伊藤元重総合研究開発機構理事長 福田慎一東京大学大学院経済学研究科教授 翁百合(株)日本総合研究所理事 大山剛あらた監査法人リスク・コントロール・ソリューション部ディレクター 林田雅秀総合研究開発機構研究調査部次長 政策レビューNo.42 2009.08金融危機後への日本の課題概要 米国のサブプライムローン問題は、世界株式市場の株安、ひいては大恐慌以来といわれる世界的な経済危機を招いた。当初は対岸の火事と見ていた日本も例外ではいられなかった。米国の国内問題であった米国金融危機が、なぜこのように甚大な世界的金融危機を引き起こしたのか。この経験から教訓を得る必要がある。金融市場や国際金融秩序の今後の課題と日本が果たすべき役割について、議論する。 全文を読む ■問題提起 金融危機後への日本の課題 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.多極化時代の国際金融秩序の構築に向けて 福田慎一 東京大学大学院経済学研究科教授 2.米国発金融危機の特徴と今後の規制監督政策上の課題 翁百合 (株)日本総合研究所理事 ■論点の背景 グローバル金融危機に翻弄される金融システム 大山剛 あらた監査法人リスク・コントロール・ソリューション部ディレクター ■政策研究の最前線 農業のあり方を考える~「3つ」の農業が併存する日本~ 林田雅秀 総合研究開発機構研究調査部次長 伊藤元重(いとう もとしげ) NIRA理事長。東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、2007年から同大学院経済学研究科長(経済学部長)。最新著『危機を超えて―すべてがわかる「世界の大不況」講義』(2009年)、講談社。 福田慎一(ふくだ しんいち) 1989年8月イェール大学大学院経済学部博士課程修了(Ph.D.)。横浜国立大学経済学部助教授、一橋大学経済研究所助教授、東京大学大学院経済学研究科助教授を経て、2001年12月より、現職。現在の研究分野は、金融論、マクロ経済学、国際金融。 翁百合(おきな ゆり) 1982年慶應義塾大学経済学部卒。84年同大学院経営管理研究科修士課程を経て、日本銀行入行。92年より日本総合研究所。2006年より現職。この間、2001~02年に慶應義塾大学大学院特別招聘教授を兼任。08年よりNIRA理事兼任。 大山剛(おおやま つよし) 1985年日本銀行入行。IMFエコノミスト(94~97年)。その後日本銀行に戻り、調査統計局、金融機構局参事役を経て、2008年9月から現職。著書『グローバル金融危機後のリスク管理』(2009年)、金融財政事情研究会。(近くWiley社より英訳版が出版される予定) 林田雅秀(はやしだ まさひで) 京都大学経済学部卒。1992年旧経済企画庁入庁。地域経済調査やNPO法に関する業務に従事。2001年の内閣府発足以降は、経済財政諮問会議や規制改革会議の事務局で勤務。08年8月より現職。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp