伊藤元重
総合研究開発機構理事長

川口章
同志社大学政策学部教授

白波瀬佐和子
東京大学大学院准教授

辻明子
総合研究開発機構リサーチフェロー

新井直樹
総合研究開発機構リサーチフェロー

 政策レビューNo.25  2008.04

女性就労の課題

概要

 現代の社会や経済の問題を的確に捉えるために、家庭の構造や、家庭内での営みを分析することの重要性が増している。今回のテーマである女性就労の問題について、狭義の労働市場や雇用条件の問題だけに限定していたのでは、本質的な解決は期待できない。家庭内での夫婦の分業、社会のサポートシステムの整備など、労働市場の外での対応が鍵となるだろう。女性の就業の現状と課題について、議論する。

■問題提起
 女性就労の課題
 伊藤元重 総合研究開発機構理事長

■視点・論点
 1.企業による仕事と家庭の両立支援の推進を
 川口章 同志社大学政策学部教授

 2.少子化の中の女性労働参加
 白波瀬佐和子 東京大学大学院准教授

■論点の背景
 女性労働力の現状と取り組み
 辻明子 総合研究開発機構リサーチフェロー

■政策研究の最前線
 政策シンクタンクと地域政策のあり方
 新井直樹 総合研究開発機構リサーチフェロー

伊藤元重(いとう もとしげ)
東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。2006年2月よりNIRA理事長。最新著書は『キーワードで読み解く経済』[2008]NTT出版。

川口章(かわぐち あきら)
京都大学経済学部卒。1991年オーストラリア国立大学大学院経済学博士号(Ph.D.)取得。専攻は労働経済学、ジェンダー政策。2004年4月より同志社大学政策学部教授。著書に『雇用社会の法と経済』(共著)[2008]有斐閣等。

白波瀬佐和子(しらはせ さわこ)
1997年英国オックスフォード大学社会学博士号(D.Phil.)取得。専攻は、社会階層・格差論、人口変動の社会学。2006年4月より現職。主な書著に『少子高齢社会のみえない格差』(2005年、東京大学出版会)、編著『変化する社会の不平等』(2006年、東京大学出版会)がある。

辻明子(つじ あきこ)
2001年早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。早稲田大学人間科学部助手を経て2007年より現職。専門分野は社会学、人口学。

新井直樹(あらい なおき)
群馬県高崎市出身。早稲田大学社会科学部卒業後、日本放送協会(NHK)報道局記者、読売新聞社編集局記者を経て、2005年、高崎経済大学大学院地域政策研究科修了、博士(地域政策)。高崎経済大学附属地域政策研究センター研究員を経て、2007年、NIRAリサーチフェロー。共著として「自治体職員のための政策形成ゼミナール」ぎょうせい〔2003〕。高崎経済大学地域政策学部・高崎健康福祉大学非常勤講師。

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