伊藤元重総合研究開発機構理事長 大竹文雄大阪大学社会経済研究所教授 井口泰関西学院大学経済学部教授 辻明子総合研究開発機構リサーチフェロー 飯笹佐代子総合研究開発機構リサーチフェロー 政策レビューNo.38 2009.05経済危機と雇用政策概要 非正規労働者の大量失業が大きな社会問題になっている。わが国の非正規労働者の割合は年々増加し、昨今では3割を優に超えていたが、世界的な大不況がそうした働き方の人々を直撃した。経済危機下における雇用政策はどうあるべきか。高度成長期に確立した日本の雇用制度は、人口構造や産業構造の変化を踏まえ、どのように変革すべきなのか。今こそ、本質的な議論が求められている。雇用問題の背景を紐解き、あるべき日本の雇用政策を議論する。 全文を読む ■問題提起 経済危機と雇用政策 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.景気後退と雇用問題 大竹文雄 大阪大学社会経済研究所教授 2.経済危機下における雇用対策の新たな展望 井口泰 関西学院大学経済学部教授 ■論点の背景 働き方の変化と雇用政策 辻明子 総合研究開発機構リサーチフェロー ■政策研究の最前線 R.フロリダ型の「創造都市」とトロントの挑戦 飯笹佐代子 総合研究開発機構リサーチフェロー 伊藤元重(いとう もとしげ) NIRA理事長。東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、2007年から同大学院経済学研究科長(経済学部長)。最新著『危機を超えて―すべてがわかる「世界の大不況」講義』(2009年)、講談社。 大竹文雄(おおたけ ふみお) 京都大学経済学部卒業、大阪大学大学院博士前期課程修了。大阪大学博士(経済学)。主な著書に『日本の不平等』(2005年)日本経済新聞社、『経済学的思考のセンス』(2005年)中央公論新社、『格差と希望』(2008年)筑摩書房等。 井口泰(いぐち やすし) 1976年一橋大学卒業・労働省入省、95年同省退職、関西学院大学助教授、97年から現職。99年博士号取得。専門は労働経済学。2003年から外国人集住都市会議アドバイザー、06年から規制改革会議専門委員(海外人材担当)。主著に『外国人労働者新時代』(2001年)、ちくま新書等。 辻明子(つじ あきこ) 2001年早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。早稲田大学人間科学部助手を経て2007年より現職。専門分野は社会学、人口学。 飯笹佐代子(いいざさ さよこ) 一橋大学大学院修了。博士(社会学)。関心領域は文化都市政策、多文化政策、シティズンシップ政策など。単著に『シティズンシップと多文化国家』(2007年)、日本経済評論社(大平正芳記念賞受賞)、共著に、中牧弘允・佐々木雅幸・総合研究開発機構編『価値を創る都市へ』(2008年)、NTT出版、佐々木雅幸・総合研究開発機構編『創造都市への展望』(2007年)、学芸出版社ほか。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp