NIRA総合研究開発機構
DIJ(ドイツ日本研究所)
協賛 カリフォルニア大学サンディエゴ校
協賛 マックス・プランク・イノベーション・競争研究所

概要

 NIRA総研はドイツ日本研究所との共催で、2018年11月1日に「ビッグデータ」ワークショップを開催。実務家や研究者、政府関係者など、多彩なポジションのスピーカーが、ビッグデータの特徴や問題点を語った。

・ ビッグデータは21世紀の「資源」といわれ、20世紀に成長をけん引した石油にも比される。ビッグデータが「資源」となるために必要なものは何か。

・ IoTモジュールなど最新の技術開発が先進的なサービスを可能にする一方、AIがもたらすバイアスなどの負の影響をどう考えるべきか。

・ ビッグデータを活用したビジネスを開花させるために、企業や個人が安心してデータを共有、取引する仕組みは何か。企業や政府は、この課題にどう取り組んでいるのか。

・ データの特性を踏まえた制度の構築、すなわち、巨大プラットフォーマーによるデータ市場の独占や、個人のプライバシー保護についての規制や制度はいかにあるべきか。

 今回の議論から、新しい価値を生むための技術の構築、ビジネスを活発化させるためのデータ取引や集約の仕組みづくり、そして石油にはないデータの特性を踏まえた制度の整備に早急に取り組む必要があることが浮き彫りとなった*

INDEX

はじめに

 「ビッグデータは21世紀の石油」といった表現がメディアに頻出するようになってきた。デジタル化社会が急速に進展し、ありとあらゆるところで膨大なデータが日々生み出され、すでに世界はデータによって駆動されている。世界の時価総額ランキング上位の常連となった、GAFA(注1)を始めとする米国のIT企業群は、何らかの形でデータをビジネスに活用し圧倒的な価値を生み出している。

 安価に入手でき、エネルギー密度の高い石油は、輸送、発電、製造など社会のあらゆる分野で活用され、20世紀以降の飛躍的な経済的成長の礎となった。21世紀のビッグデータもまた、それに勝るとも劣らぬ重大なインパクトと変化を世界に与える可能性がある。もちろん、石油とデータでは同じ資源といっても特性が大きく異なる。ビッグデータが社会の基盤となるなか、われわれは、ビッグデータにどう向き合うべきか。データの持つ特性を十分に理解し、経済・社会的利益に資する仕組みをつくるための知見が、喫緊に求められている。

 2018年11月1日、NIRAとDIJ(ドイツ日本研究所)の共催で、「ビッグデータ」ワークショップが開催された。本イベントには、ビッグデータを用いたビジネスを展開するビジネスパーソンから研究者、政策関係者まで、国内外の多彩な分野のスピーカーが登壇。3人のモデレータによる進行のもと、ビッグデータのユースケースから、日本のポジショニング、政府の役割まで、幅広いトピックについて活発な議論が行われた。ビッグデータの「いま」をお届けする。

1.ビッグデータ活用の最前線

ビッグデータとは何か

 ビッグデータの重要性は社会的に認識されるようになったが、統一的な定義があるわけではない。「ビッグデータ」という用語は多義的であり、データ量が大きいという意味以上の特徴を含んでいる。Chen et al.(2014)(注2)によると、ビッグデータの概念が生まれた2000年初期はVolume(量)、Velocity(速度)、Variety(多様性)が大きいことから、3Vsの特徴を持つデータとして認識されていた。しかし、近年は3VsにValue(価値)を加えた4Vsとして広く認識されるようになり、膨大で、多様な様相をし、急速に生み出されるデータから、いかに価値を見いだすかということへの関心が高まっている。

 楽天株式会社CDOの北川拓也氏も、ビッグデータ活用は「隠れた価値を見いだすこと」だという。北川氏は有望なビッグデータの活用例として、「企業価値の推定」、「与信の査定」、「ユーザーの関心」の3つを挙げた。

 「企業価値の推定」については、衛星写真から自動車メーカーの工場の生産状況や、小売店の集客状況を明らかにする米国調査企業のサービスが話題を呼んだことは記憶に新しい。「与信の査定」については、返済履歴等のデータをもとに与信を査定し、中小企業や個人に融資するスタートアップもすでに登場している。「ユーザーの関心」については、購買履歴などで顕在化しているデータを用いたユーザーの行動分析はすでにウェブサービスで一般的に行われているが、今後はウェブだけでなく、リアルな分野にも広がっていくと考えられる。

IoTモジュールでデバイス同士がつながる世界

 実世界の機器を用いたビッグデータ活用を進めているのが、芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科の中村潤教授である。中村教授が注目しているのは、独自開発のIoTモジュールと、クラウド上のサービスプラットフォームを組み合わせたソリューションだ。IoTモジュールには無線通信や動画変換の機能を組み込むことが可能であり、テレビなど既存の機器に接続することで、これら機器からのデータをクラウド上に集約できるようになる。クラウド上のサービスプラットフォームでは、多彩なアプリを組み合わせることでユニークなサービスを構築することが可能だ。

 応用例として紹介された高齢者向けショッピングサービスでは、ショッピングセンターに配置されたカメラ付きロボットを家のテレビから制御して、その場にいるかのようにショッピングを楽しめるという。さらに、クラウド上で集約されたデータを分析してレコメンデーションを行うなど、ショッピングに関連するサービスを一体的に提供することも容易に行える。

 中村教授が開発に関与しているIoTモジュールの特徴は、ブランドフリーという点である。既存のビジネスモデルは、特定のブランドメーカーによるエッジデバイス側の仕様に固定化されるなど、プロダクトアウト指向(作り手の意志優先)であり、消費者が真に必要としているサービスになっていない可能性がある。IoTモジュールの開発とバリエーションの拡充、普及が進めば、家庭内のテレビやエアコンなどの機器がブランドフリーでつながるだけでなく、スマホを含めた空間を超えた外部の機器との連携も可能となる。そうなると、カスタマーセントリック指向(消費者の意志優先)なサービスがさまざまな分野で立ち上がることが期待される。さらに、Googleやマイクロソフトなどの既存のプラットフォームを活用しつつも、より拡張的な独自のプラットフォームの形成につながり、日本企業の競争力を高められる。

 また、中村教授のプレゼンで印象的だったのが、IoTにおけるアナログ技術の重要性だ。光・音波・電波といったあらゆるアナログデータを正確に認識し、デジタルデータへの変換処理を行うには高度な電気設計技術が不可欠という中村教授の指摘は、AIなどのソフトウエアの開発力が強調されるデジタル時代において、教育機関や企業での人材育成について示唆を与えてくれる。

紙文化の根強い法務分野でも、ビッグデータ活用が進む

 紙文化が根強い分野でも、ビッグデータを活用した新しいビジネスモデルが生まれつつある。その1つが法務分野だ。日本では99%の判例がオンラインからアクセスできず、契約業務についてもまだまだ紙ベースが主流となっているため、データを活用したビジネスは難しいと考えられてきたが、近年リーガルテックサービスを提供する企業も登場している。弁護士検索サービスや無料法律相談サービスを提供する弁護士ドットコムには、2.5人に1人以上の弁護士が登録されており、同社は200万件以上のQ&Aデータベースを構築。ユーザーは月間1,400万人を超える。

 弁護士ドットコムCTOの市橋立氏は、Googleなどの巨大プラットフォーマーが収集できないデータを独自に収集して、プラットフォームを築く重要性を説く。近年はホテルやレストランの評価や予約をGoogleの検索結果から直接行えるなど、巨大プラットフォーマーによるローカルビジネスのシェアが高まっている。同社では、依頼者からの生の声や弁護士同士の評価といった、巨大プラットフォーマーが収集できない情報をユーザーに提供することで差別化し、ユーザーが安心して弁護士を選べるようサービスを強化していく予定だ。さらに今後は、弁護士向けのオンラインコミュニティーやブックレビュー、判例検索といったBtoBのサービス提供する法務プラットフォームを目指す。

 こうしたサービスの鍵となる技術が自然言語処理技術である。日本語の自然言語処理技術は英語と比べると難易度が高く、海外でできていることを、そのまま日本に導入するのは難しい。このことが日本のリーガルテックサービスの遅れの一因にもなっている。同社では、先端技術を活用するために大学や大手企業と連携し、技術開発を進め、ビッグデータ分析の精度を高めている。

NIRA・DIJ共催「ビッグデータ」ワークショップ参加者


・市橋立    弁護士ドットコム株式会社執行役員・CTO
・宇都宮秀樹  森・濱田松本法律事務所弁護士
・江間有沙   東京大学政策ビジョン研究センター 特任講師
・鹿島みかり  日本銀行金融研究所 情報技術研究センター長
・北川拓也   楽天株式会社 常務執行役員・CDO
・木下信行   株式会社東京金融取引所代表取締役社長
・遠山敬彦   経済産業省 商務情報政策局情報経済課情報政策企画調整官
・中村潤    芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科教授
・眞野浩    エブリセンスジャパン株式会社CTO/一般社団法人データ流通推進協議会代表理事
・柳川範之   NIRA総研理事・東京大学大学院経済学研究科教授
・吉田宏平   内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室参事官
・Tristan Chong  西安交通リバプール大学蘇州国際ビジネススクールビッグデータ分析研究所副所長
・Dietmar Harhoff* マックス・プランク・イノベーション・競争研究所所長
・Ulrike Schaede* カリフォルニア大学サンディエゴ校教授/JFIT所長
・Franz Waldenberger* ドイツ日本研究所所長

*当日、3セクションのモデレータを務めていただいた。
日時:2018年11月1日 場所:恵比寿ガーデンプレイス
議論は全て英語で行われた。

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データドリブン時代の企業ガバナンスのあり方

 ビッグデータ活用で新たなビジネスを生み出せるとしても、企業には大きなハードルが待ち構えている。それは分析の対象となるビッグデータの収集だ。

 膨大なデータを持つプラットフォーム企業も例外ではない。楽天株式会社CDOの北川拓也氏の報告によると、楽天グループでは子会社も含めて70以上のサービスを提供しており、そのデータを集約するのは容易ではない。顧客によりよいサービスを提供するには、楽天傘下のさまざまなサービスの利用状況を、各顧客のIDにひも付けてデータを統合する必要がある。そこで2017年から同社では、グループ全体のCDOである北川氏がグループ企業各社のCDOと協業する、ハブ&スポークモデルを導入。さらに四半期ごとに、グループ企業のCEOや役員を集めてデータ戦略を議論する会議を開催している。北川氏からは、顧客中心の企業文化をつくることがこれからの企業にとって重要であるとした上で、今後、データの活用や保護に関する意思決定が、企業トップの最も重要な役割になっていくことが強調された。

効率的、かつ信頼できる取引市場がデータ活用を促進

図1 データ取引市場における取引の流れ

(出所)真野浩(2017)「オープンなデータ取引市場」実現の取り組み:データ流通推進のための取引市場の要件,課題と実装事例」『情報管理』2017.9.vol.60 no.6 p.391–402等をもとに作成

 企業がみな、楽天のように自社のみでビッグデータを集約できるとは限らない。自社の持つデータを効果的に活用して新しい価値を生むためには、他企業といかにデータ取引するかという観点も必要になる。ところが、データを収集しようにも、どんなデータを誰が所有しているのか、データの所有権等に問題がないかを事前に知ることが難しい。これを解決するカギは「市場」である。データの買い手、売り手をマッチングする市場があれば、データの取引が活発化し、収集も容易になると考えられる。

 一般社団法人データ流通推進協議会の代表理事である眞野浩氏によれば、データ取引市場はデータ提供者、データ利用者、そして両者の仲介を行うデータ取引市場運営事業者で構成される。データ提供者は、自身や他事業者のデータを収集・整理し、取引市場を介して他の企業や研究機関に提供。データ取引市場運営事業者(の提供するシステム)は、データ利用者が欲しいデータをリクエストすると、条件に合ったデータ提供者を探し、自動的にマッチングを行う仕組みだ(図1)。

 ここでポイントとなるのは、データ取引市場運営事業者が提供するマッチングサービスが公正、中立に機能することである。しかし、データ取引市場をどう運営するかに関して法規制は存在していない。そこで一般社団法人データ流通推進協議会では、「データ取引市場運営事業者認定基準_D2.0」を制定し、この認定基準にのっとった運営事業者の認定を行う予定である。取引の仲介者であるデータ取引市場運営事業者は、自身ではデータの売買・保持を行わず、価格決定権を持たない。なお、運営事業者はプライバシー保護の観点から個々のデータの内容は調査しないため、低品質のデータが販売されたり、望ましくない事業者がデータを収集する可能性を完全には排除できない。そこで先述の認定基準に基づいたデータ取引市場では、すべての取引をトラッキングすること、またデータ提供者・利用者いずれの側も、いつでもデータの開示・収受をストップできるようにすることで、信頼性を担保しようとしている。

効率的な市場に必要な3つの条件

 この説明を受け、東京金融取引所代表取締役社長の木下信行氏から、効率的な市場を確立するためには3つの条件が必要だというコメントがあった。すなわち、1つ目は、市場で取引される商品が標準化され、関係者間に共通の認識があること、2つ目は、商品を取引する際の基礎となる情報について、透明なプロセスのもとで質の高いデータが提供されること、3つ目は、市場に十分な流動性を確保するために、対象商品の売買が継続的に円滑に成立することである。特に、市場の機能が確立する前の段階では、売買のオファーを行う事業者がいないことと流動性の不足が悪循環に陥り、さらに、価格付け等の市場の機能が発揮されないままで低迷するという問題があるということである。

 同氏からは、こうした問題に鑑みると、データ取引市場については、「市場があればよい」ということではなく、こうした条件を成り立たせるための工夫を行って、能動的に市場をつくっていかねばならないという指摘があった。

2.ビッグデータ分析の現状と課題

位相幾何学の手法でビッグデータを可視化する

 ビッグデータ活用の前提となるのが、ビッグデータそのものや分析手法の信頼性である。ビッグデータの処理はそもそも難しい。ノイズを含んでいたり、高次元、不完全なデータ構造であれば、その処理はさらに困難となる。ビジネス分野では回帰分析などを用いて消費者行動を理解し、経営戦略に生かす取り組みが大きな関心事になっているが、分析するビッグデータの構造や不完全性を理解しないまま分析を行うと、誤った結果に基づく意思決定につながりかねない。

 西安交通リバプール大学蘇州国際ビジネススクールビッグデータ分析研究所副所長のトリスタン・チョン氏が取り組んでいるのは、パーシステント・ホモロジー(PH)によってビッグデータの複雑な構造を可視化させる研究だ。この手法は従来の計算機工学とは異なり、位相幾何学を用いてビッグデータの構造や特徴を把握するというもの。チョン氏によれば、PHは偏ったサンプルや恣し意い的に選ばれたパラメータによらず、ノイズを伴うことなく、真の特徴や構造を把握できるので、さまざまビジネス課題を解決する優れたツールになりえるという。

 従来ビッグデータ分析では、統計学や機械学習、プログラミングといったスキルが求められてきたが、こうしたスキルはすでにコモディティ化しつつある。今後は、より高度な数学を使いこなしてデータから知見を得、課題を解決する人材が求められることになりそうだ。

「倫理」の欠如は、訴訟リスクを高める

 ビッグデータ活用の倫理面の課題を指摘したのは、東京大学政策ビジョン研究センター特任講師の江間有沙氏である。ディープラーニングを使ってビッグデータ解析を行う場合、データの収集、加工、分析、学習、実装、運用といったプロセスを経るわけだが、エンジニアやマネジャーはあらゆるプロセスにおいて、倫理面の課題を意識する必要があるという。この課題には、データのバイアス、公平性、アカウンタビリティー、透明性、知財の保護が含まれる。さらにはこれらの課題はトレードオフ関係にある。

 実社会から得られるデータは、収集の時点ですでにバイアスが掛かっている。検索エンジンを使って日本語で「社長」を画像検索すると、出てくるのはほとんど男性の画像であり、英語でも「Baby」を検索するとアングロサクソン系の赤ん坊が多く出てくるといったことが問題視されてきた。これらのデータをそのままビッグデータ解析に利用すると、実社会のバイアスが解析結果に持ち込まれることになってしまう。2018年、Amazonは人材採用AIの開発中止を発表したが、その理由は「女性差別」だった。男性からの応募が多い技術職への履歴書パターンを学習させたことで、女性に関係する単語が経歴に含まれていると、評価を下げてしまうことが判明したからだ。Googleが提供する画像サービスGoogleフォトが、アフリカ系女性をゴリラとラベリングする現象が発生したが、その原因はネット上に溢(あふ)れている差別的な画像や、アルゴリズムの問題と考えられる。こうした倫理的な問題に企業が無頓着であると、「差別的」であるとして訴訟を起こされる可能性が高くなるだけではなく、既存の社会的差別を助長しかねない。

 これに対し、人工知能の倫理的なガイドラインを作成する動きが世界的に進んでおり、IEEEは「Ethically Aligned Design ver2」(倫理的に配慮されたデザイン)を発表。日本でも、内閣府の「人間中心のAI社会原則検討会議」で議論が行われている。

金融業界で懸念されるアルゴリズムのブラックボックス化

 2017年5月に改正銀行法が施行されたことで、日本においても金融とITが結びつく、いわゆるフィンテックが盛り上がりを見せ始めている。日本銀行金融研究所情報技術研究センター長の鹿島みかり氏は、フィンテックに代表される金融分野のビッグデータ活用ユースケースと、今後懸念される課題について発表を行った。

 金融分野におけるユースケースは、大きく4分野に分けられる。1つ目は、クレジットのスコアリングや保険料の査定など、「顧客」にフォーカスした分野。2つ目は、資本の最適化や市場インパクト分析といった「オペレーション」にフォーカスした分野。3つ目は、ポートフォリオ管理など「トレーディングと投資のマネジメント」。4つ目は、マネーロンダリングやテロ資金供与への対策を行う「規制遵守(じゅんしゅ)・監督」分野である。

 金融のビッグデータ活用において今後大きな課題になると鹿島氏が指摘するのが「アルゴリズムのブラックボックス化」だ。東京大学の江間氏の発表にもあったように、アルゴリズムは一見中立に見えても、出力される結果が中立とは限らない。どんなデータをどのように収集するのかによって、結果にバイアスが入り込む可能性がある。AIを用いた与信査定を行う場合でも、データ収集の方法やアルゴリズムによって、差別的な融資が行われることもありえる。また鹿島氏は、AIが用いられることで金融の安定が損なわれる可能性も指摘した。例えば、よいパフォーマンスを出す投資アルゴリズムがあれば市場参加者はこぞってこれを採用しようとし、アルゴリズムが1つのモデルに集約されてしまう可能性がある。最近、HFT(コンピューターによる高頻度取引)によって金融商品価格の変動が増幅されているのではないかともいわれているが、鹿島氏が指摘するようにアルゴリズムの単一モデル化が進むと、国際的な金融危機を引き起こす原因にもなりうることが懸念される。

 それでは、アルゴリズムのブラックボックス化に対しては、どのようなガバナンスがありえるのか。後述する東京大学の柳川教授の発表にもあるように、政府によるハードローと、技術や市場メカニズム、自主規制等も含めたソフトローを組み合わせることになる。その際、イノベーションの失速やモノカルチャーを誘発しない難しいバランスが求められる。鹿島氏によれば、ハードローのアプローチとしては、例えば、データを保存しているストレージに関する報告の義務づけや、公的機関からの要求に応じたアルゴリズムやプロセスの開示などが考えられる。そのほか、AIを開発するITデベロッパーや金融機関は顧客に対して、AIの特徴や限界を十分に説明し、責任の所在等について、契約で明確化しておく必要も示された。

 また、現在の日本や米国の法規制では、市場での相場操縦行為等の不公正取引規制違反を問うには、「取引を誘引する目的」等の主観的要件が必要とされるが、現在のAIは意識を持った主観的存在とは見なされていない。AIが学習を通じそうした取引を行う場合への対応として、今後、法の枠組みを再検討する必要があるかもしれないという、鹿島氏の指摘には留意しておくべきだろう(注3)

3.政府の取り組み

企業が安心してデータを共有できる契約ガイドライン

 ビッグデータの利活用が競争力の源泉となるなか、政府の取り組みも活発化している。経済産業省商務情報政策局情報経済課情報政策企画調整官の遠山敬彦氏は同省が2017年に打ち出したコンセプトである「Connected Industries」に基づいた、産業データを共有するための取り組みについて発表を行った。

 Connected Industriesは、事業所・工場、技術・技能等の電子データ化は進んでいるが、それぞれバラバラに管理され、連携していないという問題意識のもと、データをつなげ、有効活用することにより、技術革新、生産性向上、技能伝承などを通じて、新たな付加価値を生み出すことを目的としている。同省ではこのコンセプトに基づき、「自動運転・モビリティ」「ものづくり・ロボティックス」「プラント・インフラ保守」「スマートライフ」「バイオ・素材」を重点分野に指定し、産業間の連携を進めている。

 遠山氏はConnected Industriesの成功のカギはデータ共有の促進であり、関係者間の信頼性の構築が必須と指摘する。データ提供には企業秘密やノウハウの流出、プライバシー権の侵害などのリスクが伴う。安心してデータ共有を行うためには、契約を通じて、データの利用権限、収益の配分、損害や事故があったときの責任分担などを明確にしておく必要がある。同省ではデータの流通や利用を対象とする契約について、一般的に契約で定めておくべき事項を整理したガイドラインを2017年5月に策定し、2018年6月にデータの取引に係る類型・分野ごとのユースケースを大幅に拡充するとともに、AIの利用・開発に係る契約モデル等を新たに追加する改訂を行った(注4)。これをベースにすれば企業は提携先との議論を進めやすくなる。また2018年6月には、セキュリティー対策等の要件を満たしている企業に対して、政府が認証を行う仕組み「データ共有事業認定制度」も施行された。こうしたデータ共有の環境整備によって、大企業と技術力を持ったスタートアップ企業のコラボレーションが進むことも期待されるという。

企業の個人データ利活用を後押しする「情報銀行」

 政府の取り組みは、産業データだけではなく、個人データの利活用促進にも向けられている。総務省では「情報銀行」の認定指針を整備、個人データを流通させる民間事業を活発化させようとしている。情報銀行とは、個人または事業者が保有する個人データを、本人の同意のもとで安全に収集・管理・提供するビジネスモデルである。

 2016年にはフィンランドでデータの権利を巨大企業から個人に取り戻そうという「MyData」のムーブメントが起こって世界に広まり、2018年に施行されたEUの「一般データ保護規則(GDPR)」にも大きな影響を与えた。総務省出身で、現在、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室参事官の吉田宏平氏によれば、日本の情報銀行はユーザーセントリック、すなわちユーザーが自分のデータを自分のメリットのために使う、そのような利活用に資することを目指した仕組みだということだ。ユーザーは情報銀行のサービス上から自身の個人データを提供してもよい事業者を選択、情報銀行が事業者へのデータの提供を行う。ユーザーの意志によって第三者へのデータ提供を停止したり、事業者が閲覧した履歴の確認も可能になる(図2)。

図2 情報銀行のイメージ

※本人には便益が還元されず、社会全体にのみ便益が還元される場合もある。 出所)内閣官房(2017)『AI、IoT時代におけるデータ活用ワーキンググループ中間とりまとめの概要』

 吉田氏の報告から伝わってくるのは、日本の現状に対する危機意識だ。GAFAやアリババのように、膨大な個人データを収集・蓄積し、流通させることでビジネス化している巨大企業は、日本にはほぼ存在していない。吉田氏は、個人的な見解と断った上で、その背景には、日本のユーザーのデータ取引に対する不安感や、情報漏えいやプライバシー侵害などの事故によって評判が損なわれることを恐れる企業文化があるのではないか、と指摘する。日本のほとんどのサービスは、他社のデータにまたがることなく、1社のみで蓄積した限られた個人データに基づいて運営されているために、GAFAのようなサービスが提供できずにいるのではないか。政府が情報銀行の認定指針を整備したのは、ユーザー側の不安を取り除きつつ、企業の参入障壁を低くするのが狙いだ。なお、前項のデータ取引市場においては、情報銀行はデータ提供者の一部となることも付記したい。

GDPRとビッグデータ活用

 本ワークショップでは、GDPRに関する議論も行われた。GDPRは「EU基本権憲章」というEU法体系の根幹をなす法において保障されている、個人データの保護に対する権利という基本的人権の保護を目的とした法律である。個人データの処理、および個人データを欧州経済領域から第三国に移転するために満たすべき法的要件を規定している(注5)。違反に対しては厳しい行政罰(制裁金)を定めている。

 このようにヨーロッパで個人データ保護が強まるなかで、本ワークショップでは、いかにビッグデータ利活用を進めていくかがテーマとなった。「イノベーションの環境整備において個人情報保護の体制構築は必要条件」「個人情報保護とピッグデータ活用の価値観を、諸外国と共有しながらイノベーションを起こしていくことが大事」という、今後のデータ利活用における基本的な認識が示された。個人データの流通は個人の同意が前提だが、自らのデータに対する認識が適切でなければ、データ流通の阻害要因にもなりうるだろう。個人データ保護の環境整備が進むなかで、自らのデータの価値を正しく理解するための支援や、プライバシーに関する認識と行動の不一致のメカニズムの解明は課題といえよう。

データの規制を考える

 ここでデータに関する法律についてまとめてみたい。森・濱田松本法律事務所の宇都宮秀樹弁護士は、個人データと産業データに関して以下の整理を行った。

 日本では個人データに関して、個人保護法で同意に基づく収集と利用が許されている。ここで問題となるのが、消費者の同意を得ていることの意味である。消費者は、場合によっては強要されているかもしれない。ロックイン効果により他のプラットフォーム企業への切り替えが困難なケースもあり、同意が取れればよいというものでもない。日本では個人のポータビリティは法令上保護されておらず、ある企業が収集した個人情報は、たとえ本人が希望しても、他の企業に情報を移し替えることはできない。この点についての対応が求められる。

 他方、産業データについては、政府の説明にもあったように、公平な利用に関するガイドラインが提示されており、利用しやすいよう制度整備が進められているといえる。法律ではない、ソフトローとしての運用で対応できているといえる。

大企業と中小企業のデジタルデバイド解消に向けた取り組み

 当日モデレータを務めたマックス・プランク・イノベーション・競争研究所長のディートマー・ハーホフ氏から、後日あらためて、ドイツ政府の抱える課題と現状についてNIRAに寄稿いただいたので、紹介したい(注6)

 ドイツはビッグデータ活用において米国に水をあけられており、国内大企業と中小企業間にもデジタルデバイドのリスクがある。変化の重要性を十分に認識しておらず、資金も十分でない中小企業に対しては、政府による特別な支援が必要というのがハーホフ氏の指摘だ。

 さまざまな教育課程のカリキュラムにコンピューターサイエンスを取り入れる、「オープンガバメント化」を進めて行政データを公開していく、こうした指摘は日本の抱えている課題とも共通する。ドイツでは最近、効率的な行政データとEガバメントのポータルを設立・運営する法的枠組みが確立されたという。

 ハーホフ氏が強調するのは、著作権やデータ保護など、デジタル経済に向けた未来志向の法的枠組みをつくることの重要性だ。その際に、既存ビジネスモデルへの既得権や特権を優先するのではなく、デジタル経済モデルを迅速に導入できる枠組みにするべきという、同氏の提言はそのまま日本にも当てはまる。

4.「資源」の特性を理解せよ

ビッグデータを巡る規制や制度はどうあるべきか

 GAFAを始めとする巨大プラットフォーム企業群は、データの世界で独占的な立場を築いている。特定のプラットフォーム企業によって消費者がロックインされ、ダイナミックな規模で市場での独占的な企業が変化するという点が新しい現象である。それでは、これらプラットフォーム企業に対して、どのような規制が必要なのだろうか。冒頭でも述べたようにモノとデータでは特性が異なるため、これまでの法規制の概念がそのままでは通用しない。東京大学大学院経済学研究科の柳川範之教授は、プラットフォーム企業のデータに関する規制や制度の整備を行う上での論点の全体像を示した。

 まず課題になるのは、そもそもビッグデータにおける「独占」とは何かだ。従来の独占企業は、独占による優位を利用してモノの値段をつり上げて消費者や取引先の利益を損なうため、政府が規制を行う必要がある。その際、企業が独占的な優位性を利用して価格を引き上げることは許されるものではないという競争法の考えが基本にある。しかし、現実に起こっていることは、魅力的なサービスを無料あるいは安い価格で提供しているという事実であり、政府はこれを規制すべきなのか、ということになる。すなわち、プラットフォーム企業がデータを独占的に保有していること自体がどういう問題があるのか、という根本的な問いから始める必要がある。

 また、個人データの保護に関しても、国民の意識は国や文化によって大きく異なり、シンプルな解答があるわけではない、という点も重要だ。日本では個人データを政府が管理することに対して不安を抱く人が多いが、例えば、中国ではあまり問題視されていない。規制の主体も政府か民間企業かなどさまざまな選択肢がありえる。EUが主導して制定した欧州のGDPR原則では、データの所有権が個人にあることを基本にしており、それ自体は非常に重要なことではあるが、実際に施行された規制によって個人の行動が変わるかは、まったく別の問題である。他国の制度をそのまま日本に取り入れても、それが日本の消費者の行動を大きく変えるとは言いきれず、消費者の意識が変わらなければデータ所有権の保護の強化にはならない可能性もあろう。

 その一方で、データ分析を促進するためのルールづくりも重要である。データは集約しただけでは価値が生まれない。集めたデータの価値を引き出すには、データの取引市場の整備、知財の明確化、市場ルール、情報バンク等の仕組みを構築することが必要になる。国内で規制する手段としては、法律を制定して規制するハードローと社会規範による自主的なソフトローがありえる。経産省の委員会では、ハードローとソフトローをどう組み合わせるかの議論が進行中である。

 しかし、国や文化によって規制が異なってくると、その違いを国家間でどう調整するかも課題になる。その調整は、国際的な競合のなかで自然に生み出されていくものなのか、国際的な組織を設立して調整をしていくべきか。柳川教授によれば、ビッグデータ規制に関して、現状ではWTOが効果的に機能するとは考えにくいとのことである。

独占禁止法の観点からビッグデータを考える

 現行の独禁法がビッグデータの課題にどう対処しうるのか、その考え方を示したのが、森・濱田松本法律事務所の宇都宮秀樹弁護士である。

 独占禁止法では、単に独占的な立場にあるというだけでは規制対象にはならない。独占的な立場を利用した、競争相手を排除する行為など、競争制限につながる人為的な行為を取り締まるのが独禁法だ。

 データには競争を促進する特性と、競争を阻害する特性の両面がある。入手やコピー、所有が容易なデータは、一般的には競争を促進する。これに対し、入手が困難あるいは情報源が限られているデータは、競争の阻害につながりうる。例えば、機械からセンサーでデータを取得するケースで、センサーを1つしか設置できないとしたら、その機械の稼働データを用いた競争は、センサーを設置した企業が左右できることになる。また、異なるタイプのデータを組み合わせたり、膨大な量のデータを蓄積することで、データの価値は増大していく。データの種類や量が増えれば増えるほど、魅力的な商品やサービスを提供しやすくなり、さらに競争力を増すネットワーク効果が生まれるのも、モノとは異なるデータの特性だ。AIによるビッグデータ解析によって、ネットワーク効果が過度に進み、市場支配的地位が形成されやすくなると、競争阻害に留意すべき場面も増えることになる。

 では、こうしたデータの特性を踏まえた上で、どのような行為が独禁法の規制対象になるのだろうか。データ収集と利用に分けて検討が必要である。

図3 独占禁止法上の課題

出所)宇都宮秀樹弁護士ワークショップ当日資料「Data and Japanese Competition Law」より作成 

 まずデータ収集についていえば、1社で行うのであれば問題になることは少ないが、有力企業がその有力性を背景に、他社に対してデータの提供を強要する場合には独禁法違反となりうる。また複数社が共同でデータ収集を行うケースでは、単独でも収集可能であるにもかかわらず共同で収集し、個々の企業による自由なデータ収集が制限されることになると、やはり独禁法違反となりうる(図3)。

 他方、データ利用においては、企業が収集したデータを誰に提供するか(あるいは提供しないか)は、原則として企業が自由に決定することができる。しかし、当該データが取引相手の事業にとっても不可欠であり、かつ、その取引相手がそれに代わるデータを持っていない場合や、従来データを提供してきた取引相手に対し、合理的な理由なしにデータ提供を拒否する場合などは違法になるケースがあるという。例えば、大手デジタルプラットフォーマーが、自社が収集したデータを競合他社に提供することを拒んだとしても、それだけで独禁法違反になるわけではないが、従来取引相手にデータを提供しており、取引相手は提供されたデータに依存して事業を営んでいるにもかかわらず、突如、合理的な理由なしにデータの提供を拒み、それにより取引相手の事業継続が困難となるような場合には、問題となる。

 さらに、今後の企業間のM&Aでは、データの利活用を通じた競争への影響を検討することが欠かせなくなる。競争上重要なデータを保有している企業を対象としたM&Aに対して、公正取引委員会など国内外の競争当局は、これまで以上に幅広い視点からの検討が要求されることになるだろう。その一方で、過剰規制にならないよう、競争当局には、バランスのとれた執行が求められている。

おわりに

 冒頭で、ビッグデータは21世紀の石油であると表現した。資源であるデータをいかに収集していくのか。データを活用するために必要となる集約のプロセスは容易ではない。集約されたビッグデータを流通、取引するための多様な経路の開発も緒についたばかりだ。

 また、やみくもなデータ収集は、プライバシーや著作権の侵害を引き起こしかねないが、その一方で、守るべき権利を過剰に保護すると、イノベーションや健全な競争を阻害することにもつながる。両者のバランスをどう取っていくべきか。

 さらに、AIが惹起(じゃっき)する倫理的課題やブラックボックス化といった、19世紀には想像もできなかった課題への対応も求められる。

 かつて石油が20世紀にもたらした社会の混乱、分裂、破壊が、21世紀のデータの覇権を巡って起きないようにしなければならない。そのためにも、われわれにはデータという新たな資源の特性を適切に理解し、正しく扱い、価値を生み出していく知恵が求められている。

引用を行う際には、以下を参考に出典の明記をお願いいたします。
(出典)NIRA総合研究開発機構・ドイツ日本研究所(2019)「21世紀の「資源」:ビッグデーター技術、ビジネス、法の観点から考える」NIRAオピニオンペーパーNo.43

脚注
* 議論は非公開で行われたが、成果の公表をご快諾いただいたフランツ・ヴァルデンベルガー氏(ドイツ日本研究所所長)、ウリケ・シェーデ氏(カリフォルニア大学サンディエゴ校教授)、ディートマー・ハーホフ氏(マックス・プランク・イノベーション・競争研究所所長)の3名のモデレータおよび全参加者に謝意を表したい。また、本ワークショップの企画・準備にあたり、ヴァルデンベルガー所長の協力を得たことに重ねて謝意を表したい。本稿は、本ワークショップの議論に基づき、NIRA総研の井上敦・榊麻衣子、および山路逹也が編集したものである。本議論の一部は、NIRA(2018)「ビッグデータ本格活用へ」『わたしの構想』No.39、2018年12月で公表済。 * 議論は非公開で行われたが、成果の公表をご快諾いただいたフランツ・ヴァルデンベルガー氏(ドイツ日本研究所所長)、ウリケ・シェーデ氏(カリフォルニア大学サンディエゴ校教授)、ディートマー・ハーホフ氏(マックス・プランク・イノベーション・競争研究所所長)の3名のモデレータおよび全参加者に謝意を表したい。また、本ワークショップの企画・準備にあたり、ヴァルデンベルガー所長の協力を得たことに重ねて謝意を表したい。本稿は、本ワークショップの議論に基づき、NIRA総研の井上敦・榊麻衣子、および山路逹也が編集したものである。本議論の一部は、NIRA(2018)「ビッグデータ本格活用へ」『わたしの構想』No.39、2018年12月で公表済。
1 Google、Apple、Facebook、Amazonの略称 1 Google、Apple、Facebook、Amazonの略称
2 Chen,M.,Mao,S.,& Liu, Y.(2014). “Big data: A survey. ” Mobile networks and applications,19(2),171-209. 2 Chen,M.,Mao,S.,& Liu, Y.(2014). “Big data: A survey. ” Mobile networks and applications,19(2),171-209.
3 日本銀行金融研究所(2018)『「アルゴリズム・AIの利用を巡る法律問題研究会」報告書─投資判断におけるアルゴリズム・AIの利用と法的責任』では、投資判断にアルゴリズム・AIを利用する場合の法的問題について詳しく議論している。 3 日本銀行金融研究所(2018)『「アルゴリズム・AIの利用を巡る法律問題研究会」報告書─投資判断におけるアルゴリズム・AIの利用と法的責任』では、投資判断にアルゴリズム・AIを利用する場合の法的問題について詳しく議論している。
4 経済産業省(2018)『AI・データの利用に関する契約ガイドライン』参照。 4 経済産業省(2018)『AI・データの利用に関する契約ガイドライン』参照。
5 JERTO(2016)『EU一般データ保護規則(GDPR)」に関わる実務ハンドブック(入門編)』に基づき記載。 5 JERTO(2016)『EU一般データ保護規則(GDPR)」に関わる実務ハンドブック(入門編)』に基づき記載。
6 NIRA(2018)「ビッグデータ本格活用へ」『わたしの構想』No.39,2018年12月 6 NIRA(2018)「ビッグデータ本格活用へ」『わたしの構想』No.39,2018年12月

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発行人:牛尾治朗
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