伊藤元重総合研究開発機構理事長 矢作弘大阪市立大学大学院創造都市研究科教授 松島茂法政大学経営学部教授 佐々木茂高崎経済大学経済学部教授 政策レビューNo.11 2007.01都市の活性がもたらす商業の発展概要 都市の形成には、様々な形で市場の失敗や合成の誤謬が生じる。日本の都市計画は脆弱であったが、まちづくり三法の見直しを起点に、より有効な都市計画のあり方を追求すべきである。街づくりは狭い地域の論理だけでなく、地域間の競争、グローバル社会の現実という広い視点で見る必要がある。これからの都市の姿は20世紀後半のものとは大きく異なるだろう。重要なことは、誤った方向の規制によって都市の活力を奪うのではなく、時代にあった街づくりを目指すことである。今後の都市計画のありかたについて、議論する。 全文を読む ■問題提起 都市の活性がもたらす商業の発展 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.都市計画法改正のねらいを考える 矢作弘 大阪市立大学大学院創造都市研究科教授 2.「まちづくり」という視角 松島茂 法政大学経営学部教授 ■論点の背景 まちづくりに求められる総合的な視点と取り組み 佐々木茂 高崎経済大学経済学部教授 伊藤元重(いとう もとしげ) 1951年生まれ。東京大学経済学部卒。79年米国ロチェスター大学大学院経済学博士号(Ph.D.)取得。専攻は国際経済学、流通論。96年より東京大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。2006年2月よりNIRA理事長。(特非)金融知力普及協会理事長、政策分析ネットワーク代表。著書に『伊藤元重の経済がわかる研究室』[2005]編著、日本経済新聞社、『ゼミナール国際経済入門 改訂3版』[2005]日本経済新聞社、『はじめての経済学(上・下)』[2004]日本経済新聞社等多数。 矢作弘(やはぎ ひろし) 横浜市立大学卒業。日本経済新聞社ロサンゼルス支局長、編集委員を経て現職。この間、オハイオ州立大学、ロンドンスクールオブエコノミクス客員研究員。社会環境科学博士。著書に『産業遺産とまちづくり』[2004]学芸出版社、『大型店とまちづくり』[2005]岩波新書等。 松島茂(まつしま しげる) 東京大学法学部卒。1973年通商産業省入省。2001年4月より法政大学教授。専攻は、中小企業論、企業家活動論。編著書に『産業集積の本質』[1998]有斐閣。論文「中小企業商業政策・中心市街地政策をどう読むか」(日本建築学会編『中心市街地活性化とまちづくり会社』所収)[2005]丸善等多数。 佐々木茂(ささき しげる) 明治大学商学部卒。1998年明治大学大学院商学研究科商学博士号取得。専攻は、マーケティング、流通システム論。著書に『流通システム論の新視点』[2003]ぎょうせい、『事業創造論の構築』[2006]日本経済評論社等。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp