伊藤元重
総合研究開発機構理事長

金本良嗣
政策研究大学院大学教授・学長特別補佐

八田達夫
大阪大学招聘教授

加藤裕己
総合研究開発機構編集主幹

 政策レビューNo.53  2011.09

改革迫られる電力政策

概要

 本年3月の震災以降、原発の安全性に疑念が持たれ、原発が定期点検などで停止したことで電力の安定供給に問題が生じた。現在のところ、需要家の節電努力や天候条件に恵まれたことから大規模停電などの深刻な事態に陥っていないが、それにも限界がある。電力の安定供給をどう実現するか。また、CO2を出さない原発は、地球温暖化対策でも便益があるとされてきたが、見直しが必須だ。電力政策を今後どのように改革すべきか、議論する。

■問題提起
 改革迫られる電力政策
 伊藤元重 総合研究開発機構理事長

■視点・論点
 1.岐路に立つ電力市場自由化:原発事故後こそ冷静な政策選択を
 金本良嗣 政策研究大学院大学教授・学長特別補佐

 2.原子力発電の費用と便益
 八田達夫 大阪大学招聘教授

■解説・解題
 改革迫られる電力政策
 加藤裕己 総合研究開発機構編集主幹

伊藤元重(いとう もとしげ)
NIRA理事長。東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。最新著書は『財政再建の道筋』(2011年4月)、総合研究開発機構。

金本良嗣(かねもと よしつぐ)
米国コーネル大学Ph.D.。専攻は、都市経済学、公共経済学、交通経済学。東京大学経済学部教授等を経て、2011年4月より現職。近著に、『政策評価ミクロモデル』共著(2006)、東洋経済新報社ほか。

八田達夫(はった たつお)
国際基督教大学教養学部卒。ジョンズ・ホプキンス大学経済学博士。専攻は公共経済学。前政策研究大学院大学学長。2011年4月より現職。また現在、学習院大学経済学部客員研究員を兼任。近著に『日本の農林水産業』共著(2010)、日本経済新聞出版社、電力分野では『電力自由化の経済学』共著(2004)、東洋経済新報社ほか。

加藤裕己(かとう ひろみ)
1974年東京大学経済学部卒。経済企画庁入庁。経済社会総合研究所総括政策研究官、内閣府官房審議官(経済財政分析担当)、日本エネルギー経済研究所理事を経て、2006より年東京経済大学経済学部教授。 2006年より本誌編集主幹。

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