伊藤元重総合研究開発機構理事長 木村福成慶應義塾大学経済学部教授 朱炎(株)富士通総研経済研究所主席研究員 下井直毅多摩大学経営情報学部助教授 政策レビューNo.13 2007.03日中貿易関係の深化へ概要 中国は、WTO加盟など、大胆な貿易・投資の自由化によって著しい経済成長を遂げ、経済大国としての地位を着実に固めている。日中間の貿易・投資の構造が大きな転機を迎えつつあり、中国との貿易・投資の重要性が増している。さらに、アジア太平洋地域におけるFTA展開が加速している。過去数年間、日中間の経済連携の協議は全く進んでいなかったが、経済的な面から、日中間のFTAを真剣に考える時期に来ていると言える。日中貿易促進の展望と課題について議論する。 全文を読む ■問題提起 日中貿易関係の深化へ 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.中国の「普通の国」への歩みと日中FTA 木村福成 慶應義塾大学経済学部教授 2.中国の高成長を日本の成長要因に 朱炎 (株)富士通総研経済研究所主席研究員 ■論点の背景 日中の貿易投資について 下井直毅 多摩大学経営情報学部助教授 伊藤元重(いとう もとしげ) 1951年生まれ。東京大学経済学部卒。79年米国ロチェスター大学大学院経済学博士号(Ph.D.)取得。専攻は国際経済学、流通論。96年より東京大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。2006年2月よりNIRA理事長。(特非)金融知力普及協会理事長、政策分析ネットワーク代表。著書に『伊藤元重の経済がわかる研究室』[2005]編著、日本経済新聞社、『ゼミナール国際経済入門 改訂3版』[2005]日本経済新聞社、『はじめての経済学(上・下)』[2004]日本経済新聞社など多数。 木村福成(きむら ふくなり) 東京大学法学部卒。1991年米国ウィスコンシン大学大学院経済学博士号(Ph.D.)取得。専攻は国際貿易論、開発経済学。著書・論文に『国際経済学入門』[2000]日本評論社、『東アジア国際分業と中国』[2002]ジェトロ(共編著)など。 朱炎(しゅ えん) 中国復旦大学経済学部、一橋大学大学院卒。専門は中国経済、アジア経済。1990年より富士総合研究所、1996年より富士通総研。著書に『台湾企業に学ぶものが中国を制す』[2005]東洋経済新報社など多数。 下井直毅(しもい なおき) 東京大学経済学部卒。同大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。専攻は国際経済学。日本学術振興会特別研究員を経て、2005年より現職。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp