伊藤元重総合研究開発機構理事長 小川英治一橋大学大学院商学研究科教授 杉浦哲郎みずほ総合研究所専務執行役員・チーフエコノミスト 太田智之みずほ総合研究所シニアエコノミスト 畑佐伸英総合研究開発機構リサーチフェロー 政策レビューNo.26 2008.05サブプライム問題の背景概要 サブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機はいまだ進行中の出来事である。米国経済が本格的な景気後退に入ると、実体経済を通じた日本やアジア経済への影響が懸念される。この危機はどこで止まるのか、どの程度の経済的被害となるのか。今後金融危機を避けることが難しいとすれば、危機が生じたときどのような対応が必要となるか。サブプライムローン問題やそれに関連したグローバルマネーの課題について、議論する。 全文を読む ■問題提起 サブプライム問題の背景 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.グローバルマネーについて 小川英治 一橋大学大学院商学研究科教授 2.サブプライムを超えて広がる信用不安~背景、展望、対応 杉浦哲郎 みずほ総合研究所専務執行役員・チーフエコノミスト ■論点の背景 サブプライムローン問題とは何か 太田智之 みずほ総合研究所シニアエコノミスト ■政策研究の最前線 日中韓新時代の幕開けに期待 畑佐伸英 総合研究開発機構リサーチフェロー 伊藤元重(いとう もとしげ) 東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。2006年2月よりNIRA理事長。最新著書は『キーワードで読み解く経済』[2008]NTT出版。 小川英治(おがわ えいじ) 一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院商学研究科単位取得退学。一橋大学博士(商学)取得。専攻は国際金融論。一橋大学大学院商学研究科教授。著書に『国際通貨システムの安定性』[1998]東洋経済新報社。共編著書に『国際金融システムの制度設計』(福田慎一との共編)[2006]東京大学出版会等。 杉浦哲郎(すぎうら てつろう) 早稲田大学政治経済学部卒。富士総合研究所ニューヨーク事務所長、同経済調査部長などを経て、2007年よりみずほ総合研究所専務執行役員・チーフエコノミスト。専門は日米マクロ経済、経済政策分析。主な著書に『アメリカ経済は沈まない』[2003]日本経済新聞出版社、『BRICs~持続的成長の可能性と課題』[2006]編著、東洋経済新報社等多数。 太田智之(おおた ともゆき) 京都大学大学院農学研究科修了。富士総合研究所、日本経済研究センター、財務省財務総合政策研究所等を経て、2005年7月より現職。著書に『デフレ不況の実証分析』[2002]東洋経済新報社、『日本経済の明日を読む』[2007]東洋経済新報社、『中国の台頭と東アジアの金融市場』[2006]日本評論社(いずれも共著)等。 畑佐伸英(はたさ のぶひで) 2002年名古屋大学大学院国際開発研究科より博士(学術)取得。国連アジア太平洋経済社会委員会社会開発部インターン、早稲田大学アジア太平洋研究センター助手、アジア開発銀行研究所リサーチ・アソシエイト、首都大学東京都市教養学部研究員、総合研究開発機構国際研究交流部研究員などを経て、2007年11月より現職。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp