伊藤元重総合研究開発機構理事長 高成田享朝日新聞石巻支局長 村上直久長岡技術科学大学経営情報系准教授 中嶋康博東京大学大学院農学生命科学研究科准教授 畑佐伸英総合研究開発機構リサーチフェロー 政策レビューNo.34 2009.01食の安全・安心を考える概要 近年、私たちの「食の安全・安心」を脅かす事件・事故が多発している。食品の偽装表示、輸入食品による食中毒や残留農薬など、事業者の姿勢が問われる問題が次々と報道されている。加えて、O-157などの食中毒やBSE、鳥インフルエンザなどの感染症の発生も、食の安全を脅かしている。消費者が安心して食品を手にできるために、何が必要なのか。食の信頼を回復するための課題を議論する。 全文を読む ■問題提起 食の安全・安心を考える 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.「魚」を見直す時期だ 高成田享 朝日新聞石巻支局長 2.危機をばねに新システムの構築を 村上直久 長岡技術科学大学経営情報系准教授 ■論点の背景 食のリスクマネジメントとリスクコミュニケーション 中嶋康博 東京大学大学院農学生命科学研究科准教授 ■政策研究の最前線 日中韓共同研究の歩み 畑佐伸英 総合研究開発機構リサーチフェロー 伊藤元重(いとう もとしげ) 東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph. D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、2007年から大学院経済学研究科長(経済学部長)。2006年2月からNIRA 理事長。最新編著に『リーディングス格差を考える』(2008年)日本経済新聞出版社。 高成田享(たかなりた とおる) 東京大学経済学部卒。朝日新聞社入社後、経済部次長、アメリカ総局長、論説委員などを経て2008年1月から石巻支局長。前橋国際大学客員教授、財務省関税・外国為替審議会委員。論文に「持続可能な漁業を求めて」(『世界』2009年1月号、岩波書店、須能邦雄氏と共同執筆)など。 村上直久(むらかみ なおひさ) 東京外国語大学フランス語科卒。1975年時事通信社に入社。編集局外国経済部、英文部での勤務、UPI通信(ニューヨーク)出向、ブリュッセル特派員などを経て、2001年に退職後、長岡技術科学大学に。現在、経営情報系准教授。著書に『WTO』(2001年)、『世界は食の安全を守れるか』(2004年)いずれも平凡社など。 中嶋康博(なかしま やすひろ) 1989年東京大学大学院農学系研究科博士課程修了(農学博士)。専攻は農業経済学、フードシステム論。東京大学農学部助手、助教授を経て、現職。著書は『食品安全問題の経済分析』(2004年)日本経済評論社他。 畑佐伸英(はたさ のぶひで) 2002年名古屋大学大学院国際開発研究科より博士(学術)取得。国連アジア太平洋経済社会委員会社会開発部インターン、早稲田大学アジア太平洋研究センター助手、アジア開発銀行研究所リサーチ・アソシエイト、首都大学東京都市教養学部研究員、総合研究開発機構国際研究交流部研究員などを経て、2007年11月より現職。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp