研究報告書 2008.03.31 価値を創る都市へ文化戦略と創造都市 この記事は分で読めます シェア Tweet 中牧弘允 総合研究開発機構理事/国立民族学博物館民族文化研究部教授 佐々木雅幸 大阪市立大学大学院創造都市研究科教授 総合研究開発機構 2020年3月発売!!ご購入は、お近くの書店またはネット書店にご注文ください。出版社サイトでのご購入はこちらから Amazonでのご購入はこちらから概要 地域振興策や都市政策の領域において、近年、地域の文化資源が持つ活力への期待がますます高まっている。その背景には、何よりも深刻化する財政難のなかで、従来の開発型とは一線を画した新たな地域再生への活路を希求する動きがある。また、住民自身が、地域の文化に誇りを持ちながら、より快適で創造的な生活を強く求め始めている。さらには、「平成の大合併」によって従来の地域単位が変更し、地域住民を束ねる新たなアイデンティティを構築していく必要にも迫られている。では、こうした挑戦に応えていく上で大きな鍵を握る文化戦略をいかに展開すべきか。 本書は、創造都市論や文化都市政策の観点から、事例の紹介も踏まえつつ、今後の文化戦略を実践、推進する上で特に重要となる次の3つの要素に着目しながら課題を問い、展望を提示した。 「創造・文化産業」--文化政策と産業政策の融合は、創造都市論における中心課題の1つである。文化をいかに産業化していくのか。また、創造性と市場性をいかに媒介していくのか。 「ガバナンス」--市民、NPO、行政は文化都市政策を効果的に遂行するためのガバナンスをいかに構築すべきか。また、グローバルな都市間連携の可能性とは。 「文化的多様性」--外国人住民の増加に伴い日本社会がますます多文化化するなか、多文化共生と都市・地域の創造・再生を政策的につなぎ、両者が相乗効果を発揮するような方策とは何か。 文化の創造性という観点から従来の都市・地域政策を捉えなおし、それぞれの地域がその独自性を活かしながら「価値を創る都市」へと向かうための具体的な戦略を提示した最新の書。目次序章 創造都市の最前線をめぐって 1. 創造的な文化都市をめざして--その戦略的展望(中牧弘允) 2. NIRAにおける政策研究としての都市論の系譜(飯笹佐代子)第1章 創造都市の連携と創造産業(佐々木雅幸) 1. ネットワーク化に向かう創造都市 2. 創造都市のエンジンとしての創造産業の振興 3. 創造産業の現状とその振興に向けた課題 4. 文化的生産システムへ向けた創造都市のマネジメント 5. 創造産業と文化的生産の発展のために <対談>地域再生と創造都市(佐々木雅幸・伊藤元重) コラム:青山公三、杉浦幹男ほか執筆 第2章 物価都市政策のガバナンス(澤井安勇) 1. 都市化の進展と都市のプレゼンス 2. 都市ガバナンスのパラダイム・シフト 3. 文化政策とガバナンス 4. 新たなガバナンス・モデルとしての文化都市政策 <特別インタビュー>文化を価値づけ、発信する戦略へ(小林陽太郎) コラム:和仁屋浩次、飯笹佐代子ほか執筆第3章 各地に見る文化創造都市への風 1. 盛岡市盛岡ブランドによる文化創造都市への取り組み(坂田裕一) 2. 仙台市楽都仙台の新たな挑戦(志賀野桂一) 3. 新潟市舞台芸術振興と文化創造都市への歩み(高橋建造) 4. 富岡市世界遺産を目指す富岡製糸場とまちづくり(新井直樹) 5. 横浜市クリエイティブシティ・ヨコハマの新たな仕組み 横浜市開港150周年・創造都市事業本部創造都市推進課 6. 北九州市ものづくり文化の継承(斉藤敏尋) 7. 福岡市アジアに関わる都市文化の創造(梁木靖弘) 8. 沖縄芸術文化活動によるアジア・太平洋の交流拠点形成(和仁屋浩次)第4章 都市と外国人、文化の多様性 1. 都市の外国人と政策課題(丹野清人) 2. 創造都市を標榜する浜松の課題(飯笹佐代子) <現場からの問題提起> 1. 外国人家族の直面する課題(真島まどか) 2. 行政の矛盾と文化の主体(山口元) コラム:八尾祥平、小山紳一郎、小ヶ谷千穂、飯高伸五、戴エイカ、長谷部美佳、 群馬県企画部新政策課多文化共生支援室ほか執筆価値を創る都市へ--文化戦略のための課題と提言著者中牧弘允 総合研究開発機構理事/国立民族学博物館民族文化研究部教授佐々木雅幸 大阪市立大学大学院創造都市研究科教授総合研究開発機構発行:NTT出版定価:3,300円+税 INDEX 引用を行う際には、以下を参考に出典の明記をお願いいたします。(出典)中牧弘允・佐々木雅幸・総合研究開発機構(2008)『価値を創る都市へ-文化戦略と創造都市』NTT出版 シェア Tweet ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp 研究の成果一覧へ