翁百合
NIRA総合研究開発機構理事/日本総合研究所理事長

概要

 政府は現在、日本のキャッシュレス決済比率を2027年までに4割程度に高めることを目標に掲げている。2017年時点において、同比率は21.0%であり、これをほぼ倍増させることになる。しかしながら、同比率にあたっては、銀行口座間送金についての正確な統計の把握が困難であること等、いくつかの課題があることが指摘されている。
 そこで今回、個人の消費における決済に関する実態を正確に把握すべく、アンケート調査を行い、銀行口座間送金などを含めたキャッシュレス決済比率を推計したところ51.8%となった。いくつかの留意すべき点はあるものの、これは政府の数値を大きく上回るものである。

INDEX

ポイント

●2018年8月に全国の消費者3,000人を対象にアンケート調査を実施した。
●商品やサービスを購入する際に、現金以外の手段を用いて支払いを行ったキャッシュレス決済比率は、全体の消費支出のうちの51.8 %となり、政府の目標以上にキャッシュレス化は進んでいる。
●政府の試算と差が生じているのは、政府の数値に含まれていなかった銀行口座間の送金やフィンテックサービスでの決済をキャッシュレス決済として計上したことなどによる。
●世帯の所得階層別にキャッシュレスの決済比率をみると、所得の高い人の方がキャッシュレス化が進んでいる。
●現金で支払いたい人の割合は若年層や低所得層で高い。現金で支払いたい人には、キャッシュレスによるお金の使いすぎを懸念する人が多い。

目次

1.調査概要
2.回答者の属性
3.支払方法について
4.最も利用したい支払手段
5.品目別の支払方法
6.個人の消費のキャッシュレス決済比率
7.ポイントサービスに対する意識

図表

表 1-1 性別、年齢
表 1-2 居住地
表 2-1 最終学歴
表 2-2 職業
表 2-3 業種
表 2-4 職種
表 2-5 同居している配偶者・子どもの有無
表 2-6 家計の管理状況
図 2-1 世帯の年間収入
表 3-1 各種支払手段、サービス等の利用状況
表 3-2 3年前の各種支払手段、サービス等の利用状況
図 3-1 年齢階層別クレジットカードの利用
図 3-2 年齢階層別プリペイド式電子マネーの利用
図 3-3 年齢階層別フィンテックサービスの利用
図 3-4 年間収入階層別クレジットカードの利用
図 3-5 年間収入階層別プリペイド式電子マネーの利用
図 3-6 年間収入階層別フィンテックサービスの利用
図 3-7 年間収入階層別オートチャージ機能の利用
図 4-1 支払手段についての考え
図 4-2 年齢階層別クレジットカード支払い希望割合 (%)
図 4-3 年齢階層別現金支払い希望割合(%)
図 4-4 年間収入階層別クレジットカード支払い希望割合(%)
図 4-5 年間収入階層別現金支払い希望割合(%)
図 4-6 現金で支払いたい理由
表 4-1 年齢階層別現金支払い希望理由
表 5-1 日常的に購入する品目の支払方法
表 5-2 定期的に購入する品目の支払方法
表 5-3 購入頻度の低い品目の支払方法
表 5-4 最近利用が増え始めている品目の支払方法
表 5-5 保険料及び税金の支払方法
表 6-1 個人の消費のキャッシュレス比率
図 6-1 世帯の年間収入階層別にみたキャッシュレス決済比率(%)
図 7-1 ポイントサービスの利用頻度
図 7-2 年間収入階層別ポイントサービスの利用
図 7-3 ポイントサービスについての考え方
表 7-1 年齢階層別「ポイントサービスについての考え方」
図 7-4 ポイントの利用方法
表 7-2 年齢階層別「ポイントの利用方法」

調査概要

対象:日本国内在住の20歳~69歳の男女
有効回答者数:3,000人
調査方法:インターネットを通じてアンケートに回答
調査期間:2018年8月9日~14日

研究体制

翁百合  NIRA総研理事/日本総研理事長
神田玲子 NIRA総研理事・研究調査部長
渡邊翔太 NIRA総研研究コーディネーター・研究員
関島梢恵 大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程
Tyler In Sung Cho スタンフォード大学経済学部(Bachelor of Arts in Economics)

引用を行う際には、以下を参考に出典の明記をお願いいたします。
(出典)NIRA総合研究開発(2018)『キャッシュレス決済実態調査』

ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構

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