伊藤元重総合研究開発機構理事長 後藤道夫都留文科大学教授 岩田正美日本女子大学教授 浦川邦夫神戸大学COE研究員 森直子総合研究開発機構リサーチフェロー 政策レビューNo.24 2008.03ワーキングプア概要 ワーキングプアの問題は世界の多くの先進国に共通してみられる現象である。日本で大きく取り上げられるようになったのは最近のことだ。ワーキングプアは、さまざまな要因が複合して起きている。技術革新やグローバル化、時代の変化についていけない社会保障制度や雇用政策などが主な要因だが、1つの要因だけを解決するのではなく、多様できめ細やかな対応が必要となる。ワーキングプアの問題をどう考え、解決していくべきか、議論する。 全文を読む ■問題提起 ワーキングプア 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.ワーキングプアの急増と最低生活保障 後藤道夫 都留文科大学教授 2.ワーキングプア問題は何を意味するのか 岩田正美 日本女子大学教授 ■論点の背景 ワーキングプアの拡大に関する考察 浦川邦夫 神戸大学COE研究員 ■政策研究の最前線 「地方」の問題を考える 森直子 総合研究開発機構リサーチフェロー 伊藤元重(いとう もとしげ) 現東京大学大学院経済学研究科研究科長(経済学部長)。2006年2月より総合研究開発機構理事長。07年11月から財団法人総合研究開発機構理事長。専攻は国際経済学、流通論。著書に『日本の空を問う―なぜ世界から取り残されるのか』(共著)[2007]ほか多数。 後藤道夫(ごとう みちお) 東京大学理学部卒。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得。専攻は社会哲学・現代社会論。1981年より都留文科大学教員。著書に『収縮する日本型〈大衆社会〉─経済グローバリズムと国民の分裂』[2001]旬報社等多数。 岩田正美(いわた まさみ) 中央大学大学院修了。東京都立大学人文学部助教授、教授を経て1998年より日本女子大学人間社会学部教授、2005年より2007年3月まで人間社会学部長、4月より西生田生涯学習センター長。2001年より現在まで厚生労働省社会保障審議会委員、同福祉部会長。主な著書に、『戦後社会福祉の展開と大都市最底辺』[1995。第4回福武直賞、社会政策学会学術賞受賞]『ホームレス/現代社会/福祉国家』[2000]『現代の貧困』ちくま新書[2007]等。 浦川邦夫(うらかわ くにお) 2001年慶應義塾大学商学部卒業後、2007年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了、博士(経済学)。専攻は公共政策、社会保障論。07年4月より現職。主要著書に、『日本の貧困研究』東京大学出版会(2006年)[橘木俊詔教授と共著]、主要論文に「ベーシック・インカム論の政治経済学的考察」『国民経済雑誌』第196巻第6号(2007年)[単著]等。 森直子(もり なおこ) 2004年東京大学大学院経済学研究科博士課程満期退学。社会経済生産性本部、海外経済協力基金開発援助研究所、国際協力銀行開発三部、政策研究大学院大学COEオーラル・政策研究プロジェクトを経て、05年4月NIRA入職。国際研究交流部研究員を経て、07年11月より現職。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp