[ゲスト] チャールズ・レイク米日経済協議会副会長/アフラック会長 [聞き手] 伊藤元重総合研究開発機構理事長 対談シリーズNo.58 2011.01日本にいま黒船は来ない概要 中国の台頭により、アメリカにおける日本の存在感が薄くなっているともいわれている。黒船来航から貿易摩擦を経て、新たに建設的な日米関係をどのように築いていけるのか。米国通商代表部(USTR)日本部長などを歴任され、米日経済協議会副会長を務める、アフラックのチャールズ・レイク会長にお聞きした。 全文を読む 対談のポイント ●GDPの推移だけによって、日本の地位が下がるということはない。問題なのは、日本が経済成長のための潜在的な能力を十分に活かしていないことである。日本はグローバル社会が評価する明確な成長戦略を出し、日本市場のさらなる可能性を示すべきである。 ●アメリカが2011年のAPECハワイ会議で基本合意しようとしているTPPは、WT0との整合性も高い包括的かつ本格的な広域経済連携協定である。 ●日本のTPP参加に関して、農業などの個別問題が話題となっている。しかし、本当に問われているのは、TPPというビジョンの下に、ヒト、モノ、カネの全てが自由に動けるような構造改革を行う覚悟が日本にあるかである。 ●「日米関係は世界で比類なき最も重要な二国間関係」であるが、黒船という外圧を利用した形での日米交渉はもはや時代遅れである。TPP参加にあたっても、日本は対等な戦略的パートナーとして、自らの判断で国内の改革を進めていく必要がある。 チャールズ D.レイク II(Charles D. Lake II) 米国生まれ。3~15歳まで日本に在住、日本の義務教育を受ける。ジョージ・ワシントン大学法科大学院にて法学博士号取得。米国通商代表部日本部長、次席通商代表付法律顧問などを歴任後、米国の法律事務所で弁護士として勤務。1999年アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)入社、2003年より日本における代表者・社長、2008年より同会長(現職)。米日経済協議会副会長、在日米国商工会議所(ACCJ)名誉会頭、マンスフィールド財団副会長、株式会社東京証券取引所グループ社外取締役等を兼務。著書『GREAT JAPAN 偉大なる国へ 黒船はもう来ない!』(朝日新聞出版社、2009年)。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp