伊藤元重
総合研究開発機構理事長

森信茂樹
中央大学法科大学院教授

土居丈朗
慶應義塾大学経済学部教授

加藤裕己
総合研究開発機構編集主幹

 政策レビューNo.52  2011.07

復興財源を考える

概要

 東日本大震災からの復興には膨大な財政資金が必要で、公債を発行せざるを得ない。その償還を増税で行うべきか否か、意見が分かれている。本号では、復興財源は後世代に負担を残すべきではなく、現在の厳しい財政状況を踏まえ基幹税を活用した増税での償還が必要であること、消費税、所得税、法人税にはそれぞれ一長一短あり、特性を見極め適切な税目を用いるべきこと、また、増税による財源調達が景気へ悪影響を及ぼす懸念はないことなどが議論された。

■問題提起
 復興財源を考える
 伊藤元重 総合研究開発機構理事長

■視点・論点
 1.復興財源は、所得税を中心に
 森信茂樹 中央大学法科大学院教授

 2.使途に応じた復興財源の選択
 土居丈朗 慶應義塾大学経済学部教授

■解説・解題
 復興財源を考える
 加藤裕己 総合研究開発機構編集主幹

伊藤元重(いとう もとしげ)
NIRA理事長。東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。最新著書は『財政再建の道筋』(2011年4月)、総合研究開発機構。

森信茂樹(もりのぶ しげき)
京都大学法学部卒。法学博士(租税法)。1973年大蔵省入省。現在、東京財団上席研究員、ジャパン・タックス・インスティチュート所長等を兼任。近著に、『日本の税制 何が問題か』(2010)岩波書店ほか。

土居丈朗(どい たけろう)
大阪大学経済学部卒。1999年東京大学博士(経済学)取得。専攻は公共経済学、財政学。2009年より現職。近著に、『日本の税をどう見直すか』(2010年)日本経済新聞出版社ほか多数。

加藤裕己(かとう ひろみ)
1974年東京大学経済学部卒。経済企画庁入庁。経済社会総合研究所総括政策研究官、内閣府官房審議官(経済財政分析担当)、日本エネルギー経済研究所理事を経て、2006年より東京経済大学経済学部教授、現在にいたる。 2006年より本誌編集主幹。著作に『日本経済読本』(共編著)[2007]、東洋経済新報社等。

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