伊藤元重
総合研究開発機構理事長

木内登英
野村證券株式会社金融経済研究所シニアエコノミスト

白川浩道
クレディ・スイス証券株式会社経済調査部長

岡田恵子
(財)連合総合生活開発研究所主任研究員

 政策レビューNo.14  2007.03

個人消費は回復するか

概要

 消費の伸びの鈍いことが、景気の本格的な回復の障害になっている。景気回復のプロセスでは所得の増加が消費拡大をもたらし、消費拡大が生産拡大を刺激し、それが追加的な所得増加、さらには消費の拡大へとつながる乗数効果が働く。このような乗数効果が十分に発揮されないかぎり、持続的な景気拡大とはならない。なぜ消費の伸びが鈍いのか、個人消費は回復するのか、議論する。

■問題提起
 個人消費は回復するか
 伊藤元重 総合研究開発機構理事長

■視点・論点
 1.景気回復は消費主導の後半戦へ
 木内登英 野村證券株式会社金融経済研究所シニアエコノミスト

 2.個人消費の持続的回復は期待できない
 白川浩道 クレディ・スイス証券株式会社経済調査部長

■論点の背景
 個人消費の動向について
 岡田恵子 (財)連合総合生活開発研究所主任研究員

伊藤元重(いとう もとしげ)
1951年生まれ。東京大学経済学部卒。79年米国ロチェスター大学大学院経済学博士号(Ph.D.)取得。専攻は国際経済学、流通論。96年より東京大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。2006年2月よりNIRA理事長。(特非)金融知力普及協会理事長、政策分析ネットワーク代表。著書に『伊藤元重の経済がわかる研究室』[2005]編著、日本経済新聞社、『ゼミナール国際経済入門 改訂3版』[2005]日本経済新聞社、『はじめての経済学(上・下)』[2004]日本経済新聞社など多数。

木内登英(きうち たかひで)
1987年早稲田大学政治経済学部卒。同年野村総合研究所入社。90年野村総合研究所ドイツ、96年野村総合研究所アメリカ。2004年より野村證券金融経済研究所シニアエコノミスト。

白川浩道(しらかわ ひろみち)
1983年、日本銀行入行。金融研究所エコノミスト、米国留学を経て、経済協力開発機構エコノミスト(91~94年)。その後、日銀に戻り、国際局、金融市場局で調査役を歴任、99年に退職し、UBS証券チーフエコノミスト。2006年4月から現職。著書『マネーサプライと経済活動』[1996](共著)東洋経済新報社など。

岡田恵子(おかだ けいこ)
京都大学経済学部卒。経済企画庁調査局、横浜市経済局、内閣府大臣官房等を経て、2006年4月より現職。

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