伊藤元重総合研究開発機構理事長 後藤晃東京大学先端科学技術研究センター教授 祝迫得夫一橋大学経済研究所助教授 大西宏一郎文部科学省科学技術政策研究所研究員 政策レビューNo.12 2007.02イノベ ーション促進への課題概要 少子高齢化の中で日本経済が活性化するためには、TFP(全要素生産性)と呼ばれる生産性の上昇を高めるような社会環境が必要だ。TFPを引き上げるには、特に、生産性向上の持続性の観点から、イノベーションがその鍵を握っている。しかし、日本のイノベーションの現状は非常に厳しい。バブル崩壊後の日本は、生産性の上昇という成果においても、研究開発への資金投入においても、欧米に比べて大きく劣っている状況にある。こうした状況を抜本的に変える必要がある。どのような制度設計や政策が必要か、議論する。 全文を読む ■問題提起 イノベ ーション促進への課題 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.日本経済、生産性、イノベーション 後藤晃 東京大学先端科学技術研究センター教授 2.イノベーションを促進する金融・財政システムの整備を 祝迫得夫 一橋大学経済研究所助教授 ■論点の背景 90年代における日本企業のイノベーション活動と生産性 大西宏一郎 文部科学省科学技術政策研究所研究員 伊藤元重(いとう もとしげ) 1951年生まれ。東京大学経済学部卒。79年米国ロチェスター大学大学院経済学博士号(Ph.D.)取得。専攻は国際経済学、流通論。96年より東京大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。2006年2月よりNIRA理事長。(特非)金融知力普及協会理事長、政策分析ネットワーク代表。著書に『伊藤元重の経済がわかる研究室』[2005]編著、日本経済新聞社、『ゼミナール国際経済入門 改訂3版』[2005]日本経済新聞社、『はじめての経済学(上・下)』[2004]日本経済新聞社など多数。 後藤晃(ごとう あきら) 一橋大学卒業。一橋大学博士(経済学)。成蹊大学、一橋大学を経て、2001年東京大学先端経済工学研究センター教授、2003年同センター長、2004年から現職。 祝迫得夫(いわいさこ とくお) 1997年、ハーバード大学大学院博士課程修了(経済学Ph.D.)。筑波大学社会工学系講師、一橋大学経済研究所講師を経て、2002年4月より現職。専門はファイナンス、マクロ経済学。 大西宏一郎(おおにし こういちろう) 一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。知的財産研究所を経て2006年8月より現職。専門分野は産業組織論、イノベーションの経済学。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp