伊藤元重総合研究開発機構理事長 生源寺眞一東京大学大学院農学生命科学研究科教授 鈴木宣弘東京大学大学院農学生命科学研究科教授 大澤信一(株)日本総合研究所主任研究員 政策レビューNo.16 2007.06農業国際化への視点概要 日本の農業の現状は惨憺たる状況だ。このような状況になるまで有効な手を打って来ることができなかった農業政策のあり方が問われている。日本の農業・食料のあるべき姿を考えるとき、国際化という視点を抜きにして語ることはできない。新興国の台頭など、世界の情勢も大きく変化しようとしている。今までの政策を維持していくのか、それとも自由化を前提として日本の農業や食料の強化策を積極的に推し進めるのか、大きな決断を迫られている。日本の農業や食料のあるべき姿について、多様な視点で議論する。 全文を読む ■問題提起 農業国際化への視点 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.高所得成熟社会と農業のゆくえ 生源寺眞一 東京大学大学院農学生命科学研究科教授 2.規制緩和と日本の食料・農業 鈴木宣弘 東京大学大学院農学生命科学研究科教授 ■論点の背景 求められる日本の風土に根ざした農業再生プラン ~注目すべき、「進化する」地産地消型ビジネス・モデル~ 大澤信一 (株)日本総合研究所主任研究員 伊藤元重(いとう もとしげ) 東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。2006年2月よりNIRA理事長。著書に『はじめての経済学(上・下)』[2004]日本経済新聞社等多数。 生源寺眞一(しょうげんじ しんいち) 1951年愛知県生まれ。東京大学農学部卒。専攻は農業経済学。著書に『現代日本の農政改革』[2006]東京大学出版会、『よくわかる食と農のはなし』[2005]家の光協会など。1999年にNIRA政策研究・東畑記念賞を受賞。現在、日本フードシステム学会会長。 鈴木宣弘(すずき のぶひろ) 1982年東京大学農学部卒。同年農林水産省入省。九州大学農学部助教授、教授を経て2006年9月から現職。日本学術会議連携会員。著書に『FTAと日本の食料・農業』[2004]筑波書房等多数。 大澤信一(おおさわ しんいち) 1980年東北大学経済学部卒。現在(株)日本総合研究所主任研究員。専門はアグリビジネス、マーケティング。著書に『セミプロ農業が日本を救う』[2007]東洋経済新報社、『新・アグリビジネス』[2000]東洋経済新報社等。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp