀行出向、丸紅経済研究所チーフエコノミストを経て、2008年4月より現職。専門は新興国を中心とする国際経済学。共著に『中国ビジネスと商社』[2003]東洋経済新報社等。 森直子(もり なおこ) 2004年東京大学大学院経済学研究科博士課程満期退学。社会経済生産性本部、海外経済協力基金開発援助研究所、国際協力銀行開発三部、政策研究大学院大学COEオーラル・政策研究プロジェクトを経て、2005年4月NIRA入職。国際研究交流部研究員を経て、2007年11月より現職。 飯笹佐代子(いいざさ さよこ) 一橋大学大学院修了。博士(社会学)。関心領域は文化都市政策、多文化政策、シティズンシップ政策など。近著書として、単著に『シティズンシップと多文化国家』[2007]日本経済評論社、共著に『価値を創る都市へ』[2008]NTT出版、『国際社会の意義と限界』[2008]国際書院、『創造都市への展望』[2007]学芸出版社ほか。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp