伊藤元重総合研究開発機構理事長 山下一仁東京財団上席研究員 合瀬宏毅NHK解説委員 柴田明夫丸紅経済研究所所長 森直子総合研究開発機構リサーチフェロー 政策レビューNo.32 2008.11食料問題と日本農業概要 世界的に食料価格が高騰する中で、日本の食料自給率が非常に低いことが注目されている。日本の食料確保のために、海外から安定的に食料を輸入できるようにしておくことは、国内生産を確保することと同じくらい重要である。輸入制限に頼ってきたこれまでの農業政策はすでに破綻している。輸入制限から生産促進へ転換するために日本は何をすべきなのか、現在の日本の農業は何が問題なのか、議論する。 全文を読む ■問題提起 食料問題と日本農業 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.食料問題への日本の対応 山下一仁 東京財団上席研究員 2.食糧危機と日本の責任 合瀬宏毅 NHK解説委員 ■論点の背景 食料不足を睨んだ農政大転換を急げ 柴田明夫 丸紅経済研究所所長 ■政策研究の最前線 新しいODAの時代に向けて 森直子 総合研究開発機構リサーチフェロー 伊藤元重(いとう もとしげ) 東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。2006年2月よりNIRA理事長。最新著書は『キーワードで読み解く経済』[2008]NTT出版。 山下一仁(やました かずひと) 東京大学法学部卒。ミシガン大学行政学修士・応用経済学修士、東京大学農学博士。ガット室長、地域振興課長、農村振興局次長などを経て、2008年農林水産省を退官。同年4月より現職。著書に『食の安全と貿易』[2008]日本評論社など。 合瀬宏毅(おおせ ひろき) 山口大学経済学部卒。NHK入局後、鹿児島放送局、同名古屋などで勤務。NHKスペシャル、モーニングワイドなどを制作し、「なるほど経済」「BS23 経済最前線」など経済番組のプロデューサーを経て2000年より解説委員。「食料・第一次産業」を中心とする経済問題担当。 柴田明夫(しばた あきお) 1976年東京大学農学部卒業後、丸紅に入社。鉄鋼第一本部、調査部を経て、03年同研究所副所長を経て現職。経済企画庁(現・内閣府)「地球環境・エネルギー・食料問題研究会」委員を歴任。現在、農林水産省「食料・農業・農村」政策審議会臨時委員。主著に『資源インフレ』『食糧争奪』(日経新聞出版社)など。 森直子(もり なおこ) 2004年東京大学大学院経済学研究科博士課程満期退学。社会経済生産性本部、海外経済協力基金開発援助研究所、国際協力銀行開発三部、政策研究大学院大学COEオーラル・政策研究プロジェクトを経て、2005年4月NIRA入職。国際研究交流部研究員を経て、2007年11月より現職。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp