伊藤元重総合研究開発機構理事長 白波瀬佐和子東京大学大学院准教授 永瀬伸子お茶の水女子大学教授 小島宏早稲田大学社会科学総合学術院教授 政策レビューNo.18 2007.08住みよい少子化社会の形成へ概要 少子化現象は、日本社会の長期的な姿を考える上で最重要課題だ。様々な要因が少子化に関わっているが、「個人レベルでの合理的な選択」の結果として少子化となっていることに留意すべきだ。個人の選択の背景にある問題を無視して、やみくもに子供の数を増やせるものではない。個々人のライフスタイルにまで踏み込み、子供の数を増やすことが国民の幸せの向上につながるようにすることが重要だ。少子化をふまえ、どのように住みよい社会にするのか、議論する。 全文を読む ■問題提起 住みよい少子化社会の形成へ 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.少子化問題の現状と課題 白波瀬佐和子 東京大学大学院准教授 2.子どもを持つ家庭への支援の拡大がなぜ必要なのか 永瀬伸子 お茶の水女子大学教授 ■論点の背景 科学的根拠のある少子化対策を 小島宏 早稲田大学社会科学総合学術院教授 伊藤元重(いとう もとしげ) 東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。2006年2月よりNIRA理事長。著書に『はじめての経済学(上・下)』[2004]日本経済新聞社等多数。 白波瀬佐和子(しらはせ さわこ) 1997年英国オックスフォード大学社会学博士号(Ph.D.)取得。専攻は、社会階層・格差論、人口変動の社会学。2006年4月より現職。主な書著に『少子高齢社会のみえない格差』[2005]東京大学出版会、編著『変化する社会の不平等』[2006]東京大学出版会がある。 永瀬伸子(ながせ のぶこ) 上智大学外国語学部および東京大学経済学部卒。1995年東京大学大学院博士号取得(経済学)。専攻は労働経済学、社会保障論。少子化、女性労働、家族と社会保障等についての論文多数。最近の著書に『人口減・少子化社会の未来:雇用と生活の質を高める』[2007]明石書店。 小島宏(こじま ひろし) 早稲田大学政治経済学部卒。1992年米国ブラウン大学大学院社会学博士号(Ph.D.)取得。専攻は人口政策論、人口移動論、家族人口学。2007年4月より現職。共著書にLes migrations internationales:observation, analyse et perspectives,[2007]PUF等多数。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp