伊藤元重
総合研究開発機構理事長

土居丈朗
慶應義塾大学経済学部教授

八代尚宏
国際基督教大学教養学部客員教授

太田哲生
総合研究開発機構総括主任研究員

 政策レビューNo.55  2012.02

先送り許されぬ社会保障・税の一体改革

概要

 ユーロ危機は、安定的な財政運営を行う上で、市場の信頼が極めて重要であることを示した。日本政府が抱える債務の発散を防ぎ、市場の信頼を維持するため、社会保障と税を一体的に改革することは避けて通ることのできない課題である。しかし、負担増への反対は根強く、改革が着実に実行されるかは依然として不透明な状況にある。本号では、政府が現在取り組む社会保障・税の一体改革の意義や問題点、改革の先送りがもたらす影響、今後さらに取り組むべき社会保障改革のあり方等について論じている。

■問題提起
 先送り許されぬ社会保障・税の一体改革
 伊藤元重 総合研究開発機構理事長

■視点・論点
 1.社会保障の安定財源確保と財政健全化を同時達成させる方策
 土居丈朗 慶應義塾大学経済学部教授

 2.真の社会保障・税一体改革を
 八代尚宏 国際基督教大学教養学部客員教授

■解説・解題
 先送り許されぬ社会保障・税の一体改革
 太田哲生 総合研究開発機構総括主任研究員

伊藤元重(いとう もとしげ)
NIRA理事長。東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。最新著書は『財政再建の道筋』(2011年4月)、総合研究開発機構。

土居丈朗(どい たけろう)
大阪大学経済学部卒。1999年東京大学博士(経済学)取得。専攻は公共経済学、財政学。2009年より現職。最近の著作に、『日本の税をどう見直すか』(2010年)日本経済新聞出版社ほか多数。

八代尚宏(やしろ なおひろ)
国際基督教大学教養学部卒。メリーランド大学経済学博士。労働経済学・日本経済論専攻。上智大学教授、日本経済研究センター理事長、国際基督教大学教養学部教授等を経て、2011年4月より現職。最近の著作に『成長産業としての医療と介護―少子高齢化と財源難にどう取り組むか』共編著(2011年)、日本経済新聞出版社、『新自由主義の復権―日本経済はなぜ停滞しているのか』(2011年)、中央公論新社ほか。

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